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サービス残業はもう嫌だ!ブラック企業の手口と負けないための対策

サービス残業は、従業員にとってよいことが何もなく、それを強要する会社はブラック企業の可能性があります。ところが、サービス残業を当たり前のように受け入れてしまう人も多いようです。残業代を支払ってもらえないのに、残業を強要されている人は、働き方をいま一度見直してみましょう。

先輩から重要な仕事を頼まれました!!自分のスキルでは定時に終わらないから、残業して終わらせます!

あらあら、大変そうね。ところで残業代はきちんと出るのかしら?

いや~、自分の力不足ですから!残業代なんて出ないっていわれました~。

・・・あなたの会社、大丈夫?

サービス残業とは

夜更けのオフィス
サービス残業とは、会社が従業員に対して残業代を支払わずにさせる残業のことをいいます。従業員がいわば「サービス」で残業をしてあげる、という意味がありますが、この働き方は違法であり、サービス残業させる会社はブラック企業の可能性があります。

サービス残業は違法!

サービス残業は、労働基準法に背いた働き方であり、違法となります。労働基準法では、1日8時間、1週間40時間と労働時間の上限が定められています。それを超えると残業時間となりますが、残業時間には必ず割増した賃金を支払わなければいけません。それを支払わずに従業員を働かせたら、会社が違法行為をしているということになります。

■サービス残業をさせたら罰則も

サービス残業は違法であり、対応によっては会社や経営者が逮捕されるケースもあります。労働基準法では、残業代の未払いがあり、労働基準監督署が是正勧告を行なったにもかかわらず、従わなかった場合

これを六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

参照:労働基準法 第十三章 罰則

と定められています。

サービス残業をしたら未払い残業代の請求ができる

サービス残業を過去にしていたという場合には、未払い残業代として会社に請求できます。タイムカードなどの残業の証拠があると有利です。日記や退社時の家族へのメールなども証拠として認められたケースがあります。

残業代ってもらってもいいんだ~。今月の残業代を計算してみようかな!

〇残業代の計算方法はこちらの記事で確認!
残業代計算の仕方をわかりやすく解説!正しく残業代をもらってますか?

サービス残業の実態は?

サービス残業は労働基準法違反ですが、それでも実際にはサービス残業をさせている会社はあります。過労死などが社会問題となり、減ってはいるものの、いけないとは知らずにサービス残業させている会社や嫌とはいえない従業員など、まだまだ日本の社会では問題が残っているようです。
表1

参考 労働時間に関する調査日本労働組合総連合会

サービス残業の平均時間

日本労働組合総連合会の「労働時間に関する調査」データでは、1 ヶ月に59.7%の人が「10 時間未満」、16.8%が「10 時間~20 時間未満」サービス残業をしているそうです。サービス残業の平均時間は16.7 時間で、多くの時間をサービス残業に費やしていることが分かります。

表2

参考 労働時間に関する調査日本労働組合総連合会

拒否しにくいサービス残業

サービス残業は、社風や社内の無言のルールになっている場合、拒否するのが難しくなります。社内で他の人もしていると、自分だけ断ると悪いのではないか、上司が残っているから帰りにくいと感じることもあるようです。

自分の力不足が原因だし、先輩も残っているし・・・

サービス残業はなくなりつつある?

断りにくい、帰りにくいなどで無理してやっていた人も多いサービス残業ですが、近年、過労死などの問題もあって、表向きは減りつつあるようです。労働への考え方の変化や海外・外資系企業の考え方の流入もあり、無駄な残業をしない人も出てきました。

しかし、日本の会社でサービス残業をする文化がなくなったわけではなく、まだまだサービス残業が当たり前のブラック企業などもあります。

■海外でのサービス残業の扱い

海外の企業でも残業やサービス残業がないわけではありません。ネットなどでは「海外では残業はない」という意見が目立ちますが、海外で働いていたときに残業をしたことがあるという人もいるようです。ただし、海外の多くの国では残業に対する考え方が日本とは少し違います。海外では日本のように「残業して偉いね!」という考えはなく、残業するのは仕事ができない人、要領が悪い人、と思われているようです。

■サービス残業しないゆとり世代も

近年、残業や働き方に対して違った考え方をする人も増えているようです。ゆとり世代と呼ばれる若い人たちの中には、サービス残業はもちろんのこと、残業しない、プライベートを大切にする人がいます。

彼らは仕事とプライベートをきっちり分けており、職場では馴れ合いにならず、頼まれても自分に関係のない残業はしません。彼らの行動はもしかしたら、この先のサービス残業の撲滅に大きな影響を与えるかも知れません。

そうか、じゃあ、もう心配は要らないかな?

そうはいっても、悪質なブラック企業に出会ってしまうと過酷な労働環境で働かされることもあるから、悪い会社に騙されないように注意が必要よ!

要注意!サービス残業当たり前のブラック企業

ブラック企業では、さも当たり前で合法的なことのように思わせて、サービス残業をさせるケースが多くあります。自分の残業状況が似ていたら、ブラック企業の可能性があります。日本労働組合総連合会の調査では、自分の会社がブラック企業だと感じる人が 4 人に 1 人いたようです。

表3

参考 ブラック企業に関する調査日本労働組合総連合会

タイムカードを押してから残業させる

ブラック企業でありがちなサービス残業のさせ方としては、タイムカードを定時で押させてから残業させる方法があります。実際には残業していたのに、タイムカードの退社時間の記録は定時なので、残業代を請求できません

裁量労働制やみなし残業を導入する

裁量労働制やみなし残業(固定労働時間制)などを導入し、間違った解釈で残業代を踏み倒すのもブラック企業にありがちなやり方です。本来自主的な働き方である裁量労働制なのに、勤務時間を会社が管理していたり、みなし残業に含まれる残業時間を超えた分の残業代を支払わなかったりといったケースは全て、違法となります。

名ばかり管理職を設置

管理職は残業代が出ないことを利用して、名ばかりの管理職として働かせるのもブラック企業のサービス残業のさせ方です。管理職は本来、自分の労働時間を管理できたり経営に関わったりできるはず。それなのに、名ばかりで管理職としての権利や業務のない管理職の役職を必要以上に多く設置するのは残業代逃れの可能性があります。

僕、入社3ヶ月でマネージャーになりました!変わったのはネームプレートの役職名だけです!

それ、かなり怪しいわよ!

残業時間の端数を切り捨てる

残業代を支払わないわけではありませんが、15分、30分などの端数の切り捨てをするのもいけないことです。切り捨てだけをして、繰り上げをしない場合には違法となります。原則的には、残業時間は1分単位で計算するのがよいとされています。ただし、処理の簡便化のために四捨五入は認められています

労働時間の端数計算を、四捨五入ではなく常に切り捨てで計算することは、切り捨てられた時間分の賃金が未払となるため認められていません。(労働基準法第37条)

参照:大阪労働局

サービス残業に負けないための対策

上司に抗議

サービス残業を故意に行わせている会社は、そもそも違法ですし、悪質なブラック企業の可能性が高くなります。そんなブラック企業に負けないように、対策してみましょう。悪いのは会社ですが、我々従業員も自分を守るためにしっかりと対抗措置をしなければいけません。やりにくいこともありますが、思い切ってやるべきです。

サービス残業を断固断る

サービス残業を依頼、要求されたら、断固断るのがベストです。そもそも違法なので、サービス残業を断ったり、残業代を請求したりできます。ただし、周りが味方してくれない場合には、社内で孤立する可能性も高く、かなり勇気と覚悟が必要です。周りに理解を求め、協力者を増やすことも平行して行ってみるとよいかもしれません。

未払い残業代を請求する

もうすでにサービス残業をしているという人は、未払い残業代として残業した分を会社に請求してみましょう。給料明細と合わせて、残業したという証拠があるとやりやすくなります。タイムカードだけでなく、パソコンの履歴、日記などは記録として証拠になります。タイムカードを押してからの残業でも諦めることはありません

労働基準監督署に訴える

自分で会社にサービス残業を拒否、または未払い残業代を請求することができない場合、告発して戦うのも手です。労働基準監督署は、労働基準法違反の事例に対応しており、相談から調査、是正勧告、逮捕までの対応をしてくれます。ただし、残業代未払いの事実を証明できないと動けないため、証拠となる記録が必要です。

転職も考える

何をしても変わらないときや、できない人は、転職でよい環境を求めるのも一つの手段です。会社が変わらないなら、そんな会社は自分が去ればよいのです。実際、ブラック企業の場合には、何をしても改善することは難しいでしょうし、サービス残業以外でも心身に大きな負担がかかっているかもしれません。

辛い環境に我慢できなくなったら、勤続年数に関わらず転職を考えましょうね。ハタラクティブは、第二新卒に強いから安心よ。

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違法なサービス残業の強要に負けない

仕事がきつい
サービス残業の強要は、ブラック企業に多くみられる違法行為です。そもそも違法なので断ってもよいものですが、会社や上司、同僚などが理解してくれない場合には、転職を考えることも必要となりそうです。いつまでもサービス残業が当たり前になっている状態に甘んじるのではなく、早めに環境改善の行動を起こしましょう。

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