コアコンピタンスの意味は?分析のポイントって?企業戦略の参考になる成功例3つを解説

コアコンピタンスとは、自社の核となる得意分野

先輩

コアコンピタンスはうちの会社を作る核のことね。じゃあ、取引先にこう聞かれたらどうする?『御社のコアコンピタンスはなんですか?』

たぶん鉄筋コンクリートです!

新人

先輩

そうじゃなくて!もっと…こう、得意分野とか技術とかね!

コアコンピタンスとは、その対象の核となる部分。といっても、新人クンのいうように自社の核(物理)ではなく、他社と差別化できる特徴のことです

コアコンピタンスの意味をチェック

コアコンピタンスの意味も詳しく見ていきましょう。英語と日本語の意味に違いはあるのでしょうか?コアコンピタンスはどのように用いられるのでしょうか?

コアコンピタンスの英語は「core competence」

コアコンピタンスは、英語の「core competence:核となる競走能力」からきたカタカナ語。1990年に、アメリカで有名なコンサルタント ゲイリー・ハメルらによって提唱されました。英語と日本語での意味の違いはありません

コアコンピタンスを日本語にすると?

コアコンピタンスを日本語で言い換えるなら、以下のように表せます

コアコンピタンスの言い換え表現
企業の核となる分野、特徴
他社に対する優位性
競合他社より有利な事業部門、サービス、技術
企業の競走能力

コアコンピタンスの使い方・例文

例文1
「自社のコアコンピタンスを知っていることは企業戦略として非常に有利だ。」
例文2
「今回独自開発したソフトウェアは他に類を見ないものです。弊社のコアコンピタンスといえるでしょう。」
例文3
「あの先輩、後輩に仕事押し付けて、自分は大して働いてないんだよ。」

「それでいて『俺はアウトソーシングして効率化してるだけだ!』なんていってるんでしょ?」

「あなたにコアコンピタンスはあるのかって感じだな。」

コアコンピタンス分析の視点

その企業のコアコンピタンスを見極めるには、どのような視点が必要なのでしょうか。企業分析に役立つコアコンピタンスの視点をご紹介していきましょう。

①:顧客に価値を提供できるかどうか

その企業のコアコンピタンスを見極めるためにまず見ておきたいのが、その企業が顧客に価値あるものやサービスを提供できるかどうかです。その企業にとってのターゲットは誰なのかを知り、彼らにとって価値あるものを提供できているなら、それはコアコンピタンスといえます。

まずはターゲットやニーズをしっかり把握することが大切ですね!

先輩

②:他社に真似される模倣可能性

その企業の技術や特性が競合他社に簡単に真似できないものかどうかも重要です。模倣可能性が低いほど大きな競争優位性を持つ企業の「ウリ」です。真似できないものはコアコンピタンスといえます。

他社に真似できない差別化戦略をとっているかも見ておきたいですね

先輩

③:複数の商品や市場につながる移動可能性

その企業のウリが幅広く展開していけるかどうか、つまり移動可能性(移転可能性)が高いかも重要です。1種類の製品やサービスだけではなく、多くの製品や分野に応用できれば、その企業のウリは将来性も高いコアコンピタンスです。

コアコンピタンス経営の具体例3選

コアコンピタンスを経営戦略としたコアコンピタンス経営というものがあります。それまでの企業経営を見直し、このコアコンピタンス経営を行ったところ、業績が伸びたという成功例もあります。コアコンピタンス経営に成功した企業とは?また、その成功例はどのようなものだったのでしょうか。

例①:味の素

1909年創業の味の素。この味の素の「アミノ酸関連の技術」はコアコンピタンスの有名な成功例です。顧客にとって価値ある、他社では真似できない旨味を届け、調味料として市民権を得ました。

さまざまな料理に使用できる点、近年の日本食ブームにより世界でも使われる点から移動可能性もばっちり。自社のコアコンピタンスを強くアピールし、変わらぬ味を届けるコアコンピタンスの成功例です。

【味の素のコアコンピタンス分析】

顧客価値:うまい!

模倣可能性:企業秘密の旨味技術

移動可能性:さまざまな料理に使用可能、世界的に広がる日本食

例②:ソニー

ソニーの「小型化技術」もコアコンピタンスの成功例です。ソニーはコンピューターやカメラ、オーディオ、テレビなどを取り扱う総合電機メーカー。そんなソニーが、日本を代表する電機メーカーになったきっかけは、1980年代に発売されたウォークマンです。

ウォークマンはラジカセを小型化させたもので、当時どの企業も真似することはできませんでした。また、80年代に外で音楽を聴くためには大きなラジカセを持ち運ぶ必要があり、ウォークマンは価値ある画期的な商品だったのです。

さらに、ウォークマンの技術を生かしてポータブルCDプレイヤーやポータブルMDプレイヤーを発売し、小型化技術をコアコンピタンスとして確立していきました。

【ソニーのコアコンピタンス分析】

顧客価値:小型で持ち運びラクラク

模倣可能性:世界に通用する小型化技術

移動可能性:さまざまな電子機器に応用

エスニックジョークに『商品をつくるなら、ドイツ人が開発して、アメリカ人が実用化、イギリス人が投資して、日本人が小型化に成功し…』なんていうのがありますね

先輩

新人

ソニーが「日本=小型化」のイメージをつくった先駆者なんですね!

例③:トヨタ

世界中の人が名前を知ってるトヨタのコアコンピタンスは、トヨタ式生産システムです。これは、「販売して、生産する」という従来の生産方式とは異なる方式。「必要な分だけ生産する」というジャストインタイムな生産のことです。

このトヨタ式生産システムはこれまでの経験と技術があってこそなので、他社にはそう真似はできません。また、この方式ならよりコストを削減した製品をつくることが可能になり、製品自体の価格も抑えられるため、買う人にとっても魅力的です。

さらに、トヨタ式生産システムは生産業以外にも活用できるという点で注目されています。各分野の企業がトヨタ式をモデルケースにしていることも、トヨタの強みとなっています。

【トヨタのコアコンピタンス分析】

顧客価値:価格を抑えた高機能な製品

模倣可能性:トヨタだからできる生産方式

移動可能性:他者がモデルケースにするシステム

成功企業は、どこもコアコンピタンス分析の3原則を満たしていますね

新人

コアコンピタンスとケイパビリティの違いって?

コアコンピタンスと同じく90年代に提唱された考え方として、「ケイパビリティ」という言葉が挙げられます。ケイパビリティは「capability」。「capable:可能である」と「ability:能力」が合わさった言葉で、「何かを実現したり処理できること、その能力」を指します。

コアコンピタンスとの違いは、その能力の範囲。ケイパビリティが価値をつくる組織的な能力で、コアコンピタンスは価値をつくるための特定の技術力や強みです

コアコンピタンスを見極めた経営戦略を!

コアコンピタンスを見極めた経営は、その企業に大きな利益を生みます。自社のコアコンピタンスをもう1度分析し、市場にどのように参入すればいいのかをぜひ見極めてくださいね!ちなみに、コアコンピタンスの企業分析は入社面接の志望動機などでも役に立ちます。