MECEとは『漏れなくダブりなく網羅』
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MECEは英語の「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の頭文字を取ったもので、読み方は「ミーシー」あるいは「ミッシー」です。意味としては「漏れもダブりもなく網羅された状態」です。
これはちょっと小難しいですね。ここではMECEのいわんとしている意味をわかりやすく解説し、周辺情報も含めて解説するので、しっかりと理解して使いこなせるようになってください。
MECEの意味をチェック
ビジネスの現場は、ロジカルシンキング(論理的思考)とは切っても切り離せない手法で、相手に自分の考えていることが伝わりやすくなるため、プレゼンや商談などあらゆる場面で必要とされる力です。そのロジカルシンキングの基本概念のひとつがMECEです。詳しく見ていきましょう。
MECEはフレームワーク以前の考え方
MECEの個々の意味は以下の通りです。
・Exclusive=重複しない
・Collectively=全体に
・Exhaustive=漏れなし
何か物事を整理する場合に、部分的に重複していたり、抜け落ちていたりすることはよくあります。このダブりや漏れを最小限にするための基本がMECEです。
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MECEの基本2つのアプローチ
MECEの考え方を使って、物事を整理するアプローチには以下の2通りがあります。
・ボトムアップアプローチ
前者は全体から詳細を掌握する方法で、後者は詳細を集め、その末に全体像を掌握する方法です。
もう少し詳しくいうと、トップダウンは全体から要素を分析し、テーマに沿った切り口で分類します。全体像がハッキリしていたり分類の仕方が想定しやすかったりするケースに有効です。
それぞれの方法の特質をわかった上で、双方を用いて補完し合いつつ使うのがベストでしょう。主従でいえば主がトップダウンですが、未知の領域では従のボトムアップを試したのちにトップダウンで修正を加えていくのが効果的です。
ボトムアップは要素をブレインストーミングの要領で洗い出し、類型で分けます。そうやって最終的に全体像の掌握に向かいます。全体像がハッキリしない、あるいは分類方法の見当がつかないケースに有効です。
MECEの英語は『Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive』
MECEは英語で『Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive』と表記し、『MECE』の略称でも使われます。使い方は日本語の場合と同じです。
以下のように使われます。
物事を分類するときに、漏れなく、ダブりなく分類する考え方がMECEです。
MECEとロジックツリーの違い
MECEと似た言葉にロジックツリーというものがあります。MECE を用いたロジカルシンキングは、頭の中で考えていると複雑になって把握しきれなくなることがあります。
そこで役立つのがロジックツリーという手法です。文字通り木の形をした図を使い、基本事象を幹として派生する事象ごとに枝をつけ、分類していくアプローチです。これにより、複雑な要素を持つ事柄でも、形として状態が見えて理解しやすくなります。
MECEの使い方・例文
MECEは、ビジネスシーンでの会話ではいったいどんな使い方があるのでしょうか。例文で見てみましょう。
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[おまけ]MECE欠如が生む弊害の例
もしMECEに正しい分類をもとに物事を進めなかった場合の弊害の例を挙げて見ましょう。
例えば新人研修プログラムで役割分担を決めるときに、同種の業務が複数の部署にまたがって研修項目に上がったり、必要な業務の研修が抜け落ちていたりします。新人は同じ研修を無駄に複数回受けて、大事な研修は受けられなくなるのです。
顧客分類が職業という項目でなされた場合、副業や兼業をしている人は複数回カウントされ、無職の顧客はカウントされません。これでは正しい顧客の分布が掌握できません。
あらゆる物事に使えると知って使おう
MECEの考え方はとても汎用性が高く、あらゆる物事に活用できると考えられます。そういう特徴を理解して「MECE」という言葉を使いましょう。