生徒に教えるのは楽しかったが、塾講師から起業コンサルタントに転職したワケ

こんにちは。私は大学を卒業後、7年間塾の講師として働き、キャリアを磨きながら全くの異業種である起業コンサルティングの会社へと転職しました。

転職するまでのさまざまな出会いや葛藤をお話できればと思います。

アルバイトからやりがいを感じ、卒業後も塾講師の道へ

大学卒業後、塾講師としてファーストキャリアをスタート。

そもそも塾講師を目指そうと思ったきっかけは大学時代のアルバイトです。

大学2年生の頃から、小規模の塾でアルバイトを2年程していたのですが、生徒に授業を教えたりコミュニケーションをとったりすることがとても楽しく、このまま塾講師として働きたいと考えるようになりました。

そのため就活は塾講師一本。他の業界は一切考えずに塾だけを受けることにしました。

もともと下調べをして吟味するよりも直感的にここがいいな、と思ったところを選んでしまうタイプ。直感で選んだ神奈川県発祥の規模の大きい学習塾のみ面接を受け、他はとりあえず受けないでいいや、という気持ちでいました。

塾の選考は少し特殊で、他の企業のような集団面接や個人面接というようなことはやりません。模擬授業を5回ほど行い、その評価で採用を決定するというものでした。
学生の頃から授業をずっと行っていたので、私は高評価で内定をもらうことができ、そこに決めました(笑)

重労働に人間関係の問題が積み重なっていく

こうして念願の塾へ入社しました。

最初は小学生・中学生に対して理科や数学をメインに授業し、2年目からは塾の室長、5年目からは3つの教室のアルバイト管理や入塾者を増やすためのマーケティング戦略などを担うマネジメント職をしていました。

生徒に授業を教えるのは楽しいですし、順調にキャリアアップもしていたため、最初の5年ほどは転職を全く考えていませんでした

しかし、労働時間に関しては正直大変で…

塾の場合は、だいたい13時から22時の勤務と求人票に明記されていることが多いのですが、実際はその時間内に収まることはなく、出社はだいたい10時頃。1日12時間労働になるのはデフォルトで、遅いときは深夜1時になることもありました。途中の休憩も一応1時間設けられてはいるのですが、生徒が質問にきた場合などは答えなければいけないので休めないときもあります。

また、テストが近いときや夏期講習、冬期講習のときは教室を常に開放して生徒に勉強を教えるので、なんと1ヶ月間休みがないこともありました。塾の先生というと、授業だけ行うイメージがあるかもしれませんが、授業後の事務作業や会議のための資料づくりなど、やるべきことが多くあります。自宅に帰ってからも仕事をすることがあり本当に大変でした。

残業代に関しては、みなしがついてはいますが実際は自助努力といってもいいような世界でした。正直割に合わないと思っていましたが新卒から働いていて、この会社しか知らなかったのでこういうものかと思っている部分もありました。

仕事自体は好きだし、体力にも自信があったのでこのような環境下でも転職を考えることなく働けてはいましたが、とあることがきっかけで状況が変わることに。

上司が代わったことで転職を考えるように

入社して5年が過ぎる頃、人事異動で上司が変りました。

その上司は私を気に入ってくれて、期待もしてくれていたみたいなのですが、振る舞いの中でパワハラに近いものがあり、上司との関係に悩むように。

例えば毎日電話がきたり、仕事でマイナスの報告をするときに長時間詰められたりといったことが日常茶飯事でした。

会議の中でも怒鳴りつけられたり机を蹴ったりすることもあり、どんどん萎縮するようになっていきました。

さらに、気に入られていたからかプライベートでも趣味に誘われることがとても多く、朝4時から付き合わされることも。上司が私を気にかけてくれるのはありがたかったのですが、苦手だと感じている人と休日も会わなければいけないというのは正直かなりの苦痛でした。

そしてそれを断れない自分にも大きなストレスを感じていました

学生時代の友人からヘッドハンティング!

このままこの塾で仕事を続けるのは無理かもしれないと悩んでいた私でしたが、友人からのひとことを思い出し人生に転機が訪れました。

私がまだ転職を考えていなかった入社4年目の頃から、大学時代からの友人に「一緒に働かないか」と声をかけてもらっていました。友人は父親が経営している会社に勤めていて、ずっと一緒に働いてくれる人を探していたそうです。

当時は転職を全く考えていなかったので断っていたのですが、「転職する気になったらきてよ」と待ってくれていました。

今の上司との関係に悩んでいた頃、そのオファーを思い出し入社6年目となる2018年の4月に”この1年の間に絶対転職する”と決意し、友人に連絡をしました。

引き止めを受けながらも転職をすることに

友人の会社への転職を決意した私ですが、実際に実行できるまでは1年の歳月がかかりました。

前職は引き止めの文化が強い会社で、周りを見ていても簡単に退職できないことは想像がついていました。ある人は、講師の仕事ではなく広告の仕事がしたいという理由で退職を相談したのですが、本部の広告宣伝部に異動させるなど、あらゆる手で引き止めをして結局転職に失敗していました。

私はというと「妻の具合が悪く在宅勤務のできる仕事に転職します」と上司に相談したところ、「本部に直談判をして自宅でもできる制度を作ってやる」と返され、なんとか会社に残るよう説得を受けました。

上司が私を気に入ってくれていたので若干申し訳ない気持ちもありましたが、1か月ほど上司を説得し、なんとか最終的に事業部長と面談をした上で認めてもらうことができました。

塾講師から起業コンサルタントへ

2019年の4月から友人が誘ってくれた企業コンサルティングの会社で働き始めることになったのですが、前職の塾とはまったくといっていいほどの異業種の転職。最初の3ヶ月ほどはいちから学び直す状態で正直苦労しました。

また前職と大きく違うと感じたことは、社員が私を含めて4人ほどのとても小さい会社のため、自分の意見を求められることが多く、会社で働いてどうしていきたいかなどを問われることが増えたことです。

前の職場では全社員が1,000人くらいの会社で規模も大きく、上が設定した数値目標を達成するために毎日働いていて、大変ではあったもののやることはルーティン化していました。

そのため自分がどうしたいかを考えるのに慣れていないため、きついと思っていた時期もあったのですが、1年ほど経ってようやく自分の意見もはっきりと伝えられるようになりました。

人間関係も労働時間もよくなり精神的に楽になった

今の職場は10時に出社をして16時~17時には終業しますし、休日出勤もこの1年したことがありません。塾講師をしていたときは週休1日ということも珍しくありませんでしたので、労働時間は体感的に半分くらいになったと思います。

また、常に上司の顔色をうかがっていた私ですが、気の知れた友人と働いているので気持ち的にとても楽になりました

給料に関しては年収換算すると100万円ほど下がりましたが、今の会社は自分が頑張れば事業も拡大し給料が上がるチャンスもあります。それにあの頃の精神的なしんどさに比べたらずっといいです。

また、時間に余裕もできたので空いた時間を見つけてはブログを書いたり、ランサーズに登録してライティングの仕事にチャレンジしたりと副業をコツコツ始めています。今はコロナの影響で完全にテレワークに移行したため、さらに時間に余裕が持てるようになりました。

これは転職をしなければ絶対にできなかったことだと感じています。

会社に依存しない生き方を模索していきたい

転職して一番良かったと感じているのは「自分がどう生きたいか」「どう価値を高めていきたいか」を考える時間ができたことです。

今の私は「会社に依存せずに生きるにはどうすべきか」と考えることが増えたので、今後も正社員として仕事をしながら副業に注力していきたいと考えています。

すぐにフリーランスになろうとまでは考えてはいないのですが、もしそうなったとしても困らないくらいのスキルや人脈を持てるようになりたいと思っています。

自分の心の声に常に耳を傾けて仕事をする大切さ

この転職を振り返ると、7年間は時間を費やし過ぎてしまったなと正直反省しています。塾自体は悪くないし立派な仕事だと今でも思いますが、完全に自分を犠牲にして働いていたと思います。

妻にも体調面で心配を掛けてしまっていたし、考える暇もありませんでした。この7年間が決して無駄とは思ってはいませんが、もっと早く転職したいという気持ちに気づいていれば若いときから行動を起こせたかもしれないと思っています。

もし転職に悩んでいる人がいれば、自分の心の声に耳を傾けるようにしてみて欲しいです。上司や部下、顧客が喜んでくれるから仕事をする。もちろんそれも大切だと思うのですが、今の仕事が本当に自分の人生でやりたいことなのか、少しでも違和感があるのであれば見ないふりをせずに向き合うことが大切だと思います。

私の場合、違和感をノートに書き出すことで自分が置かれている状況を客観することが出来ました。おかげで自分の気持ちが整理され、「今後自分はどうしていきたいのか?」ということを考えられた結果、転職へ一歩踏み出せたのです。

躊躇しているとあっという間に時間は過ぎてしまいます。気づけば道が狭まっているということにならないようぜひ自分の気持ちと向き合って欲しいなと思っています。

この記事が転職に悩んでいる方の「自分の気持ちと向き合うきっかけ」になれば幸いです。

取材・執筆:渡辺健太郎(けんわた)(けんわた@美容とジェンダー
編集:chewy編集部 はら