くるみんマーク・えるぼしマークとは?企業や社員のメリットと課題

女性が転職先を考えるなら、子育てや女性の就業に力を入れている、くるみんマーク・えるぼしマークのついている企業がおすすめ!

よく知っているね。ただし、マークが付いているからといって、すべてがいい企業であるとはいえないみたいだよ。

くるみんマーク・えるぼしマークとは

くるみんマーク・えるぼしマークは、どちらも企業に与えられる認定マークです。くるみんマークは子育てサポート企業が、えるぼしマークは女性の就労をサポートする企業が対象となっています。それぞれに認定基準があり、企業は認定基準を満たすための計画と実行が必要です。

くるみんマークとは

くるみんスクリーンショット
次世代育成支援対策推進法(次世代法)で定められている子育てサポートを積極的に行っている企業の認定マークです。認定基準を満たした企業は、自ら申請を行い厚生労働大臣の認定を受けます。

既にくるみんマークの認定を受けた企業がさらに高水準の子育てサポートを行っていることを認めた「プラチナくるみん」もあります。

■ くるみんマークの認定基準

くるみんマークの認定を企業が受けるには、行動計画の策定を行い、それを達成するなどの認定基準を満たすことが必要です。

以下に簡単な認定基準の内容を記しておきます。

認定基準1

雇用環境の整備について、行動計画策定指針に照らし適切な行動計画を策定したこと。

企業はまず、子育てサポートのための雇用環境の見直しと整備の計画を立てます。計画には、妊娠中や子育て中の仕事と家庭の両立を支援するための雇用環境と労働条件の整備などを盛り込むことになっています。

認定基準2

行動計画の計画期間が、2年以上5年以下であること。

次世代法は平成27年3月31日までの時限立法なので、計画期間もそれまでに終わらなければいけません。

認定基準3

策定した行動計画を実施し、計画に定めた目標を達成したこと。

当然ですが、計画で定めた子育てサポートが達成されることも必要です。計画を実施し、さらに証明するための資料を添付することになっています。

認定基準4

平成21年4月1日以降に策定・変更した行動計画について、公表および従業員への周知を
適切に行っていること。

企業がマークの認定を受けるには、外部への公表と従業員への周知をおおむね3カ月以内に行うことが必要です。

認定基準5

計画期間において、男性従業員のうち育児休業等を取得した者が1人以上いること。

育児休暇は女性だけが取るものではありません。男性も育児休暇を取得して、みんなで子育てしやすい環境を作ることもくるみんマークの認定基準です。

認定基準6

計画期間において、女性従業員の育児休業等取得率が、70%以上であること。

女性の育休もさらに取りやすくすることもくるみんマーク認定の条件です。

認定基準7

3歳から小学校就学前の子どもを育てる従業員について、「育児休業に関する制度、所定外
労働の制限に関する制度、所定労働時間の短縮措置または始業時刻変更等の措置に準ずる制
度」を講じていること。

認定のためには、幼い子を持つ親が子育てしながら働きやすい環境を作ることも求められています。

認定基準8

次の①~③のいずれかを実施していること。
①所定外労働の削減のための措置
②年次有給休暇の取得の促進のための措置
③その他働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備のための措置

認定企業は、働きすぎへの対策も行うことが必要です。

認定基準9

法および法に基づく命令その他関係法令に違反する重大な事実がないこと。

以上に加えて、労基法違反などをしていないことも認定基準となっています。

上記認定基準の引用元:くるみんマークの認定とは(厚生労働省)

女性に限らず、働くみんなが子育てしやすくするためのマークなのね。

えるぼしマークとは

えるぼしスクリーンショット
女性活躍推進法で定められた基準を満たした企業に与えられるのが、えるぼしマークです。女性の採用や昇格など、女性の働き方をサポートした実績を評価されます。くるみん同様、企業が自ら申請し、厚生労働大臣の認定を受けることが必要です。

■ えるぼしマークの認定基準

えるぼしマークは、以下の認定基準を満たした項目数に応じて段階的に与えられます。

表のスクリーンショット
引用元:えるぼし認定について(厚生労働省)

① 男女の採用を性別に関係なく行っているかどうか

②女性の継続就業率の改善を行っているかどうか

③労働基準法内の労働であるかどうか

④昇格のチャンスを性別、育休などに関係なく与えているかどうか

⑤女性の正社員登用などの実績があるかどうか

行動計画の策定と届け出を行い、その実績を厚生労働省のウエブサイトに毎年公表すること、以下の3つの基準をすべて満たすことを共通の条件としています。

○ 事業主行動計画策定指針に照らして適切な一般事業主行動計画を定めたこと。
○ 定めた一般事業主行動計画について、適切に公表及び労働者の周知をしたこと。
○ 法及び法に基づく命令その他関係法令に違反する重大な事実がないこと。

引用元:えるぼし認定について(厚生労働省)

さらに満たした基準の項目数に応じて以下の3段階に分け、認定を行います。

1段階目
えるぼしスクリーンショット
上記内容のうち1つ又は2つの基準を満たしている企業

2段階目
えるぼしスクリーンショット
上記内容のうち3つ又は4つの基準を満たしている企業

3段階目
えるぼしスクリーンショット
上記内容の全ての基準を満たしている企業

企業が認定を受けるメリットとは

くるみんマーク・えるぼしマークは、それぞれ対象となる企業が異なりますが、どちらも企業にさまざまな恩恵を与えます。なぜ、企業は認定を受けようと努力をするか、認定によるメリットを知っておきましょう。

ブランドイメージを高める

くるみんマーク・えるぼしマークを取得した企業は、マークを商品や広告などに使用できます。マークをつけることで、子育てサポートや女性の就業に力を入れている企業として、世間に対してよいイメージを与え、ブランドイメージを高められそうです。

優秀な人材を得やすくなる

くるみんマーク・えるぼしマークは、取得したことを求人票などに使用することもできます。社員のワークライフバランスを重視する企業として、優秀な人材を集めることにも役立ちそうです。また、くるみんマーク・えるぼしマークの基準を守ることで、社員の定着率もアップし、優秀な人材が流出するリスクも抑えられます。

各種優遇措置が適用される

くるみんマーク・えるぼしマークを取得した企業は、各種優遇措置を使うこともできるようになります。くるみんマークでは、くるみん税制と呼ばれる税制優遇措置、えるぼしマークでは、公共調達や低利融資の際に優遇措置があります。

青色申告書を提出しており、平成27年4月1日から平成30年3月31日までの期間内に
初めてくるみん認定(※1)を受けた企業は、認定を受けた事業年度(1年間)に、企業・
資産の種類の区分に応じて、以下の割増償却率の割増償却の適用が受けられます。

引用:税制優遇(くるみん税制)リーフレット

えるぼし認定、プラチナえるぼし認定を受けた事業主は、公共調達で加点評価を受けることができ、有利になる場合があります。

引用:女性活躍推進法に基づくえるぼし認定・プラチナえるぼし認定のご案内

くるみんマーク・えるぼしマークの認定企業で働くメリットとは

くるみんマーク・えるぼしマークは、企業にメリットがあるだけでなく、そこで働く人々にも恩恵を与えます。認定企業を転職先に選ぶことで、男女関係なく仕事も家庭も大切にし、ライフワークバランスを重視した働き方を目指せそうです。

女性がキャリアアップしやすくなる

くるみんマーク・えるぼしマークの認定企業を選ぶことで、女性が働きやすい環境が得られ、キャリアアップもしやすくなりそうです。くるみんマークの認定企業なら、男女ともに育休を取りやすく、子育てと仕事の両立を目指せます。また、えるぼしマーク認定企業なら、女性の継続的な就労や昇格がしやすくなっています。

男性も子育てに積極的になれる

くるみんマーク・えるぼしマークは、女性の働きやすさだけでなく、男性の働きやすさ、子育てと仕事の両立しやすさも目指しています。そのため、くるみんマーク・えるぼしマークの認定企業で働く男性も、育休取得のチャンスに恵まれます。また、くるみんマーク・えるぼしマーク認定企業に働く女性がパートナーになれば、夫婦そろって子育ても仕事も頑張れそうです。

ワークライフバランスを保てる

くるみんマーク・えるぼしマークの認定には、労働時間や有給などについての基準もあります。そのため、認定企業を選んで入社すると、ブラック企業に入るリスクを抑えられ、ワークライフバランスのとれた働き方ができそうです。

くるみんマーク・えるぼしマークの世間の反応

くるみんマーク・えるぼしマークは、さまざまなメリットが考えられますが、実際に認定企業の労働環境はよくなっているのでしょうか?認定を受けた企業の関係者や一般的な人々の考え方を紹介します。

認知度

くるみんマーク・えるぼしマークの認知度がわかるツイートです。

まだまだ一般的には認知されていないようです。

くるみんマークへのTwitterの反応

くるみんマーク認定企業の1つが、マークにふさわしくないと思われることをしてニュースになりましたが、ツイッターでも酷評を受けていました。

機能を疑問視する声も…。

認定された企業に勤めている人からも、本当に社員の為になるのか疑問視する声がありました。

えるぼしマークへのTwitterの反応

えるぼしマークを求人票でアピールしている企業に対して、待遇面の問題点を指摘する声が。

一方で、えるぼしマークを「いい企業の目印」として分かりやすいと評価する声もありました。

認定マークって本当に信じていいのかしら。

確かにニュースになった例もあるし、不満を持っている人もいるね。だから、企業もマークへの意識を変える必要があるかな。

くるみんマーク・えるぼしマークの今後の課題

くるみんマーク・えるぼしマークの認定企業も、認定されたからといって高く評価されない場合もあるようです。くるみんマーク・えるぼしマークは、今のままでは世間の多くの人によいものとして認識されるのは難しそう…二つのマークをより有効なものにするためには、どうしたらよいのでしょうか?

企業の認知・意識の向上が必要

くるみんマーク・えるぼしマークは、関係省庁や認定を受けた企業によってアピールされています。しかし、まだ認定数は少なく、注目を浴びているともいえない状況です。また、女性のキャリアや子育てサポートへの意識が低い企業もまだまだ多く存在しています。

そのため、まずはくるみんマーク・えるぼしマークの認知度を上げ、女性活用や子育てサポートの必要性や女性の活躍のメリットを広く知らしめることが大切です。

男女ともに意識改革が必要

くるみんマーク・えるぼしマークをより有効なものとするには、男性社員の理解、協力する姿勢を作る教育も必要です。企業では、社員教育と徹底し、セミナーや説明会などを行うとよいでしょう。また、男性だけでなく、女性自身のキャリアへの意識や勤労意欲の向上も目指すことが必要です。

具体的なノウハウが必要

くるみんマーク・えるぼしマークの基準として求められた内容を本格的に実践し、社員自身や世間から「働きやすい」と感じてもらうためには、正しい推進方法を知ることが必要です。具体的なノウハウを周囲に認知させるためのマニュアルを作成し、実施しなければいけません。自社でのマニュアル作成や運用が難しい場合には、研修システムのアウトソーシングなども考えることが必要となります。

以下のようなサイトから、他社の取り組みをみることから始めるのもよいでしょう。
参考 女性の活躍推進企業データベース厚生労働省

女性が働きやすい企業の見分け方・見つけ方

くるみんマーク・えるぼしマーク認定企業でも働きやすいといえないこともあります。女性に優しい企業に転職したい人は、マークに頼らずに企業を見分ける方法も知っておきましょう。

OB・OGに話を聞く

働きやすさを知るには、社内環境を深く知ることが必要です。求人応募の面接では社内環境までは詳しく分からず、面接官に聞いた話だけを信じると現場の印象が異なることもあります。会社の内部事情、社内のリアルな状況を知りたいなら、OBやOGなど、実際に会社で働いている身近な先輩に話を聞くことがおすすめです。

OBやOGの知り合いがいない人も、マッチングアプリを利用すれば知り合うチャンスを得られます。学生の就職活動ならば「Matcher(マッチャー)」、転職活動なら「yenta(イェンタ)」などが利用できます。「Wantedly」は社風や方針、社員などに共感を持ってもらい、応募してもらう転職サービスです。

紹介予定派遣で働いてみる

まずは働いてみて、働きやすさを実感したいなら、紹介予定派遣がおすすめです。紹介予定派遣なら、最初は「お試し期間」のように派遣で働き、企業も社員も合意した場合のみ直接雇用に切り替えることができます。人材派遣自体が女性の利用が多く、事務など女性に人気の職種が多めです。

ただし、紹介予定派遣は狭き門で、選考通過が難しく、また、応募前に派遣される会社名を知ることができません。働きやすい会社と運命的な出会いをしたいならおすすめですが、気になる企業がすでにあるなら使いにくそうです。
紹介予定派遣とは?正社員・一般派遣との違い・メリット・デメリットを知る

転職エージェントから紹介を受ける

社内環境を詳しく知った上で転職したいなら、転職エージェントもおすすめです。転職エージェントは、キャリアコンサルタントが求職者と面談をして、求人紹介を行うサービスです。企業の内情を深く知った上でおすすめしてくれる転職エージェントもあります。

リクルートエージェントは、求人数が多く、キャリアコンサルタントの質も高いらしいね。
マイナビエージェントは、女性の転職に力を入れている転職エージェントなのよ。

女性の働き方を後押しする“くるみんマーク・えるぼしマーク”に期待!

くるみんマーク・えるぼしマークは、子育てサポートや男女の平等な雇用・昇進などを進め、女性の働き方を後押しする企業に与えられるものです。正しく使われれば、企業はブランドイメージを高め、そこで働く人々はワークライフバランスの充実を得られます。しかし、正しく運用できていない企業も多く、マークをもっているというだけで女性や子育て世帯が働きやすい企業と判断できません

今後の課題として、マークのあり方は社会全体で考えていく必要があります。これから先、くるみんマーク・えるぼしマークの認知度が上がり、認定企業がマークに恥じない実績を残すことに期待したいところです。