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日本人の残業平均時間を検証!月45時間はヤバイ?

残業平均時間を知っていると、自分の残業時間が長すぎないか判断する材料になります。残業をすれば残業代をもらえますが、あまりにも多すぎる残業は心身の疲れの原因になるでしょう。また、法律でも限度が決められているため、それをオーバーしたら違法ということに。自分の残業時間の多さが気になる場合には、平均や法律の内容と比較してみましょう。

最近、残業が多くて辛いな~。

お疲れみたいですね。毎月どれくらい残業しているんですか?

そうだなぁ、月45時間くらいかな…

それって、もしかしたら法律で決められた上限をオーバーしているかもしれませんよ?まずは、目安として皆の残業平均時間をチェックしましょう!

残業平均時間はどれくらい?

時計
残業平均時間については、いろいろな機関や団体などのアンケート調査が行われています。そのデータをみれば簡単に平均が分かりますが、その結果は必ずしも正確ではないため、自分なりに正しく分析しながらみることが大切です。調査には、公的機関だけでなく民間の調査もあります。

データ上の残業平均時間

厚生労働省が毎月発表している「毎月勤労統計調査」では、「所定外労働時間」として残業時間の平均を知ることができます。こちらの最近のデータでは、残業平均時間は月あたり約10時間と発表されています。

表1

参考 毎月勤労統計調査厚生労働省

実際の残業時間は違う?

厚生労働省の発表としては、月10時間となっていましたが、「そんなに少ないの?」と感じるかもしれません。実際に年々残業時間は減る傾向ではあるものの、上記調査では会社からの自己申告という形式のため、若干その内容には疑問が残ります。

一方、株式会社ヴォ―カーズという団体でも「残業時間レポート」という調査結果を出しています。こちらの調査では月28時間程度という結果です。
表2

現職の社員の回答を集めたアンケート結果で、こちらも年々減ってはいるものの月28時間と前述の結果よりは多めです。このように、調査対象などを見極めて、調査を鵜呑みにするのではなく自分で判断することも大切になります。

参考 2018年「Vorkers残業時間レポート」株式会社ヴォ―カーズ

あなたの残業平均時間は大丈夫?

仕事が辛い男性
毎月の残業平均時間と心身への影響、法的な問題などをチェックしてみましょう。この時間数によってブラック企業か否かも予想がつきます。法の定めに従っていないケースもあるため、注意が必要です。

残業平均10時間

ほぼ残業はなく定時に退社でき、たまに1時間ほどの残業がある程度の残業時間数です。一般職や事務系に多く、業種としてはシフトが決められている医療系などに多いパターンとなります。

残業平均20時間

残業時間を1日あたりに換算すると、月20日出勤で、1日1時間の残業がある計算です。もちろん、実際には毎日残業ということはなく、自分の仕事が忙しいときにガッツリと働く人などがこれに当たります。一般的な残業平均と比べても少なめで、適度に残業代も稼げて、プライベートも仕事も楽しみやすそうなケースです。

これ以外の点でも不満がなければ、極めて優良な企業といえます。また、もうそろそろ第一線を退こうといったアラフィフ世代でも、忙しい仕事は若手に譲ってこうした働き方に移行することがあります。

残業平均30時間

残業時間を1日平均に換算すると1.5時間程度になります。上記の現社員に聞いたアンケート結果である28時間に近い層で、働き盛りの30代などに多くみられます。やる気も体力もある世代なので、特に多すぎるということもなく、近年のライフワークバランスを大切にする人たちにもまだ、受け入れられる範囲です。

残業平均40時間

1日の平均残業時間が2時間になります。広告代理店など、忙しくて残業が多いといわれる業界に多いパターンです。1ヶ月程度、繁忙期などにあるだけなら、一応法的には問題ありません。ただし、この残業時間が1年続く場合には「36協定」で決めることができる時間の範囲「1年間最長360時間」をオーバーして労働基準法違反になります。

36協定は労働者と会社がお互いに合意して結ぶ残業時間についての協定ですが、上限の残業時間は法律で決められています。

残業平均50時間

1日の平均残業時間が2.5時間になります。1日換算では上記40時間よりも30分伸びただけですが、こちらは1ヶ月続けただけでもすでに労働基準法で定められた「1ヶ月最長45時間」という定めを破っています。以前はこのような働き方をしていた人も多かったのですが、れっきとした労基法違反です。

残業平均60時間

週5出勤で1日3時間残業、週6出勤でも1日2.5時間残業になります。もうすでに残業平均50時間で労基法違反なので、ここからはいわゆるブラック企業の可能性が濃厚です。肉体的にも精神的にも疲れがたまりやすくなり、休日があっても体を休めるだけでプライベートを楽しむ余裕がないこともあります。

残業平均80時間

週5出勤で1日4時間残業となります。月80時間を超える残業は厚生労働省が定める「過労死ライン」です。これに当てはまると労災認定されやすくなるという基準であり、命の危険もあると考えられています。こうした残業平均時間がずっと続く会社、社員に強いる会社は明らかにブラック企業といって差し支えないでしょう。

残業時間数の決まりには、1ヶ月単位や年間単位だけではないようだね。

そうなんですよ!月や年間の残業平均時間にバラつきがある人は下の表もチェックしてみてね!
表3
参考 時間外労働の限度に関する基準厚生労働省

残業平均時間が長い業種・短い業種

作業する女性
残業平均時間は、業種によっても偏りがあります。知らずに時間が長い業種に入ってしまうと、心身が疲れてしまうかもしれません。人気のある業種の会社に入っても続かなければ意味がないので、あらかじめ自分が続けられそうかチェックしておきましょう。

残業平均時間が長いのはクリエイティブ系

残業平均時間が比較的多いのは、広告やIT、建築などのクリエイティブ系の業種です。基本的に仕事は内容重視の傾向が強く、顧客からの納期指示や修正指示などに対応することで残業が多くなります。労働時間も裁量時間制をとっていることがあります。また、慢性的な人手不足で常に忙しいのが特徴です。

■36協定の特例がある仕事も

36協定を結ぶには、残業時間の上限を守ることが必要ですが、中には特例として上限を超えて残業できる仕事もあります。建設業では36協定の限度基準が適用されない特例が認められており、「特別な事情(納期が逼迫しているなど)」を明記した上で労使間で協議し了承を得ることで、月45時間の上限を超えることが可能になります。(2019年4月~罰則付き上限規制がスタート)

残業平均が長いのは営業時間が長いサービス業

残業平均時間が長い業種には小売りや外食などもあります。こちらも人手不足が原因で、特に24時間営業の場合には残業が長くなる傾向です。正社員が各店舗に少なく、バイトやパート社員が不足したり、シフトが回らないときなどには社員がプライベート返上で働くのが当たり前になっていることもあります。

そうそう、この前バイトの学生さんたちが試験前だからってゴッソリ休んじゃって!大変だったわ!

残業平均が短いのは信販系

残業平均時間が短めなのは、信販系やクレジット、リース会社などです。金融系でも銀行などは部署によって残業の多いこともありますし、以前は信販系やカード会社も労働環境が厳しいこともありました。しかし、最近では労働環境の見直しが行われ、一部技術系社員以外は定時勤務が増えている傾向です。

残業平均が短いのは営業時間が決まっているサービス業

小売店は忙しく、残業が多い傾向ですが、中には残業の少ない販売、サービス業もあります。特に営業時間が決まっていて閉店時間がある業界では働ける時間も限られるので、残業もそれほどハードにならない傾向となっています。また、正社員が多く学生バイトを使えない病院、薬局などの業種もシフトが安定していて残業も少なくなります。

サービス業は忙しくて残業が多い印象だけど、そうでもないこともあるんだね。


24時間営業ではない大型店に入っているテナントなども、閉店や退店時間が決まっていて時間厳守よ!テナントは店のルールを守らないと店側からクレームが来るからね。

残業平均時間が長い職種・短い職種

残業平均時間は、職種によっても偏りがあります。自分に向いている職種を選ぶのがベストですが、残業時間の長さも選ぶ基準に入れておくことが大切です。キャリアアップのためには同じ職種を続けることも大切なので、自分に合う働き方ができる選択をしましょう。

残業平均時間が長いのは営業職

営業職は、残業平均時間が圧倒的に多い職種です。外回りをする機会も多く、それでいて事務作業もある程度こなす必要があるため、仕事量が増えて残業も長くなります。また、外回りは取引先などの営業時間内である日中が多く、事務作業をするのは夜間の残業時間というパターンになりがちです。ただし、その分成果が出れば給料も評価も上がり、やりがいはあります

残業平均時間が短いのは事務職

事務は、基本的に残業時間が短く、定時上がりを希望する子育て中の主婦(主夫)やプライベートを重視する人に人気です。時期によって多少忙しくなることはありますが、それでも20時間を超えない範囲の残業時間で働くことができるでしょう。ただし、非生産部門として仕事内容をあまり評価されないことやルーティン業務が多く、刺激が少ないことがあります

また、事務系でも経理・会計部門や企画事務などは、忙しい時期には残業が続いたり休日出勤があったりします。

残業平均時間が長すぎたらいろいろ見直しを

残業平均時間が長すぎると感じたら、これまでの働き方を見直す必要があります。残業の多い人は、改善点を見つけましょう。

仕事のやり方を見直す

仕事の効率化は、残業を減らす大きなポイントです。これまでの仕事のやり方の中で無駄な部分や優先順位を間違えていた部分を探しましょう。企画稟議や分業の過程・工程で見直しが必要な場合には、同僚や上司にも働きかける必要があります。

仕事量と人員を見直す

仕事量とスタッフの人数が適切か、自分の仕事量は能力に見合っているか、見直すことも大切です。人員が適切に配置されていないと、仕事がはかどらず残業が増えます。新人ばかりやバイトばかりのチームや部門も効率のよい仕事ができず、残業が増えやすくなります。

そもそも会社を見直す

そもそも会社のやり方が間違っている、ブラック企業である可能性も捨てられません。実力不足などの言い訳や上司からの強引な指示で不当に残業させられていないか、あらためて考え直してみましょう。ブラック企業だったら転職を考えることも必要です。

そういえば、上司に押し付けられて残業することが多かったな…。会社の規則などにも不満があるから、一応ブラック企業チェックリストもみておくか。

ブラック企業診断チェックリスト公開!今すぐ自分の労働環境を見直そう

まずは、他の会社の待遇チェックや転職市場の情報収集から始めたら?リクナビなら非公開求人などの情報量が豊富よ!

働き方の相談や条件に合う転職先探しをしてもらえるエージェントもいいなあ。リクルートエージェントなら電話相談もあるから、残業が多い今からでも始められそうだ!

残業平均時間を見直して

夜更けに仕事する女性
毎月の残業平均時間が多すぎると感じたら、一度しっかりと自分の残業時間を算出して一般的な残業平均時間と比べてみましょう。残業できる上限は法的にも決められているので、それ以上になっていたら要注意です。働き方を変えても残業を減らせないときは、転職で会社を変えることも必要かもしれません。

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