失業保険受給中のルールとは?扶養に入れる?切り替えのタイミングとは?

失業保険は、正確には「雇用保険の失業給付(基本手当)」といいます。雇用保険は一定の条件で会社勤めをしている人が入る保険です。

退職時には次の職に就くまでの間、定められた金額の手当が支給されますが、その金額や条件によっては扶養に入れないこともあります。ルールを守り、かつ、お得に制度を利用するために、失業保険と扶養の関係をチェックしておきましょう。

退職したら、失業保険をもらいながら親の扶養に入って…、しばらく遊んでくらせるかな?

そんなウマくはいかないわよ~。失業保険をもらいながら扶養に入るには条件があるんだから!

そんな~。僕は条件に当てはまるのかな?

じゃあ、条件を確かめてみましょうね。配偶者の扶養に入る人も要チェックよ!

失業保険受給中に考えたい扶養のこと

夫婦の話し合い

失業しているのだから少しでも節約したい…それは誰もが考えること。扶養に入ると同じ保険料で健康保険に入れたり税金が安くなったりとお得なことがあります。そのため、失業中は家族の扶養に入りたいと思う人が多いものです。

ところが、失業保険をもらいながら扶養に入るためにはいろいろ条件があり、入れるとは限りません。条件には失業保険の手当の金額や入るタイミング、保険組合などが関係しています。

社会保険上の扶養

年金や健康保険といった社会保険上の扶養に入るにはいくつかの条件があり、その条件はやや厳しい印象です。失業保険をもらいながら扶養に入ることは不可能ではないものの、一般的には難しいかも知れません。

■社会保険上のルール

配偶者などの年金や健康保険の扶養に入るためには、見込み年収が130万円未満であることが条件となります。失業保険の給付金も収入として扱われ、日額が3,611円以下なら可、3,612円以上なら不可です。

失業給付の日額3,611円というのは、大体月給136,000円くらいでオーバーする金額となります。つまり、新卒初任給(高校卒161.3千円)であってもオーバーしてしまうということです。

参考:平成28年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給

■失業保険の受給と扶養に入るタイミング

上記失業給付の金額がオーバーしていたら、失業給付を受けている間は扶養に入れません。ただし、失業給付期間が終わったら扶養に入ることができます。自己都合退職で3ヶ月設けられる給付制限期間中に入れるかどうかはそれぞれの保険組合次第となるようです。

■扶養に入ると年金と健康保険料がお得

社会保険では、扶養が増えても保険料は変わりません。つまり、扶養に入れば、自分で支払うべき国民年金と健康保険料を支払わずに済み、その金額の分お得ということになります。国民年金の1カ月当たりの保険料は16,340円、国民健康保険料は1ヶ月相当で約1.2万円程度(月給15万円としての目安)です。

参考:国民年金保険料|日本年金機構

1ヶ月あたり約3万円ほどの節約か…失業しているときには大きな金額だなぁ。

税法上の扶養

税法上の扶養に入ると、税金の計算に使用する所得で控除が受けられます。税法上の扶養に入るためにも条件がありますが、こちらは失業保険の給付は収入としてカウントされません

■税法上のルール

税法上のルールとしては、年間の収入が年収が150万円以下であれば配偶者は満額となる38万円の所得控除を、103万円以下であれば親族は満額の所得控除を受けられることになっています。そして、失業保険の給付金は非課税なので、いくら給付を受けても関係ありません。税法上の扶養に入れるかどうかは、失業保険以外の収入で決まります。

■失業保険の受給と扶養に入るタイミング

税法上の扶養に入れる場合には、その年の年末調整で手続きします。手続き方法は、扶養する人が年末調整のときに配布される「扶養控除等(異動)申告書」に記入するだけです。

■配偶者が所得控除を受けられる

配偶者や親族の税法上の扶養になると、その人が最大38万円の所得控除を受けられるというメリットがあります。所得控除を受けることで税金を計算するための所得額が減り、税金が安くなります。

社会保険の扶養は、これからもらう見込み金額によって決まり、税法上の扶養はこれまでにもらった金額で決まるのね!

それに、社会保険では失業保険も収入としてカウントされ、税法上は収入にカウントされないという違いもあるんですね!

失業保険の受給と扶養の切り替え方法

手続き

扶養に入れる場合には、適切なタイミングで手続きを行う必要があります。失業保険の金額がオーバーしている場合には受給が終わってから、金額が範囲内の場合には失業給付の手続きと同時に、すみやかに行いましょう。

社会保険は配偶者などの勤務先の保険組合へ

社会保険の手続きは、扶養に入れる人の勤務先の保険組合で行います。手続きには失業保険の受給の有無や金額を知るために雇用保険受給資格者証のコピーが必要です。

失業保険の金額がオーバーしている場合には、受給が終わるまで国民年金、国民健康保険に加入し、終わってから扶養の手続きをします。保険組合によっては給付制限期間にも加入できる場合がありますが、手続きが煩雑になるためできないこともあります。

所得控除を受けるなら年末調整で書類提出

所得控除を受ける場合にも、扶養に入れる人が勤務先で手続きをします。手続きは年末調整で行いますが、「扶養控除等(異動)申告書」の「源泉控除対象配偶者」「控除対象扶養親族」の欄に名前、マイナンバーなどを記入するだけです。

失業保険の受給や扶養家族になる時の注意

失業保険の受給と扶養の関係はちょっと複雑です。さらに手続きのタイミングも個々の状況に応じて違っています。そのため、うっかり手続きでミスやルール違反をしないように、注意しましょう。

失業保険の受取中は国保に

失業保険の受取中は、金額次第で扶養に入れない人もいます。そういう人は必ず国民健康保険、国民年金に加入しましょう。日本では、ほんのわずかな期間でも無保険にならないように、いずれかの保険には加入しなければいけません。

失業給付中に扶養に入ってもばれる

失業保険の受取中に、金額がオーバーしているにも関わらず社会保険の扶養に入るというケースも過去にはあったようです。以前は社会保険の方で失業給付を把握できなかったため、このようなルール違反をすることもできました。

しかし、今はマイナンバー導入によってすぐにバレるようになっています。万一すぐにバレなかったとしても、不正がバレた時点で保険料や医療費の支払いが発生します。

扶養に入れてもらった勤務先の保険組合にも迷惑がかかるし、恥ずかしいわね。

失業保険はルールを守って利用を

失業保険や社会保険の扶養、税金の控除などは全て、収入に応じて生活を守ってくれる制度です。必要な人にはきちんと制度を利用できるようになっているため、ルールを守って正しく活用しましょう。ルールが少し複雑なので、自分に条件が当てはまるかどうか慎重に判断することが大切です。