失業保険をもらいつつ、家族の扶養に入ることができたら助かりますよね。しかし、普通に働いていた人ができる可能性はかなり低め。その理由を解説していきます。
また、「失業保険と扶養どちらかを選ぶとしたら?」「一番得するタイミングは?」「失業保険がもらえる条件は?」などよくある疑問にも答えていきます。
失業保険受給中に扶養に入るのが難しい理由
失業保険受給中に扶養に入るのが難しい理由は、扶養の条件「見込み年収が130万円未満」がクリアできないから。
失業保険、正確には「雇用保険の失業給付(基本手当)」は、前職直近の半年分の給料(額面)の50~80%が日割り計算されて支給されます。割合は年収や年齢によって決定。再就職した時点で打ち切られます。
1日5千円で90日受給した場合、45万円。180日受給でも90万円です。
ここで、このように考えた人もいるのではないでしょうか。
新人 しかし、残念ながら答えはNO。理由は合計ではなく、見込み年収で130万円未満だからです。つまり、5千円を1年間受給したとしていくらになるかで計算します。この場合、実際の受給期間、金額の合計は関係なし。5千円受給の場合、130万円を優に超えるので扶養に入ることはできませんよね。 それでは、失業保険の受給がいくらであれば扶養に入れるのでしょうか。 日額が3,611円以下なら可能 日額3,611円というのは、大体月給136,000円くらいでオーバーする金額。新卒初任給(高校卒161,300円)であってもオーバーしてしまいます。 参考:平成28年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給 失業保険と扶養の恩恵をダブルで受けるのは難しいことがわかりましたが、片方だけ利用する場合、どちらを選べばお得なのでしょうか。 結論からいうと、失業保険と扶養では、失業保険を受給した方が金銭的なメリットは大きいです。 扶養に入れば、自分で支払うべき国民年金と健康保険料を支払わずに済み、その金額の分お得ということになります。国民年金の1ヵ月当たりの保険料は16,340円、国民健康保険料は1ヶ月相当で約1.2万円程度(月給15万円としての目安)です。
先輩 失業保険の日額が5千円だとすると、30日で15万円です。扶養で国民年金と健康保険料が免除になるよりも、失業保険をもらった方が金銭的にはお得ですよね。 しかしながら、こういう人もいるのではないでしょうか。 新人 失業保険と扶養、同時に利用することはできなくても、期間をずらすことで賢く、お得に使うことができます。 待機期間+給付制限期間は扶養に入り、その後失業保険を受給する 退職理由が会社都合の場合、7日間の待機期間を過ぎたら失業保険の受給が可能です。しかし、自己都合の場合、7日間の待機期間に加えて3ヵ月間の給付制限があり、失業保険がもらえるのは7日+3ヵ月後から。 この期間は扶養に入ることができます。7日+3ヵ月は扶養に入り、給付制限が終わったら失業保険を受給すると、どちらの恩恵も受けることができます。 ただし、それぞれの保険組合次第では、給付制限期間中に入れない場合もありますので、事前に確認しておきましょう。 失業保険と扶養について見てきましたが、ここでいう扶養は社会保険上の扶養。税法上の扶養についても解説します。 税法上の扶養に入ると、税金の計算に使用する所得で控除が受けられます。税法上の扶養に入るためにも条件がありますが、こちらは失業保険の給付は収入としてカウントされません。 税法上のルールとしては、年間の収入が年収が150万円以下であれば配偶者は満額となる38万円の所得控除を、103万円以下であれば親族は満額の所得控除を受けられることになっています。そして、失業保険の給付金は非課税なので、いくら給付を受けても関係ありません。税法上の扶養に入れるかどうかは、失業保険以外の収入で決まります。 税法上の扶養に入れる場合には、その年の年末調整で手続きします。手続き方法は、扶養する人が年末調整のときに配布される「扶養控除等(異動)申告書」に記入するだけです。 配偶者や親族の税法上の扶養になると、その人が最大38万円の所得控除を受けられるというメリットがあります。所得控除を受けることで税金を計算するための所得額が減り、税金が安くなります。
扶養についてだいたいわかったところで、失業保険をもらう条件や方法、注意点なども見ていきましょう。 失業保険を受給するには、ハローワークに足を運んで申し込みをすることが条件です。必要書類の提出や面談などを経て、転職活動をしていると認められた後支給されます。 ただし、必ずしもハローワークで求人を探す必要はなく、転職サイトや転職エージェントの利用も可能。サイトへの登録や説明会に行っただけでは認可されないこともあるので、窓口で相談しましょう。 失業保険の受給と扶養の関係はちょっと複雑です。さらに手続きのタイミングも個々の状況に応じて違っています。そのため、うっかり手続きでミスやルール違反をしないように、注意しましょう。 失業保険の受取中は、金額次第で扶養に入れない人もいます。そういう人は必ず国民健康保険、国民年金に加入しましょう。日本では、ほんのわずかな期間でも無保険にならないように、いずれかの保険には加入しなければいけません。 失業保険の受取中に、金額がオーバーしているにも関わらず社会保険の扶養に入るというケースも過去にはあったようです。以前は社会保険の方で失業給付を把握できなかったため、このようなルール違反をすることもできました。
失業保険や社会保険の扶養、税金の控除などは全て、収入に応じて生活を守ってくれる制度です。必要な人にはきちんと制度を利用できるようになっているため、 失業保険はハローワークでの申し込みが必要ですが、ハローワーク以外で求人を探すこともできます。おすすめは転職エージェントの利用。転職アドバイザーが求人探しから面談対策、転職後のアフターケアまでサポートしてくれます。ハローワークでの求人探しに不安がある方は利用をおすすめします。 国内最大手のリクルートエージェントはアドバイザーも求人も良質です。扶養に入れるのは失業保険がいくらの場合?
失業保険と扶養どちらを選ぶべき?
扶養に入るメリット
失業保険の受給と扶養に入るタイミング
税法上の扶養
税法上のルール
税法上の扶養に入るタイミング
配偶者が所得控除を受けられる
失業保険・扶養の条件や方法、注意点等
失業保険はハローワークで手続き
失業保険の受給や扶養家族になる時の注意
失業保険の受取中は国保に
失業給付中に扶養に入ってもばれる
しかし、今はマイナンバー導入によってすぐにバレるようになっています。万一すぐにバレなかったとしても、不正がバレた時点で保険料や医療費の支払いが発生します。失業保険はルールを守って利用を
ルールを守って正しく活用しましょう。ルールが少し複雑なので、自分に条件が当てはまるかどうか慎重に判断することが大切です。求人探しは転職サイト・エージェントを利用しよう