レピュテーションリスクとは?事例とリスク管理方法を解説

レピュテーションリスクとは『企業評価低下の危険性』

新人

先輩!レピュテーション・リスクマネジメント研修って何をやるんですか?
あなたのような新人にとって、とても重要な研修よ。

先輩

新人

えっ?そうなんですか?ぜんぜん想像つかないや。

レピュテーションリスクと聞いて意味がすぐにわかる人は多くありませんが、最近はインターネットの普及で情報伝達速度が向上し、注目されるようになりました。今回はレピュテーションリスクの意味だけでなく、事例と管理方法についても解説します。

レピュテーションリスクの意味をチェック

レピュテーションとは「企業評価・企業評判」のことです。レピュテーションにリスクという言葉が加わると、『企業評価を悪くする危険性』という意味になります。

評判の悪化は企業業績を下落させるだけでなく、企業のブランドイメージや信用にも影響します。レピュテーションリスクの顕在化により、企業が倒産したり縮小したりするケースもあるほどです。

レピュテーションリスクを把握する目的とは?

レピュテーションリスクは、企業の価値が多面的に拡大したことにより注目されるようになりました。以前は企業の財務リスクばかりが重要視されていましたが、現在は「信用リスク」「不動産リスク」「情報リスク」などさまざまな企業価値が重要視されています

また、レピュテーションリスクが顕在化した時の企業対応および公式発言は、その後の企業評判・評価に大きな影響を与えるため、決して軽視することはできません。自社のレピュテーションリスクを把握して備えることによって、企業価値を守ることに繋がります。

レピュテーションリスクの原因と事例

下記にレピュテーションリスクが発生する原因と事例について紹介します。

1.企業の不祥事

情報の改ざん・検査不備などはブランドイメージ下落の原因になります。ネガティブな情報はインターネットを介して広まりやすく、ブランドイメージが一気に急降下する可能性もあるのです。

有名ゴムメーカーによる免震ゴム性能問題は、世論だけでなく国を揺るがす騒動へと発展しました。免震ゴムデータを少なくとも3回は偽装し、基準に達しているとごまかして大臣認定を取得していたのです。

発覚後、世間からの評判は落ち、社長や役員が引責辞任するという事態にいたりました。検査データをごまかすことによって企業の評価を大きく下げた事件です。

2.従業員へのパワハラ

給料や残業代の未払い・従業員に対する暴力・女性軽視など、労働基準法違反行為や従業員に対しての嫌がらせは企業評価の悪化につながります

大手居酒屋チェーン店には、新入社員が過労自殺したことで、従業員への過度の労働を要求するブラック企業だとネット上で非難が殺到しました。企業イメージが下落し顧客離れが進んだことにより経営は悪化し、現在も回復しきっていません。

3.代表および従業員の発信

企業イメージを損なう発言・発信は企業イメージの低下につながります。ポジティブな発言であっても世間と価値観が離れてしまっているケースもあるので注意が必要です。

大手ピザチェーンのフランチャイズ店は、従業員が不適切な画像をSNSに投稿したことがきっかけで破産にいたりました。不適切な投稿に対し抗議の声が多く寄せられ、顧客の信用を回復できなかったことが原因です。

レピュテーションリスクを管理するには?

レピュテーションリスクを管理するためには、社内の隠蔽体質を取り除く必要があります。隠蔽体質のある企業は、レピュテーションリスクが把握できません。くわえてトラブルが発生した際には状況が把握できないため正しい対応を取れず、新たなレピュテーションリスクが生まれるという悪循環に陥ります。

また、従業員に対するネットリテラシー教育も大切です。具体的には、ネット上で企業の機密情報を漏らさない、倫理上不適切な発言や画像を載せないといった教育が行われます。従業員へのネットリテラシー教育は、レピュテーションリスク管理において重要度の高いものです。

新人

なるほど!レピュテーションリスクは、僕たち新人にも無関係ではないんだね!

レピュテーションリスクの英語は『reputation risk』

レピュテーションリスクは、英語では『reputation risk』と表記されます。意味は日本語での使い方とほとんど同じです。

英語の例文では以下のように使われることもあります。

例文
Put someone’s reputation at risk.
評判を危険にさらす。

レピュテーションリスクと風評リスクの違い

レピュテーションと似ているのが「風評」という言葉です。「風評」を辞書で調べると「世間からの噂」と説明されていることもあります。しかし一般的に「風評」は、根拠のない事実と異なる噂が広がることによって企業イメージが下落する場合に使用される言葉です。

対してレピュテーションは、情報の真偽に関わりなく、純粋な企業の行為や情報に対して与えられた評価・評判のことを指します。

つまり、「風評リスク」とは「世間の根拠なき噂による企業評価・評判悪化の危険性」のことであり、『企業評判・評価を悪化させる危険性』を指すレピュテーションリスクより限定的な意味になるのです。

レピュテーションリスクの使い方・例文

それでは、レピュテーションリスクの使い方を見てみましょう

例文1

先輩

最近、うちの製品について根も葉もない悪口がインターネットに書き込まれていて腹が立つのよね!
えっ?それ酷くないですか?というより何か対策しなくていいんですか?

新人

上司

そうなんだよ。余計なレピュテーションリスクを負ってしまう前に対策会議を開く必要があるね。
例文2

上司

ネットリテラシー低下はレピュテーションリスクの要因の一つです。それで、来週はネットリテラシー講習を行いたいと思います。

[おまけ]レピュテーションリスクに備える保険とは?

レピュテーションリスクが注目されるようになったことに伴い、実際にリスクが顕在化した時に備える「レピュテーションリスク保険」が登場しています。この保険は、各保険会社による独自の算定方法によって実際の損失額を決定し、支払いがされる仕組みです。

レピュテーション保険はまだ歴史が浅いため取り扱っている保険会社が限られていますが、今後取り扱う保険会社は増えていくことが予想されます

レピュテーションリスク管理をしっかりしよう

一度表面化すると会社に著しい損害をもたらすレピュテーションリスクですが、正しい知識と対応によってはプラス方面に働くこともあります。自社のレピュテーションリスクを把握し、しっかり管理していきましょう。