オープンイノベーションとは『社外パートナーと新たなアイデアを創出する』こと
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今回はオープンイノベーションについてその定義や言葉の起源、また導入事例をくわしく解説していくので、しっかりと理解しましょう。
オープンイノベーションの意味をチェック
オープンイノベーションとは、イノベーションを起こすための1つの手法です。昨今は、プロダクトサイクルが短くなり、企業は常に新しい商品やアイデアを開発することが求められています。
自前で研究開発をするには限度があることから、社外のリソースから技術やアイデアを募集し、ともに新たな価値を創出することを目指しています。
海外の大手企業も続々とオープンイノベーションを活用して成功を収めており、大きなインパクトを世界に与えています。まずはオープンイノベーションの定義や起源から解説していきましょう。
オープンイノベーションの定義
2010年、内閣府はオープンイノベーションについて定義しています。内閣府の定義を要約すると、『企業内部と外部のアイディアを有機的に結合させ、価値を創造すること』です。
オープンイノベーションの起源
初めてオープンイノベーションという言葉を用いたのは、ハーバード・ビジネス・スクールやカリフォルニア大学バークレー校で教授を務めたヘンリー・チェスブロウ氏です。彼は、イノベーションは従来のクローズドからオープンへ変化するべきと提唱しました。
1980年代以降、アジアの国々の台頭により一層競争が激しくなり、欧米では2つの制度についての変化が起こります。1つは知的財産権の保護、もう1つが独占禁止法の緩和です。この2つの制度の変化により、欧米では企業同士が共同で技術開発を行うようになりました。
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オープンイノベーションが普及している理由
なぜオープンイノベーションが重要視されているのでしょうか。その理由としては、次のような技術開発における変化が背景にあります。
・開発スピードが上がり、また技術の向上により、高い付加価値のある商品やサービスを生み出す技術そのもの開発が可能となっている
・大手企業のみだけでなくベンチャー企業などの技術開発が進化している
・企業の成長目標を以前より高く設定している
従来は、時間をかけてでも良い商品を創り出すことに重きを置いていましたが、現在の開発競争では先行者が利益を得る仕組みになっています。そのためにも、ほかの企業より一步早く開発することが求められます。
たとえば、自動車を1つをとってみても、その燃料には電気や燃料電池など複数の種類があります。どの燃料がスタンダードになるのかわからない今、全ての技術に人材や資金を投入するわけにはいかないのです。
オープンイノベーションの英語は『open innovation』
オープンイノベーションは英語で『open innovation』と表記し、日本語でもそのままオープンイノベーションと使われています。開かれたという意味の『open』と、改革という意味の『innovation』から成っています。
・異業種、異分野が持つ技術やアイデア、サービスなどを組み合わせた革新的なビジネスモデル
英語の『open innovation』は、次のように使います。
オープンイノベーションに向けた中小企業の取り組み
こうした問題を解決する一つの方法としてオープンイノベーションがあります。
オープンイノベーションとクローズドイノベーションとの違い
基礎研究から製品開発までを自社内で行い、新しい製品やサービスを創り出すやり方を「自前主義」、クローズドイノベーションと呼びます。
この手法では、高い技術やアイデアを1社で独占し、そこから生み出される利益の全てを得ることができるというメリットがあります。しかし、その反面、莫大な時間とコストがかかるというデメリットがあります。
オープンイノベーションであれば、社外のリソースを用いることで、時間とコストを削減することが可能です。
オープンイノベーションの使い方・例文
それでは、オープンイノベーションという言葉はどのような使い方があるでしょうか。例文を見てみましょう。
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[おまけ]オープンイノベーションを導入するには?
オープンイノベーションは、魔法のように全ての問題を解決してくれるわけではありません。
オープンイノベーションを活用し、新たなアイデアや技術を創出するためには、まずは研究者や開発者の意識改革が必要です。成功するための定型のマニュアルがあるわけではないので、それぞれの企業や業界によって適切に導入することが必要でしょう。
オープンイノベーションは成長戦略の1つと理解しよう
企業の成長戦略にはさまざまな手法があり、オープンイノベーションは1つの手法にすぎません。ブームに乗ろうとして、目的もなくこの手法を取り入れようと躍起となっている企業も見られます。場合によっては、従来からのクローズドイノベーションのほうが向いている場合もあります。
オープンイノベーション前提ではなく、まずはどのような手法が適切なのかを優先して考えるべきといえます。そのためにも、オープンイノベーションの意味を理解して正しく使いましょう。