転職する人が増えているとは言うけれど、当たり前のように転職を人生設計に入れて良いか、不安に思うこともあります。社会の動きを見ながら転職が当たり前の世の中になっているのか、前向きに転職を考えて良いのか、判断しましょう。
本当に転職は当たり前になった?
転職について、最近では当たり前・しても良いと考える人が増えているようです。転職の回数が多い人もいますし、転職を経てキャリアアップや給料アップを果たすという転職成功者も増えています。そんな中で「自分はどうしよう」と考えた時、押さえたいことは自分の進みたい道や入りたい会社で転職は当たり前か・有利に働くかどうかです。
転職が当たり前と言われるようになった背景とは?
転職が当たり前と言われるようになっているのは、海外の働き方が入ってきたことが原因の一つです。個々の能力を高める働き方や会社に頼りきりにならないキャリアへの考え方が当たり前という流れが日本に入ってきたことで、日本でも転職しやすい環境になってきています。
特に、20代では「いつまで会社があるかわからない」という状況が続いたため、若者を中心に”終身雇用”という考え自体が過去のものになりつつあるようです。
欧米ではずっと当たり前だった
日本では新卒で入った会社で定年まで働くという考えが当たり前でしたが、欧米ではプロジェクトベースで職を選び、会社を渡り歩くことも多く、転職は当たり前と考えられていました。そのため、欧米では会社の中で通用するスキルや知識だけでなく、その業界や職種で通用するスキルを磨くことに重点を置いた働き方をする人が多く見られます。
海外を経験した日本人には当たり前に
近年、海外で働く人や外資系企業の増加によって、海外の働き方を知る日本人が増えてきました。それに伴って、働き方やキャリアについての考え方にも変化が生じてきています。特に海外での就労経験を持つ日本人を中心に、転職は良いこと、当たり前であるといった考え方を持つ人が増え、徐々に多くの日本人や日本企業にも浸透していきました。
スペシャリストが求められる時代に
多くの日本人に欧米の考え方が浸透するとともに、社会の流れも変わってきました。最近では日本人にも、会社の中だけではなく業界や社会で通用するスペシャリストを目指す人が増え、企業もそういった人材を求める傾向が出てきています。
企業によって当たり前ではないことも?
日本でも広がってきた「転職は当たり前である」という考え方ですが、すべての企業に通じるわけではありません。実際にはまだ、転職が多い業界とそうではない業界があり、当たり前とは認識されないこともあります。企業規模によっても違いが出る傾向が強く、ベンチャーはどちらかというと転職を前向きに受け止める風潮があるようです。また、業種や職種によって違いもあります。
IT業界では転職は当たり前
IT業界では、転職は当たり前という傾向が強くなっています。IT系企業にはベンチャーも多く、生き馬の目を抜くような厳しい戦いが繰り広げられることもある業界です。
そのため、その戦いに勝ち抜く技術や知識を持ち活躍できる人材を常に求めています。IT業界ではそういった流れからプレイヤーとしての転職なら当たり前である上に、キャリアアップのために転職するという風土があります。
外資系では転職は当たり前
外資系企業では、日本でありながら海外の働き方や社内環境がベースになっていることが多くなります。人事や求人採用に関しても海外で一般的な考えに基づいて行われることが多く、転職者の受け入れも当たり前・スムーズである傾向が強めです。
看護師の転職は当たり前
看護師は働く場所だけでなく、働き方も選びやすい専門職です。働く場所としては病院や介護施設は数多く、さらに人手不足の問題を抱えるところは多くあります。また、働き方もフルタイムだけでなく、パートとして働くこともでき、さらに夜勤の有無なども様々です。こうした状況でライフスタイルに合わせて転職をする看護師は多く、転職を当たり前と考える風潮があります。常に求人も多く、比較的転職しやすい環境もこうした風潮を支えています。
また、ネガティブな理由として女性中心の職場が多いために人間関係で大変なことも挙げられます。
日本の老舗や大手企業では敬遠されることも
転職を当たり前ととらえる業界や職場も多くなりましたが、一部の企業ではいまだ転職者を敬遠していることもあります。終身雇用をベースとしている日本の大手企業や老舗では古い体質が残っており、中途採用の口が少なめです。こうした企業では転職できたとしても、新卒で入って会社特有となる仕事のやり方を知り尽くした人の方が出世しやすい傾向があります。
自分の働き方やキャリアを見直そう
転職が当たり前であると考える人の増えてきた今の時代についていくために自分の働き方を見直してみましょう。この世の中で必要となるのは、主体的、能動的にスペシャリストを目指すことです。自分のスキルを磨き、社外でも通用する人物になることが必要になります。会社に頼りきりの状態で漠然と働くようなことがないように、いつもキャリアと将来を見据えて行動しましょう。
いつでも転職を選択肢に入れておく
転職が当たり前と言っても、すぐに転職をしなければいけないということではありません。ただし、いつでも転職という選択肢を選べるように準備しておくことは大切です。準備しておくだけでも「備えあれば憂いなし」いざという時の不安を減らせます。転職は自発的にしたい時だけでなく、リストラや倒産などで必要となることもあるのです。
キャリア形成を意識しながら働く
転職に備えるには、キャリア形成を意識しながら働くことが大切です。自分のキャリアのために役立つ仕事を得るために、現在の職場でも積極的に新しいプロジェクトを提案したり、やりたい仕事に立候補していきましょう。さらに、提案する力は汎用性も高く、積極性は面接でアピールできます。
働きながら自分が将来どうなりたいかという将来像を見据え、そのキャリアパスに必要な経験とスキルを培っていきましょう。
自分の市場価値を意識する
常に求人を調べて、転職市場に関心を持っておくことも大切です。求人サイトなどで採用条件や求められるスキルなどをチェックすることで、自分の市場価値を知ることができます。不足していれば補うための学習や働き方を実践し、市場価値を高めるために努力することが必要です。
・転職市場のチェックは大手転職サイトで
dodaは求人数の多さが魅力の大手転職サイトです。求人のチェックは数が多い方が効率的で、自分の価値も見極めやすくなります。
転職しない方が良いこともある
転職が当たり前のこの時代、だからと言って誰でも転職したほうが良いというわけではありません。転職にはリスクもありますし、場合によっては転職に失敗することもあります。時代の流れに乗っていきなり転職を選択するのではなく、自分の現状やスキルに転職が適しているかを確認してから決めましょう。
現職に不満がある人
現職に不満がある人は転職を選択肢に入れることが多いのですが、ただ単に「不満があるから転職する」と行動するのは早計過ぎます。まずは不満解消のために努力して、それでも転職したかったら転職を考えましょう。
不満解消の努力もせずに転職しようとする「逃げの転職」は人事担当者から敬遠されます。何も動いていないなら、まずは不満解消のために頑張ってみましょう。採用面接でも「このような努力をしたが叶わなかった」と話せば、逃げとは思われませんし、行動力や創意工夫のある人と見てもらえます。
仕事に対して目標のない人
仕事に対して目標がない人の転職は失敗のもととなります。特に強い意志や目的もなくあいまいな気持ちで転職すると、進むべき方向性を見誤るリスクが高くなるでしょう。また、給料、待遇面だけを目標に転職すると、仕事の内容ややりがいなどで不満が出る可能性もあります。
汎用性の高いスキルがない人
転職を考えるなら、専門分野で評価されやすく汎用性が高いスキルが欲しいところです。社内だけでなくどこでも通用するため、転職しても即戦力になることができます。能力の指標として資格取得を目指しても良いでしょう。資格は、どこでも通用するスキルの証明にもなります。
30代後半からの管理職世代は、実務のスキルだけでなく部下の管理能力や育成能力、マネジメント力も必要です。
・資格取得や学びの場として
働きながら資格取得を目指すなら、通勤中にも学べるeラーニング「通勤講座」。「通勤講座」では色々なビジネス系資格をスマートフォンやタブレットで学べます。
転職が当たり前の時代で生きていくために
もはや転職は当たり前と言われる時代になってきています。一つの企業で長く働き企業内で役立つ人材になるのではなく、個々のスキルやキャリアを磨いてどこでも通用するようになる必要があります。時代の変化とともに変わる流れに送れないように、働き方や自分のキャリアを見直しましょう。
ただし、転職が当たり前だからと言って誰でも成功できるわけではないので、転職を決める場合には注意が必要です。