クレドとは『組織に浸透させるべき行動規範』
先輩
上司
クレドとは、「志」「信条」などの意味をもつラテン語です。ビジネスシーンにおいては、会社が目指すべき方向性を示す企業理念や経営理念を、より具体的に、より実践的に落とし込んだ文言を指します。
この記事では、クレドの意味を解説しながら、クレドを作成する理由やメリット、注意点についてもあわせて確認します。
クレドの意味をチェック
クレドとは、『従業員が実際に行動できるように具体的に文章化された行動指針』であると説明しました。ここでは、さらに詳しく内容を確認しましょう。
クレドを作成する理由
クレドが求められるようになった背景には、粉飾決済や食品偽装事件など相次いで企業の不祥事が発覚し、コンプライアンスの徹底が求められたことがあります。
多くの従業員を抱える企業は、コンプライアンスの意識をどのように浸透させるかという課題を解決する方法として、クレドを作成するようになりました。
クレドを作成するメリット
クレドを作成し行動指針を明確にすることで、従業員一人ひとりが迅速に行動できるようになるというメリットがあります。
上司は、従業員の行動すべてに対して指示したり監視したりすることはできません。状況によっては、その場で従業員が判断しなくてはいけない場面もあるでしょう。
そのようなときにクレドが活かされます。従業員は主体的に行動することで自信がつくので、モチベーションを高めることにも繋がります。
またクレドに社会人としての規範となる行動指針や、ビジネスにおいて何がよくて何が悪いのかの判断基準を盛り込めば、コンプライアンスの強化も実現されるでしょう。
クレドを作成するときの注意点
クレドを作成するときは、作る目的や意義を全従業員に説明しましょう。一部の従業員で作成し、ほかの従業員から理解を得ないままに導入しても共感を得ることができず、行動に移してもらえないどころか、反発が起こる可能性もあります。
共感を得る方法としてポイントとなるのは、従業員一人ひとりがやらされているのではなく、自分たちも参加して作ったものだと思えるようにすることです。従業員が多い場合は、アンケートを通して意見を聞くのもいいでしょう。
また、作成後の注意点になりますが、経営者もクレドの内容を理解しないといけません。
経営者の行動がクレドと異なってしまったら本末転倒です。経営者は企業の代表でもあり、経営に対する想いや目標をクレドに反映してもらうためにも、作成の打ち合わせには参加してもらうようにしましょう。
経営者が忙しいときは、意思決定の場など重要なポイントを見定めて参加してもらうように工夫する必要があります。
クレドの英語は『Creed』
クレドの英語表記は『Creed』で、意味はラテン語とほぼ同じ「信条」「信念」「信経」です。例文を見てみましょう。
ここに記載しているのは、クレドに関する情報です。
彼には教会も信条もなかった。
クレドとミッションやビジョンとの違い
クレドと似た言葉に「ミッション」や「ビジョン」がありますが、ビジネスシーンにおける意味の違いを確認しましょう。
ミッションは会社の使命や任務であり、経営を通じて何を実現するのか、何を目指しているかを表わしたものです。会社にとって最も優先すべき考えで、社会に対してどのような貢献をするかを具体的に示します。
ミッションを前提にして会社の将来像を示したものがビジョンです。将来の目標や方向性を明確にすることで、何かを決める際にも方向性から外れないようにチェックすることができます。
クレドは、従業員一人ひとりが行動する際の具体的な指針であり、ミッションやビジョンを達成するための行動を表わします。それぞれの意味を理解して使い分けることが重要です。
クレドの使い方・例文
ビジネスシーンにおいてクレドという言葉はどのように使われるのでしょうか。例文で確認しましょう。
上司
新人
上司
従業員全員で目標に向かって成長しよう
具体的な行動規範や経営指針を示すクレドを導入することで、従業員の意識が変わり、主体的な行動をとれるようになるでしょう。コンプライアンスの強化を図ると同時に、従業員全員が同じ目標に向かうことで組織力も高まります。
これからの企業の成長に向けて、ぜひクレドの導入を検討してみてはいかががでしょうか。