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ファクターとはどんな意味?ビジネス・金融・化学における使い方をわかりやすく解説!

ファクターは「要因」や「要素」のこと!

先輩

今回の失敗のファクターはいったい何だったのかしら?あなたなにか聞いてる?
失敗の原因てことですか?

新人

先輩

原因と言えなくもないけど、厳密には『要因』や『要素』って意味のことなのよ。

ファクターは特別な分野だけで使われる言葉ではなく、いろんな場所で登場します。類語と意味を混同させている人も多いはず。今回はファクターの意味や使い方だけでなく、類語との違いもしっかり覚えていってください。

ファクターの意味をチェック

ファクターは、「聞いたことはあるけど意味はちょっと…」といった感じのカタカナ語ではないでしょうか。しかし、ビジネスシーンでは意外とよく登場する言葉なので、この機会にしっかりと意味を理解しておきましょう

ファクターとは?

カタカナ語としてのファクターは、『要素』『要因』の意味合いで使われます。よく似た言葉に『原因』があるのですが、ファクターの意味合いとはちょっと異なるんです。それでは、『要素』『要因』『原因』はそれぞれどのような現象を指す言葉なのでしょうか。以下にまとめたので、比較しながら読んでみてください。

要素とは?
一つのものごとの成り立ちとなる基本的な条件や内容のこと。そのほか、物を分析にかけた際、それ以上細かく分かれようのない成分を指す場合もある。
要因とは?
ある事象が起きた、もしくは起こしたことに対して影響したもの。基本的には一つだけではなく複数存在する。
原因とは?
ある事象が起きた、もしくは起こしたことに対して元になった事柄。基本的に、この事柄は一つだけ。原因がいくつか集まって要因となる。

要因と原因は少し違いをとらえにくいですが、何かが起こったときに、「要因」=影響したこと、「原因」=元になること、と覚えておきましょう!

ファクターの英語

ファクターは英語で『factor』と書き、こんな意味をもった単語です。

■要素
■要因
■原因
■問屋
■因子 など

そして、熟語としてはこのように使います。

■a plus factor(プラス要因)
■key success factor(成功のカギ)
■a material factor(重要な要素) など

英語では『要素』『要因』『原因』も区別せずファクターを使うんだね。

ファクターの例文

意味がわかっている言葉でも、会話の中にスムーズに登場させるのは難しいものです。そこで例文をいくつか紹介しますので、ぜひ使い方の参考にしてください。

例文1
この製品で不具合が頻発したファクターはもうわかっているのかね?
例文2
これまでの仕事で得た知識や技術は新規開発するためのファクターになることは間違いない。
例文3
考えられるのはこの5つのファクターです。これらをもとに改善策を立ててください。

ファクターの使い方を分野別に解説

前の項目ではファクターの使い方例を紹介しましたが、実は事業分野の違いでファクターの意味合いが少しずつ異なります。それではどんな違いがあるのかを実際に見てみましょう。

①:ビジネスにおける「ファクター」

ビジネスシーンでは、本来の『要素』『要因』との意味合いで使われます。また、『ファクター』単体でも会話や文章の中に登場しますが、『ヒューマンファクター』という使い方をすることも多いです。

日本語では『人的要因』となります。製造の現場では機械を人が動かします。運送業ではトラックを人が運転します。このような人側の要素のことをヒューマンファクターといいます。

たとえば、人的ミスのことを『ヒューマンエラー』といいますが、これは人的要因、つまりヒューマンファクターの負の結果を指します。

②:医療業界における「ファクター」

医療分野においては『リスクファクター』がよく使われます。日本語では『危険因子』と訳される言葉で、患者の疾患と関係している要素のことを指します。

たとえば、職場での受動喫煙、アスベストはガンの危険因子ですので、リスクファクターになるわけです。この場合は一般ビジネスの分野でも使われることもあるでしょう。

③:金融業界における「ファクター」

金融業界では経済成長、インフレ、流動性など、資産のリスクもしくはリターンに影響をおよぼす『要因』の意味合いでファクターが使われることが多いです。その中でもよく利用されるのが『ファクター投資』『ファクターアナリシス』でしょう。

ファクター投資
比較的安価な株式や時価総額が小さい企業など、投資がしやすい株式要因を踏まえて投資すること。そのときのリターンは少なくても、長期間投資を続ければ付加価値が得られることも多い。
ファクターアナリシス
なにかを調査したのち、その結果となったのはどんな要因だったのか分析すること。金融業界でよく使われる言葉ですが、心理学やマーケティングの分野でも頻繁に使われます。

④:化学におけるファクター

化学分析は、正しい数値で行わないと実験を行う人によってバラつきが生じ、結果に影響をおよぼします。しかし、作業する人によってどうしても誤差がでてしまいます。その誤差を修正するための値のことをファクターといいます。

ファクターの計算方法は標準の値を実際の値で割って算出されますが、標準の値は取り扱う物質によって異なります。

ファクターの類語

ファクターには似た言葉が存在しており、間違って使うと会話がかみあわないことがあります。ここでは代表的な類語を紹介しますので、あわせて覚えておきましょう。

エレメント

車を運転する人は、エレメントと聞くとエンジンオイルをろ過するためのフィルターであるオイルエレメントがあたまに浮かぶかもしれません。化学薬品を扱う分野では、車と同じように「ろ過フィルター」としての意味が多いですが、『成分』『要素』『元素』を指す言葉としても使われています。

例文
良質な素材を作るためにも薬剤Aをろ過するエレメントの改善を検討しようと思う。

コンポーネント

コンポーネントを簡単に説明すると『部品』や『構成要素』となります。電気製品を取り扱う際によく登場する言葉ですが、機械分野においては、その機械を構成する部品を指し、オーディオの分野では音に変換するスピーカーやアンプなどの装置を指します。

コンポーネントが指す『部品』はネジやボルトなど一つひとつを指すのではありません。たとえば、テレビでいうなら、基盤、モニターなど、ひとかたまりになった部品のことをいいます。

製品の種類によって厳密には指す物が異なりますが、おおまかにその製品の構成要素となっている物だといえます。

例文
この機械が動かないのはAのコンポーネントが原因だと思われます。

[番外編]洋服のブランド「ファクター」

洋服のブランドにファクターイコール(Factor=)があります。このブランドは、アメカジ、ヴィンテージ、ミリタリーmixといったカジュアルスタイルをベースにしており、型にはまらない自由なファッションを楽しみたい女性をターゲットにしています。

ブランド名の由来ははっきりとわかりませんでしたが、『Factor=をおしゃれのきっかけにしてもらいたい』との目的をもって事業を行っています。もしかしたら、『Factor=』をおしゃれの『要素』にしてほしいという希望をもってつけられたのかもしれませんね。

ビジネスシーンでもファクターを使ってみよう

仕事をしていると、至るところで『要素』となる物や出来事が存在しています。今後、機会があればあなたも会話でカッコよくファクターを使ってみてくださいね。