「その旨」=「その内容」「その話」との意味
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「その旨」とは、 「旨」の意味である”内容”、”話”、”考え”を「その~」と指して表現した言葉 です。
例えば人に伝言を伝える際に「その旨」を使った場合、伝えたいことが「内容」や「考え」であることを指しています。
ビジネスシーンでは「その旨」以外の言い換え表現も多数使用されており、ケースバイケースで使い分けるのがベターです。
・そのこと
・その話
「その旨」の使い方
ビジネスシーンではよく使われている言葉である「その旨」。よく使われているからこそ、本当に使っていい言葉なのかを理解する必要があります。
例えば目上の人に使っていい言葉なのか?基本的にはOKですが、フレーズ的にはやや堅苦しい言葉になるので、前後の言葉を選ばないと高圧的と受け取られる恐れがあります。
例文1と2では使い方で受ける印象が違ってきます。ビジネス用語だからこそ、前後の言葉だけでなく全体を整えて使用する必要があります。
一部分だけ取り繕っても言葉に重みは出せません。正しく言葉を使うのであれば、きちんと相手に内容を伝える意思を言葉と姿勢で示すのが重要です。
ビジネス用語は何気なく使っているだけでは相手に適当感を与えてしまいます。特に上司や取引先の目上の相手には、言葉をしっかりと整えて使用することを心がけましょう。
「その旨」を使う際の注意点
「その旨」はビジネスシーンではポピュラーなフレーズです。思わず使ってしまうことも多いですが、言葉の前提として”正しく相手に伝える”ということが重要になります。
相手に見てもらいたい文書を渡す際、何を一番伝えたいかを知らせる必要があります。内容と言っても、日程、段取り、数・・・。情報が複数ある場合には、伝えられる側は「その旨」が何を指しているのか混乱する恐れがあります。
「その旨」は内容すべてを含むことができるため、相手に一番伝えたいことがあるときには、まず最初に「その旨」を指し示す必要があります。
勘違いで余計なトラブルを招かないためには、「その旨」についてある程度の情報を与えたうえで使用するのが無難です。
「その旨」を使った例文
ビジネスシーンで頻繁に使われている「その旨」というフレーズですが、逆に日常会話では固いイメージがあるためあまり使われません。これから新社会人となる人たちのために、一般的な「その旨」を使った例文をご紹介します。
「その旨お知らせください」
相手に伝言を伝えるときのスタンダードな「その旨」の使い方です。
相手に”こちら側に教えてほしい”ということを伝える言葉として使用でき、”教えてほしい内容”を「その旨」と表現しています。
この場合の「その旨」とは”相手の意志”や”選択”を指しているため、曖昧な表現でもすぐに相手に意図を伝えることができます。
「その旨お伝えください」
先述の「その旨お知らせください」とは逆の言葉です。”知らせてほしい”が”伝えてほしい”に変わっただけで、特に大きな違いはありません。
「その旨お伝えください」を使う場合、その前に”伝える内容”を説明しているケースが多いです。わざわざ「その旨」を使用するのは、相手に強く念を押している側面もあります。
“特に相手に伝えてほしい内容”だということを伝えるときに使用しましょう。
「その旨申し伝えます」
相手からの希望・要望・依頼に対し、”確かに聞き届けて伝える”ことを表現した言葉です。
相手が目上のビジネスパーソンの場合、伝言を聞き届けた際の返事として使用できます。
「その旨ご承知おきください」
相手に対して忠告・警告を含んだ言葉となります。気をつけてもらいたいこと、注意してもらいたいことを説明したあと、相手に再確認のために使用します。
事務的な印象を受ける固い言葉ですが、相手に注意を促す言葉として使用できます。場合によっては威圧感を与えてしまいかねないので、「誠に申し訳ございませんが」といったワンクッションを置いた使い方がおすすめです。
〇「ご承知おきください」はこちらの記事にも詳しく書かれています↓↓
「ご承知おきください」の意味とは?社内や取引先で使える?言い換え・英語表現を徹底解説
「その旨」の類語
広義的な「内容」を指し示す「その旨」は幅広く使えて便利な表現ですが、曖昧な言葉として誤解されやすい一面もあります。そういった場合には、「その旨」の類語表現を使用してより伝えやすくする工夫をしましょう。
その件
「件」としての意味で見れば”文章の件(くだり)”ですが、ビジネスシーンでは「案件」を指すことが多い表現です。例えば、仕事や相談で持ち掛けられた話を「その件」と表現することが可能です。
「その旨」と同等、またはそれ以上に使用する機会が多く、使い勝手のよい便利な表現として多用されています。
そのこと/その話
「その旨」や「その件」を日常会話寄りに砕いた表現です。日常会話、ビジネスシーン問わず使い勝手がよく、どのシーンでも使用できます。
重要な会議や取引の場面でも意外に使用頻度の高い表現ですが、フォーマルな場ではやや不自然さを感じさせます。できれば表現を「その件」に言い換えたほうが無難です。
あまりにも使い勝手がよく、周りも特に気にしないケースが多いので見逃しがちですが、意識しておかないと思わぬところで出てしまうので気をつけましょう。
「その旨」の英語表現・例文
「その旨」はビジネスシーンでも使われる言葉です。英語で表現しなければならない場面が出てくることも考えられるため、会話やメールでの使い方を事前に確認しておくと安心です。
the gist
the fact
と表現できます。
「その旨」の英語表現を使用した例文はこちらです。
⇒ご出席される際には、ぜひその旨お知らせください。
・I understand. I will tell you the gist.
⇒承知いたしました。その旨申し伝えます。
・We are forbidden to re-enter, so please be careful regarding this fact.
⇒再入館は原則禁止とさせていただいておりますので、その旨ご承知おきください。
「その旨を伝える」の英語表現・例文
「その旨を伝える」の英語表現を使用した例文はこちらです。
⇒その旨を伝えることはできますでしょうか。
・Please do not forget to tell me the gist.
⇒その旨を伝えることだけは忘れないようにしてください。
「その旨」をビジネスシーンで使いこなそう!
固い表現であるにもかかわらず、割と頻繁に使われている「その旨」。使用機会が多いフレーズですが、曖昧な表現であるため、思い違いの起きる恐れがあることを忘れないようにしましょう。みなさんも的確に「その旨」を使いこなしてくださいね!