アカウンタビリティとは責任を果たすこと
会議や総会の席で「アカウンタビリティが果たせていない」という言葉を聞いたことはありませんか?
事業報告をした際、相手からの質問に対して、その人が満足できる応えができなかった場合に『アカウンタビリティが果たせていない』という使い方をするこの言葉には、報告するという行為に対して責任を果たすということだといえます。
そこでここでは、アカウンタビリティの言葉の意味やどんな場面で使われるのか等をわかりやすく解説していきます。
アカウンタビリティの意味
アカウンタビリティを簡単に説明すると『説明責任』という言葉で表すことができます。
政府・政治家・企業・団体などが、株主や従業員や国民といった直接的にかかわっている人達だけでなく、間接的な関わりをもっている消費者などにも活動状況や会計等を報告する、といった解説をよく目にしますが、『相手が納得できるような形で、相手にしっかりと伝わるように説明すること』と覚えておくといいでしょう。
アカウンタビリティの語源
アカウンタビリティは英語でaccountabilityと表記しますが、『アカウンティング(accounting=会計)』と『レスポンシビリティ(responsibility=責任)』の2つが合成されてできた言葉です。
もとになっている言葉を見てもわかるように、会計に関する責任のことを指しており、1960年代に公共機関から国民への公金の使用説明について生まれた言葉といわれています。その後は日本においても会計上の説明責任を指す言葉として使われ、今では会計のみならず、『説明責任』そのものを指す言葉になりました。
レスポンシビリティとの違いは?
さきほどの項目で、アカウンタビリティは『アカウンティング(accounting=会計)』と『レスポンシビリティ(responsibility=責任)』との合成語だということはお話したので、責任ということであれば「レスポンシビリティでいいんじゃないの?」と思う人もいるでしょう。そこで、この二つの言葉の違いを少し解説しておきますね。
例えば、「これをやっておいて」と仕事を依頼され、その仕事を責任をもってこなす。これが『レスポンシビリティ』です。
そして、この仕事をする上での過程やどんな結果が得られたのかをきちんと相手に説明する行動が『アカウンタビリティ』です。
『実務上の責任』と『説明をきっちりすることに対しての責任』との違いがあると思えばわかりやすいでしょう。
アカウンタビリティの意味を改めて解説
アカウンティング(accounting=会計)と(responsibility=責任)から成り立っているアカウンタビリティ(accountability)という言葉は、アメリカにおいては、もともとの言葉のままに会計上の責任を表す言葉として使われています。
しかし、日本においては会計の事柄に限らず、相手が納得するように物事を説明しなければならない、つまり『説明する責任』のことをアカウンタビリティと呼んでいます。
隠し事のない間柄というのはとても信頼感があるとは思いませんか?何か疑問なことがあると、それに対して納得できる説明をする。お互いにこれを実行することで、お互いの信頼感を得ることができるので、アカウンタビリティはビジネスシーンだけでなく、一般生活においても重要なことだといえるのではないでしょうか。
業界ごとのアカウンタビリティの意味とは
『説明責任』というものは様々な場面で必要となってきますが、業種によってアカウンタビリティには多少の差があります。そこで、ここでは業界ごとのアカウンタビリティを事例をあげながら解説します。
行政・政治におけるアカウンタビリティ
私達日本人が頻繁に必要を感じているのはこの業界ではないでしょうか。国会で汚職疑惑がとりだたされた政治家が、事細かに答弁する。この姿はまさにアカウンタビリティ。
「記憶にございません」は、質問していることに対して納得できる回答をしていないので、アカウンタビリティをまったく果たせていないことになるわけです。
行政・政治におけるアカウンタビリティの使い方例
A氏「今回の工事業者入札に不正があったとのことですが、実情を説明してください。」
B氏「規定に基づいて実行されており、不正はありません。」
この流れは、不正はないと応えているだけで工事業者を決定した過程の説明はされていないので、アカウンタビリティを果たせていないことになります。
医療・福祉・看護におけるアカウンタビリティ
医療の世界においては、おおきく分類すると医師と患者が存在し、治療方針を患者が納得できるように説明するということが行われますが、この医師が患者に説明を行う行為がアカウンタビリティにあたります。
また、介護施設においては、入所した人に対してどのようなサービスが提供されるのか、どこにどのくらいの費用がかかるのかを説明する行為がアカウンタビリティになります。
医療・福祉・看護におけるアカウンタビリティの使い方例
医師「あなたの疾患は〇〇で、▲▲という治療を行います。」
患者「▲▲はどのような治療でどんなことをするのですか?」
ここで医師が患者が納得するまで細かく説明をしてくれればアカウンタビリティが果たされていることになります。
企業におけるアカウンタビリティ
一般的な企業におけるアカウンタビリティとして一番わかりやすいのは、経営陣から一般社員向けの経営状況の開示や、企業から株主への事業報告ではないでしょうか。
企業におけるアカウンタビリティの使い方例
株主側「株価の暴落に至ったと思われる要因を説明してください」
この問いかけに納得できない回答が返ってきた場合、株主としては「アカウンタビリティが欠如しているのではないか?!」と反論することができます。
教育におけるアカウンタビリティ
通常の学校教育において、政治の世界や企業の中であるようなアカウンタビリティが必要な場面は少ないかと思います。しかし、あえてあげるとすれば、その学校がどんな教育方針をもっているのかを保護者だけでなく、生徒にも明確に開示し、しっかりとコミュニケーションがとれているということが、アカウンタビリティが果たされているといえるでしょう。
その他、学校の運営について、教育委員会に説明することもアカウンタビリティということになります。
教育におけるアカウンタビリティの使い方例
これは、本当であればあるべきことではありませんが、その学校に通っている生徒が地域住民に迷惑となる行為を頻繁に行っていたとします。
住民「どの生徒がこの行為をしているのか?学校側としてはどんな対策をとっているのか?」
学校側「学校側としてはこのような事態は把握していません。」
このようなやりとりになった場合、住民側としては「アカウンタビリティが果たせていない」と返答することができます。
心理学におけるアカウンタビリティの意味とは
一般的にアカウンタビリティというと『説明責任』という意味を指しますが、心理学の世界では『責任の概念』という意味をもっているとされています。
例えば、あなたの前に何か問題が立ちふさがったとします。そして、それを解決できなかった場合のあなたはどんな状態にあったのか?ということが問いただされます。
まず一つは、力を最大限に発揮したにもかかわらず、解決することができなかった。この場合はあなた自信の力不足なので、努力してその力を付ける必要があります。
そしてもう一つは、力を最大限に出さなかったから解決できなかった。これはあなたが手を抜いていることで解決できなかったということになり、精いっぱいベストを尽くすことを求められています。
ちょっと解釈が難しいかもしれませんが、心理学の上でのアカウンタビリティは、行動を起こしたうえででた結果は、自分自身が選択したことで起きた結果だという考え方ということがいえるのです。
アカウンタビリティはどんな組織にも必要
相手が納得する形で説明をする必要があるアカウンタビリティは、円滑に運営をしていくためには政治の世界や企業等の組織には必ず必要なことです。
その他、夫婦生活など一般の生活内においても、不信感をいだいたままではストレスなく過ごすことはできません。それを解決する為に、疑問に思っていることに対してアカウンタビリティを果たしてもらうという場面は必ず必要になってきます。
今後、何か説明することを求められた時には、しっかりとアカウンタビリティが果たせているかを考えながら言葉をまとめていって欲しいと思います。