乾坤一擲は「大勝負」!
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“乾坤一擲”という言葉をご存知でしょうか。難しい漢字が並んでいるので読み方さえ分からないという人も多いのでは。“乾坤一擲”は「けんこんいってき」と読んで、「大勝負」という意味で使われます。「乾坤一擲の大勝負」という使い方もよくされますよね。今回は“乾坤一擲”について語源や英語表現、類語、関連語から使い方まで詳しく解説していきます。
乾坤一擲の意味
読み方を間違えやすいのでもう一度いいます。“乾坤一擲”の読み方は「けんこんいってき」。「乾燥」の「乾」と同じなので「かんこんいってき」と読み間違えている人も多いので気を付けましょう。「かんこんいってき」ではなく「けんこんいってき」。
「乾坤」は「天と地」、「一擲」は「サイコロを一振りする様」。サイコロはゲームやギャンブルで使われるものですよね。つまり、“乾坤一擲”は「天下を賭けた大勝負」、「一世一代の勝負」という意味を持ちます。お小遣い程度のお金をかけた勝負ではなく、全財産をかけた大勝負、結果次第で運命が変わってしまうような選択を指します。
乾坤一擲の具体例
乾坤一擲の語源
“乾坤一擲”の意味がだいたいわかったところで、この言葉の語源についても紹介しておきましょう。項羽(こうう)と劉邦(りゅうほう)といえば中国の歴史好きな人でなくても聞いたことはあるはず。中国史上もっとも壮大とされる2人の覇権争い(楚漢戦争、紀元前200年頃)の末、劉邦が漢を築きました。
“乾坤一擲”はこの争いを描いた韓愈(かんゆ)の漢詩『過鴻溝(こうこうをすぐ)』の一節「真成一擲賭乾坤」から。劣勢とされていた劉邦が勝利したのは「乾坤一擲の大勝負」に挑んだからといえるのかもしれません。
乾坤一擲の英語表現
“乾坤一擲”の英語表現についても見ていきます。表現はいろいろありますが、「all or nothing」が簡潔でいいでしょう。「全てを手にするか、全て失うか」という“乾坤一擲”を表していますね。
乾坤一擲の類語
“乾坤一擲”に似た意味の言葉をいくつかご紹介。
・清水の舞台から飛び降りる
賽は投げられた
賽(さい)とはサイコロのこと。つまり、「物事はすでに始まってしまっているのだから後戻りはできない」ということを意味します。時系列的には“乾坤一擲”の後の状態でしょうか。
清水の舞台から飛び降りる
清水(きよみず)とは京都にある清水寺のこと。崖の上に張り出した舞台があり、そこから身投げする人が多かったことに由来します。「崖の上の舞台から飛び降りる覚悟で物事に挑む」という意味。
乾坤一擲の関連語
“乾坤一擲”の関連語についても見ていきましょう。
素材の力と和の心 乾坤一擲
大阪にある居酒屋。50種類もの日本酒を低価格で楽しめるのが魅力。
FFRKの技名
スマホゲーム、『FFRK(ファイナルファンタジーレコードキーパー)』では技名に“乾坤一擲”が登場。その他のゲームでも使われています。ゲームを知らなくても“乾坤一擲”の言葉の意味を知っていれば、必殺技に相当するのではないかと想像できますね。
乾坤一擲の使い方
“乾坤一擲”の使い方を例を使って紹介していきます。実際に使う際の参考にどうぞ。
来るべき乾坤一擲に備えて
“乾坤一擲”を経験したことはあるでしょうか。そのときはわからなくても後から思えば「あれは乾坤一擲だったなぁ」というシーンがあったかも。何度もあったら身も心も持ちませんが、来るべき“乾坤一擲”に備えておくと、「清水の舞台から飛び降りる」ような決死の覚悟ではなく、余裕を持って選択できるはずです。