スマートグリッドとは?メリットや課題って?日本の事例や関連用語をわかりやすく解説

スマートグリッドとは、電力を効率よく使うための仕組み!

新人

電気のことを調べてるとスマートグリッドって出てくるんですけど、これなんのことですか?
ITの技術を使って電力を効率よく使って省エネにつなげよう、って仕組みのことよ。

先輩

新人

へ~、電力にもITを使う時代になったんですねぇ。

スマートグリッドとは、電力を効率よく使うために、ITの技術で制御ができるようにした仕組みのことで、一般家庭にも普及しつつあります。

そこでこちらの記事では言葉の意味や使い方のほか、類語・関連語、導入事例などについてもわかりやすく解説していきます。

スマートグリッドの意味をチェック

スマートグリッドの概略はなんとなくイメージできましたか?それでは言葉の意味や使い方をもう少し詳しく見ていきましょう

スマートグリッドの定義

ITを駆使して電力の流れを需要と共有の両方から細かく自動的に制御して最適化できる次世代の送電網で、省エネにつなげられるのが特徴です。

スマートグリッドは『スマート(賢い)』と『グリッド(送電網)』の2つの単語からできたとされており、英語では『smart grid』と表記します。

賢いは、『利口である』『要領がいい』『賢明である』など、優れていることを表現する言葉ですので、優れた送電網と解釈してもいいですね。

スマートグリッドの仕組み

まず、スマートグリッドにはスマートメーターという電力計が必要になります。これは、従来の電力計とは違い、使用量の計測をするだけでなく、メーターに内臓されたマイクロコンピュータで遠隔で制御したり、リアルタイムで電力の消費量を送信したりすることができる電力計です。

従来の電力供給は、発電所から一方的に電力を送っていましたが、これでは需要のピークを過ぎた時間帯には送られた電力が無駄になってしまいます。

しかし、送信された消費電力のデータをもとに消費予想をたて、計画的に発電や電気の供給を行えるようにすれば、無駄な発電をする必要はありませんよね。

このような仕組みの送電網をスマートグリッドいいます。

スマートグリッドの使い方・例文

送電の仕組みを完全に理解することは難しいかもしれませんが、少しはおわかりただけましたか?それではここで、会話での使い方をご紹介しておきますね。

例文1
スマートグリッドの実行には、スマートメーターの設置は必要不可欠だ。
例文2
スマートグリッドが普及すれば、無駄な発電が抑えられ、大規模な省エネにもつながるだろう。
例文3
スマートグリッドの普及に少しでも貢献できるよう、当社で管理しているアパートの電力計をすべてスマートメーターにとりかえる予定です。

スマートグリッドのメリットと課題

スマートグリッドの仕組みを知るとメリットしかないような気がするかもしれませんが、まだまだ課題があるのも現実

そこでここでは、スマートグリッドのメリットと課題について簡単にまとめてみました。

メリット

スマートグリッドの大きなメリットは以下の3つとされています。

ピークシフトができる
一日の中で需要のピークとなる日中の電力消費の一部を、需要の小さい夜間に移行(シフト)することをピークシフトといいます。

日中はたくさんの電力が必要となるため蓄電は困難ですが、夜間に蓄電しておくとどうでしょうか?日中に電力網からの電力を極力消費しないようにすることで、一日の電力の消費を均等にならすことができます

人件費が削減できる
スマートメーターに移行することで、電力計ごとの検針が不要となり、それにともなう検針員が不要になります。

これを実現するには、各家庭やビルなどで古い電力計からスマートメーターへの変更が必要です。

停電が発生しにくくなる
日本では電力の使いすぎによる停電はほとんどありません。しかし、日頃から効率よく発電・送電・蓄電しておくことで停電が発生しにくくなります。また、一時的に発電できなくなるような災害が起こった場合にも復旧が早くなります

課題・問題点

スマートグリッドを導入するにあたり、課題や問題点には以下のようなものがあげられます。

コストがかかる
スマートグリッドを実現するには、電力計をデータ送信機能がついているスマートメーター切り替える必要があります。

旧電力計の撤去、スマートメーターの設置は工事代金のほか、スマートメーターの料金も、基本的には利用者の負担になることはありません。そのぶん電力会社側でコストがかかることになります。

セキュリティ対策への課題がある
データの送受信ができるということは、ネットワークを利用するということです。パソコンやスマホでのインターネット利用でも、どんなに対策をしていても不正アクセスやウイルスに悩まされるものです。

それと同じように、電力データの送受信が正確に行われ、なおデータを守るためにはセキュリティ対策を万全に行う必要があります

日本におけるスマートグリッドの導入事例

一般家庭のスマートグリッド導入も、もちろん重要ではあります。しかし、一般家庭よりも多くの電力を消費する大きな施設にスマートグリッドの導入を進めることがより効果的であるとされています。

しかし、現状では電気の送電システムに関することなので、自治体レベルでの承認が必要になるケースも多く、なかなか進まないというのも事実です。導入を進めるのが難しい中で実現した例(実現に向けて動いている例)があるので、いくつかご紹介しますね。

サービスエリアへの導入

東京電力では、2020年までにサービスエリアを対象にし、2,700台のスマートメーターの設置を予定しています。30分ごとに電力消費量を送信できるスマートメーターを利用します。

常に多くの電力を使っているこのような施設のスマートグリッドは、効率の良い発電のために大きな作用をもたらすとされています。

広島大学工学研究科

電力データを送受信できるスマートメーターを設置するだけでなく、太陽光パネル、測定システム、模擬電源、蓄電装置、モニタリング表示装置などの設置をする形でのスマートグリッド導入事例です。

各装置を連携させて得られたデータで、さまざまな研究テーマに利用しているようです。また、このようなシステムは広島大学のほかにも同支社大学、大阪府立大学など、いくつかの大学で導入されています。

スマートグリッドとマイクログリッドの違い

マイクログリッドは、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電などを利用して発電する供給施設と、それを消費する施設をもち、電力の地産地消をめざす小規模なエネルギーネットワークのことをいいます。

先輩

沖縄県宮古島市の栗間島(くりまじま)では、再生可能エネルギー100%自活実証事業というのが実証されているみたいよ。

ITを駆使して効率のよい発電と供給を行えるようにして省エネをめざすマートグリッドとは違い、発電システム事態の規模が小さいのがマイクログリッドの特徴です。

スマートグリッドの類語・関連用語

スマートグリッドについてはもうだいたいイメージできるようになりましたよね?それではここで、類語や関連語にも触れておくことにしましょう。

スマートシティ

スマートグリッドを導入するだけでなく、太陽光発電などの再生可能エネルギーを利用した分散型電源、電気自動車の充電システムなどを積極的に導入したビルや住宅地を整備した次世代都市のことをスマートシティといいます。

CO2の削減の実現で環境への負荷が少ないのが特徴で、横浜市では自治体全体で一つのプロジェクトとして取り組んでいます。

スマートハウス

太陽光発電、蓄電池を設置、家電や住宅機器などをITの技術で最適に制御できるように作られた住宅のことをスマートハウスといいます。

「エコ住宅」は省エネ設備が備え付けられた住宅のことなので、家庭内のエネルギーを制御できるスマートハウスのほうが進化した住宅といえますね。

スマートコミュニティ

エネルギーを消費するだけでなく、太陽光発電、風力発電などで蓄電し、地域単位で賢くエネルギーを管理して使っていこうとする社会をスマートコミュニティといいます。少し前の項目でお伝えした『スマートシティ』もその一つといえるでしょう。

デマンドレスポンス

簡単にいうと、供給量に需要量をあわせる手法のことをさします。

電力の消費が増えて電力不足の恐れがある場合、要請を受けた消費者が節電します。また、消費量よりも供給量が多い場合には、太陽光発電による電力を蓄電池に充電するよう要請します。

一般的には、消費者をとりまとめる存在であるアグリゲーターという事業者がいて、電力会社はこのアグリゲーターを通じて節電などの指令を消費者に送ることになります。なお、消費者とアグリゲーターは事前に契約をしている必要があります。

現在では、電力需要のピークの料金を割高にして節電を促す『電気料金型』と、あらかじめ電力会社と契約をした人が節電に応じて報酬が得られる『インセンティブ型』があるようです。

しかし、インセンティブ型は少々手間がかかるため、多くの消費者への適用には困難なのが実情です。

次世代のネットワークでエネルギー消費の増大に備える

昔に比べると、広大な土地に太陽光パネルが敷き詰められているところや、風力発電システムが設置されている場所も増えてきました。

日本全体でエネルギーの消費が増える中、エネルギーを作り出そうという動きも活発になりつつあります

そこでさらにスマートグリッドの導入が進めばエネルギー消費の増大に備えることもできます。スマートメーターがまだ設置されていない場所があるなら、これを機に切り替えをぜひ検討してみてください。