コモディティは差別化が難しい商品のこと!
上司
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世の中には、家電などの大型の商品も、生活必需品となる日用品でも「コレとコレ、どっちにしよう…安いほうでいっか。」というように、差別化が難しい商品が数多く存在しています。
このような商品を『コモディティ』といいます。この記事では言葉の意味や使い方、コモディティの事例などをわかりやすく解説していきます。
コモディティの意味をチェック
『コモディティ』は一般ビジネスの世界のほかに、投資の世界でも使われる言葉です。こちらの項目では、コモディティという言葉の意味や使い方などをわかりやすくまとめてみました。
コモディティとは?
メーカーや種類にこだわることがあまりなく、日用品のように一般化した商品のことを『コモディティ』といいます。具体的には差別化が難しい以下の商品が例としてあげられます。
■米・小麦粉・卵・飲料水・レトルト商品・野菜などの食料品
■パソコンのメモリ関連商品
■ハンドクリーム・リップクリーム
■灯油・ガソリン
■鉄鉱石 など
これらの商品は、まったく違いがないというわけではありませんが、どのメーカーの商品でもいいと思えてしまうことが特徴といえます。
コモディティの英語
コモディティは英語では『commodity』と表記し、以下の意味が辞書には掲載されています。
■日用品
■生活必需品
■商品
■農業・鉱業などの産物
■役に立つもの
■特典
英文としては次のような使い方があります。
■commodity prices(物価)
■commodity amount(商品量)
■commodity distribution(物流)
■commodity export(商品輸出)
コモディティの使い方・例文
言葉の意味はだいたいおわかりいただけましたか?それではここで、実際に会話でどのように使うのか、例文をいくつかご紹介しておきます。
コモディティ化した商品の実際と対策
コモディティは、『コモディティ化』『コモディティ状態』といった使い方をされることが多いのですが、ある対象の商品やサービスが次のようになることをさしています。
■他の商品との差別化がなくなってしまう。
■他社商品にうもれてしまう。
■「どうしてもコレじゃないとダメ!」という商品ではなくなってしまう。
こちらの項目ではコモディティ商品の実情とどのような対策が必要なのかについて簡単に解説いたします。
コモディティ商品の問題点
他の商品と差別化をはかれないと、多くの企業から同じような製品が発売され、価格を下げることでしか競争に勝てなくなります。
しかし、価格を下げることには限界があり、世間に名前が知られている大手以外の企業にとって、経営的に苦しい状況に陥ってしまう結果となりかねません。
一定の需要が見込めることは強み
人気ブランドの商品であれば、他の同等製品を作ったとしても「このブランドの商品なら安心」という人も少なくないため、一定の需要は見込めるでしょう。これはコモディティ商品を手掛けるにあたってはとても強みになります。
その反面、名の知れていないメーカーがコモディティ商品にあとから参入しようとする場合には、なんらかの差を持たせないと生き残ることができないというわけです。
もし、有名ブランドよりも先にコモディティ商品を作る状況にある場合は、どうすればそれよりも魅力的になるのか細心の注意を払うことが大切です。
コモディティ商品のマーケティングは?
コモディティ商品の需要をのばすためには売り込み方、つまり『マーケティング』にも工夫が必要となります。そこで、対応方法をいくつかピックアップしてみました。
コモディティ商品をいかに他のメーカーよりも目立たせるかについてもブランディングが大きく影響します。
また、店舗に置く商品であっても交通の便が悪くて買い物がしにくい地域の人は、さまざまな通販サイトから購入してくれる確率が上がります。
このように、販売経路を考えるということも、コモディティ商品のマーケティングにおいて重要な要素の一つといえます。
わかりやすいコモディティの事例3つ
コモディティの意味がだいたいわかったところで、コモディティの事例を紹介します。身近なところにもコモディティ商品がありますよ。
①:価格変動が生じた薄型テレビ
薄型テレビ、ブルーレイレコーダー、プロジェクター、ホームシアターなど、家電業界ではコモディティ化が起こりやすいといわれています。
例として薄型液晶テレビを例にあげてみましょう。
2008年~2009年あたりでは、40型は15~16万円が相場でした。それが3年後には約半額にまで値下がりし、2018年現在では5万円台のものまで登場。大型テレビの分類となる50型も10万以下で販売されているものがあります。
液晶の技術もかなり進化し、素人目には大きな違いがわからないというのが実情なので、価格で決めるという消費者も多くなっています。
②:コモディティ商品を上手に売るダイソー
100円ショップの先駆けとなったダイソーは、そのほとんどがダイソーオリジナル商品で、「これも100円で買えるの?」という商品も数多くあります。
100円ショップは他にも大手がいくつかありますが、「欲しいのがないからやっぱりダイソーに行くか」という人も少なくないでしょう。また、ダイソーはオリジナル商品を手掛ける他にもこんなサービスも実施しています。
■大量注文を受け付けている。
■電子マネーやクレジットカードが使える店舗が多い。
■期間限定実施だが、ポイントシールを集めると人気商品が安く購入できるキャンペーンがある。
■コピー機や写真プリント機を設置。
ただ100円で購入できるだけでなく、『必要不可欠な日常ストア』であることを考えた営業方針により、コモディティ化を回避できているのでしょう。
③:デザインと入手しやすさがウリのLOHACO
LOHACOは、通販サイトではありますが、日用品などの生活必需品、ファッション、雑貨まで、最短で翌日には届けてくれるシステムになっています。
税込1,900円以上購入すれば基本的には送料が無料になるというのも魅力の一つ。Amazonでは税込2,000円以上で送料無料という場合もあるので、この点でも差別化を試みているのでしょう。
また、コモディティ化しやすい日用品も多く取り扱っているものの、『暮らしになじむデザイン』をコンセプトに限定商品も数多く販売しているのも特徴の一つ。
また、以下のサービスを実施している点においても利用者数を伸ばしている要因といえます。
■Yahoo!JAPAN IDで簡単に買い物ができる。
■最短翌日のお届けでも追加料金は不要。
■ポイントが貯まって使える。
■時間指定料金不要。
■クレジットカード、Yahoo!マネー、ソフトバンクまとめて支払い、ワイモバイルまとめて支払い、代引きといった5種類の支払い方法から選択できる。
[番外編]金融・投資の世界におけるコモディティ
コモディティは金融・投資の世界でも使われる言葉で、ここでは商品先物取引などで扱われる商品のことをさしています。そのためこのような取引を『コモディティ投資』とよんでいます。
おもな投資対象商品は以下のとおりです。
■金・銀・プラチナなどの貴金属
■トウモロコシ・ダイズ・小豆・米などの穀物
■原油・ガソリンなどのエネルギー商品 など
これらの商品を、将来の一定日時に一定価格で売買することを約束するという先物取引の一つで、おもに資産運用を目的として行われています。
コモディティ商品のマーケティングには工夫をプラス
コモディティ商品の売り上げをのばすには、他の商品群にうもれてしまわないよう、他との差別化を図るという工夫が必要不可欠です。
また、開発時点ではコモディティ商品ではない場合でも、将来的にコモディティとなってしまうこともあります。開発して販売が始まっても、常に進化させていけるよう、市場調査は怠らないようにしましょう。