「論う」とは「小さなミスを取り上げてグチグチ言う」
人の欠点をいちいち論う
ミスや欠点を指摘するなと言っているわけではありません。ちょっとした言い間違いや重要ではない些末なミスなどを取り上げて大げさに言う……嫌われる可能性100パーセントです。
「論(あげつら)う」とは「人の欠点や弱点を敢えて取り上げて議論すること」を意味します。看過して問題ないことをグチグチ言うことが「論う」です。
「論う」の読み方
意味以前に読めない人が多いのが「論う」。「あげつらう」と言われれば分かるものの漢字で書かれていると分からないという人は多いでしょう。
「論」は「議論(ぎろん)」に使われているように「ろん」と読むことが多い漢字です。「ろんう」と読んでしまわないように注意しましょう。それこそ読み間違いを「論われる」ことになってしまうかも。
ひらがなで書かれることが多いとはいえ、これを機会に漢字表記も押さえておいてください。
「論う」の語源
「論う」はもともと「ミスや欠点をグチグチ言う」ような嫌な表現ではありませんでした。「論」の字の通り、「議論」するという意味で使われていました。それがいつしか現在の意味になりました。
「あげつらう」の「あげ」は「(議題を)挙げる」の「挙げ」。「つらう」は「(動作・状態が)続く」という意味です。「挙がった議題について議論を繰り広げる」と表します。
「論う」の使い方・例文
・ケアレスミスを論うのではなく、根本の問題を論じてほしい ・欠点を論うようなことばかりしていると嫌われるぞ ・お互いのミスを論ってばかりいて話が進まない
「論う」はスルーしても問題のないことに対して使用します。重要なことや看過できないことに対して指摘、注意、説教したとしてもそれは「論う」ではありません。
とはいえ、人によって捉え方は違うので、重要と考えて説教しているのに、説教されている側が「論う」だと感じてしまうことはよくあることです。
「論う」の類語
・ケチをつける ・揚げ足を取る
「論う」の類語としてこれらが挙げられます。「論う」で意味が通じない場合は言い換えることも可能です。
・ちょっとした漢字のミスを論う ⇒ちょっとした漢字のミスにケチをつける ⇒ちょっとした漢字のミスの揚げ足を取る
「論う」を英語で
She always finds fault with others ⇒彼女はいつも人のミスを論う
「find fault」で「論う」を表現しています。他にも、「catch up」「reveal shortcoming」で表すことができます。
「論う」と言われないように
「パワハラ」や「モラハラ」などちょっとしたことも「○○ハラ」と呼ばれる時代。相手のことを思って指摘したとしてもハラスメントや「論う」と判断されてしまうかもしれません。
「論う」ことはよくないことですが、本当に大事なことであればきちんと伝える必要があります。そのためには日ごろからきちんと人間関係を構築しておく必要がありますね。