『大義名分』とは『その行動の根拠や正当な理由』という意味
新人
先輩
新人
『大義名分』は、日常生活で頻繁に登場する言葉ではないでしょう。しかし、政治関連の話題やメディアではよく使われるので、社会人としては知っておきたい四字熟語です。
本記事では、正しい意味や使い方だけでなく、類語や英語表現についても簡単に理解できるよう、わかりやすく解説していきます。これを機にしっかり覚えていってください。
『大義名分』の語源・意味
『大義名分』は『たいぎめいぶん』と読みます。『大義』と『名分』とわけることができ、それぞれの意味は次のとおりです。
【大義】
・人として守るべき正しい道。
・国や君主に対する忠義。
(忠義=真心をこめて尽くすこと)
【名分】
・なにかを行う際に表向きとなる理由。
・身分や立場によって守るべき筋道。
もともとは儒教に由来しており、君主に仕える家臣は節度を守るべきという言動の教えを指しています。
日本においても、目上の人に従う服従制度があり、現代においても上下関係は残っています。しかし、日本においての『大義名分』は次の二つの意味で使われています。
・国や君主に対し、身分や立場で守るべき筋道。
『大義名分』の使い方・例文
『大義名分』は、日常のカジュアルな会話ではあまり登場しません。また、ビジネスシーンにおいてもなかなか使う場面には遭遇しないため、どのような使い方をすればいいか迷う人も多いと思います。
ここでは、『大義名分』を使った例文をいくつか紹介します。文章の意味やどんな場面なのかを考えながら読んでみてください。
Aさんは大義名分を振りかざして接待費使い過ぎじゃない?
『大義名分を振りかざす』には、「その言動には正当な理由がある」の意味があります。例文1では、ほかの人は納得していないが、「接待費を使う権限が自分にはある」と正当化している人について話しています。
彼は実家の母親の介護を大義名分にして休んでばかりだ。
例文2は、「介護だから休まなければならない」を正当化していると言っています。この発言をしている人は、休んでいるのは介護だけが理由ではないと思っています。
設備の大幅な修繕が必要になったB工場はこの際閉鎖しよう。そうすれば事業費の削減という大義名分が立つのではないか?
『大義名分が立つ』とは、『正当な理由になる』の意味があります。この場合の『立つ』は、『成立』と考えれば簡単です。
『大義名分』の類語
『大義名分』の類語や言い換え表現として一番簡単でわかりやすいのは『口実(こうじつ)』です。しかし、意味は『言い訳』なので、『その行動を行う際の根拠や正当な理由』についての言い換え表現のみに使えます。
そのほかには次の言葉があげられます。
【錦の御旗(にしきのみはた)】
・自らの言動などに権威をつけるために掲げる名分。
【免罪符(めんざいふ)】
・罪や責めから逃れるためのもの。
【よりどころ】
・ある物事が成立するための根拠。
・支えてくれるもの。
『大義名分』の英語表現
『大義名分』を英語で表現する場合、『正当な理由』の意味をもつ『good reason』が一番簡単です。
・find a good reason for~(~の大義名分を見つける)
・for no good reason(これといった大義名分もなく)
そのほかにも『higher principle』や『political cover』が使えます。
『大義名分』の意味を正しく理解して会話で使おう
日本では、『言い訳』や『言い逃れ』の意味あいで『大義名分』が使われる傾向にあります。しかし、本来は、『その行動を行う際の根拠や正当な理由』なので、会話では間違って使わないようにしましょう。
また、上下関係がはっきりしている職場においては『国や君主に対し、身分や立場で守るべき筋道』を指す場合もあるため、きちんと使い分けをしてください。