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ジャストインタイムとは?物流・生産に関わるビジネスマンが知っておくべきメリット・デメリット

ジャストインタイムは「無駄のない生産過程」の一つ!

新人

製造工程はJITで進めております。(フフ…昨日テレビでタレントが言ってたビジネス用語が使えたぞ!)
報告ありがとう。ちなみに、JITはどう意味で使ってるかな?

上司

新人

ジッと、いいタイミングを待つ!ですよ!

頭文字を取ってJITとも呼ばれるジャストインタイム。新人クンの意味も奇跡的に合っていましたが、正しくはJust in timeで、「無駄のないとき」や「ちょうどそのとき」を指します。

ジャストインタイムの意味をチェック

ジャストインタイムはものづくりや物流を主に、ビジネスの場で使われる言葉です。その意味を確認していきましょう。

ジャストインタイムとは?

ジャストインタイムとは、英語「just in time:ちょうどそのとき、絶妙なタイミングで」からきた言葉。日本では主にビジネスシーンで用いられ、製造のタイミングについていうときに用います。製造品について「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」製造し、無駄なコストを省き、生産性を最大化できる上、エコロジーな企業活動が展開できます。

トヨタの「かんばん方式」が有名

トヨタ自動車は、ジャストインタイム生産を実践しています。ジャストインタイム生産(またはJIT生産)は「トヨタ生産方式」と呼ぶこともあるほど有名なやり方となっています。さらに独創的な生産管理方式「かんばん方式」や「スーパーマーケット方式」を取り入れました。

これは、スーパーマーケットのように商品名、品番、置き場所など、商品に関する情報を記載した商品管理用カードを生産管理の工程に使用し、情報共有を効率化、透明化するものです。

英語でジャストインタイムは通じる?

英語のJust in timeは、絶妙なタイミングを表す以外にも、「いよいよというときに、ぎりぎりの時間に」というニュアンスで用いられることもあります。「I was just in time for the meeting!」では、「ミーティングにぎりぎり間に合った」というような表現になります。

ジャストインタイムのメリット・デメリット

ジャストインタイム方式は、トヨタ自動車がかんばん方式を導入して有名になりましたが、メリットもデメリットもあります

メリット

製造ラインの見直し・問題改善ができる

製造工程の見直しとなるため、システム導入時に製造現場の問題点がみえることがメリットのひとつ。問題を顕在化できれば、問題点を克服し、長期的なコストや損失を削減することが可能です。

在庫量をミニマム化できる

ジャストインタイムを導入すると、必要量以上に在庫を持たないものづくりを実現することができます。つまり、在庫のために必要な場所や在庫管理の人件費を最小化することができるのです。これは記帳事務や棚卸作業などの事務費用の削減にも繋がります。

デメリット

部品切れのリスクがある

ジャストインタイム生産では、必要な分だけ部品を調達するため、製造工程で「部品が足りない!」ということになると、工場自体が全て止まってしまいます。例えば、東日本大震災の際、被害を受けた企業から部品が調達できず、自動車メーカー工場が機能停止して数百億の売上機会を失ったということもあります。

余裕のあるストックを持っておかないと、不測の事態に対する備えという意味ではデメリットが伴います。

下請け企業の負担が増える

ジャストインタイムでは、工場ストップのリスクをなくすために部品の不良品がゼロであることが求められます。そのため、ジャストインタイム方式を取り入れた会社の下請け企業は、高い品質の部品を常に提供し続ける義務が発生します。

「品質を満たさない」という理由で取引先の切り替えが頻繁に起これば、下請け企業にとって大きな負担となります

大規模なコストダウンが不可能

大量に購入することでコストダウンを図るというのは、多くの企業がよく選ぶ戦略ですね。しかし、ジャストインタイム方式では、一度に大量の発注を行うことがないため、この購買戦略が使えません。部品のコストが高くなるので製品自体も高くなってしまいます

先輩

メリット・デメリットをふまえて検討していく必要があるわね

ジャストインタイムは人事にも活用できる!

このジャストインタイムは、実は人事にも活用できます。「良いタイミング」で人材を確保するということですね。4月にたくさん新卒採用をして、研修して育てて…というのは非常にコストのかかるものですが、このジャストインタイムを意識することで、人件費が削減できます。

しかし、人が必要になる時期に合わせて採用した人が独り立ちできるようにしておくタイミングが非常に難しいというデメリットもあります。

また、多くの会社がジャストインタイムばかり重視した採用を始めてしまうと、既存の新卒生採用が根幹から変わり、学生たちを混乱させかねません。(在学中に就職活動することが世界的に見れば珍しいことを考えると、こちらはリスクだけとはいえませんが…)

ジャストインタイムの類語・関連語

ジャストインタイムは英語でも日本語でも、名詞とつなげて使われることがあり、いくつか関連語があります。特に近年ではジャストインタイムという名前の付いたソフトウェアも多く出てきています。これらのジャストインタイムの関連語や類語をみていきましょう。

Just-In-Timeデバッグ

Just-In-Timeデバッグとは、Microsoft社が提供する開発環境「VisualStudio」の起動中に、致命的なエラーが発生した際に自動で使われる機能です。VisualStudioは「あらゆる開発者とあらゆるアプリのためのツール」といわれるほどの万能プログラムですが、このJust-In-Timeデバッグシステムがデータをエラーから守ってくれます。

ジャストインタイムコンパイラ

コンパイラとは、IT用語のひとつ。人間に分かりやすい形で書かれた高水準プログラミング言語のプログラムを、コンピュータが解釈・実行できる形式に一括して変換するソフトウェアを指します。ジャストインタイムコンパイラとは、プログラムの実行時にこの変換を行うものです

プッシュ型生産方式・プル型生産方式

プッシュ型生産方式・プル型生産方式は、SCM(サプライチェーンマネジメント)で使う用語のひとつ。プッシュ型生産方式とは、実需に基づかない見込生産のこと。それに対して、プル型生産方式とは、実需に基づく受注生産のことをいいます。

ジャストインタイムを導入すべきか検討しよう

ジャストインタイムは、無駄なくムラのない生産方式。生産効率を上げ、環境配慮型の流通構造を作ることができます。ただし、この方式には合う合わないがあるので、導入検討は慎重に。