横着には2つの意味がある
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横着は日常生活でもよく耳にする言葉ですね。横着には怠け者のイメージが強くありますが、実は2つの意味を持つ言葉です。ここでは、この2つの意味について詳しく紹介します。
横着とは『すべきことを故意に怠けること』
横着の1つ目の意味は、『すべきことを故意に怠けること』で、他人の行為に対しても、また自分自身の行為に対しても使います。
上記の例は他人の行為について使っていますが、たとえば「今日の夜ご飯は、横着してインスタントですませました」のように、自分が手抜きをして楽をしている様子を表すときにも使います。
他人に対して用いるときは批判や注意の意味を含むため、目上の人に使うと失礼にあたります。
横着とは『わがままでずうずうしいこと』
2つ目の意味は、わがままな人やずうずうしい人の性格を表す場合に使われます。たとえば、わがままな態度や自分勝手な様子を指して「そんな横着な態度は直すべきだ」のような表現です。
横着の意味をチェック
横着は、すべきことを故意に怠けている様子を指しますが、それが転じて「ずうずうしい」、「ずるい」といった意味にもつながります。
ここからは、横着の語源や対義語などを知って、横着についてより深く理解していきましょう。
横着の語源は仏教に由来する
横着は、もともと仏教の教えからきている言葉です。修行や勤行に真面目に取り組まず、怠けている様子を述べるときに使っていました。
横着の「横」は「枠をはみ出る様子」や「自分勝手で異常な様子」という意味が含まれています。この意味で用いられる言葉として「横暴」が挙げられます。
一方、「着」には「その状態に落ち着く」という意味があるため、2つの漢字を合わせると「自分勝手な状態に落ち着く」という意味になります。
自分勝手な状態とは「決まりを守らずわがままな状態」であり、言い換えると「やるべきことをしない怠惰な状態」という意味になります。
横着の対義語は?
それでは、横着と意味が反対の言葉にはどのようなものがあるのでしょうか。いくつかの言葉をここで挙げてみましょう。
横着の対義語には、「勤勉」や「几帳面」が挙げられます。勤勉は「一生懸命仕事などに取り組む様子」を表す言葉です。横着はやるべきことをあえてしない様子を表しますが、勤勉は自ら進んで仕事に励む様子を表し、この2つの言葉はまったく反対の意味を持つことがわかります。
几帳面は、「細かいところまで物事をきちんと行う様子」を表す言葉です。物事を怠けてだらしないイメージのある横着とはまったく逆の意味の言葉と言えます。
横着の英語表記
横着を英語で表す場合には、いくつかの単語が挙げられます。日本語における横着の意味をそのまま表す英単語はないため、場合によって最も適した単語を使い分ける必要があるでしょう。それぞれの例文も合わせて紹介します。
That man is a lazy worker.
あの男性は怠惰な労働者だ。
【neglect(怠る、放っておく)】
I neglected answering my mother’s letter.
私は、母の手紙への返事を怠った。
【brazen(厚かましい、生意気)】
He continued his brazen behavior.
彼は生意気な態度を取り続けた。
横着と横柄の違い
横着に似た言葉に「横柄」があります。横柄は、「威張って人を無視した態度をとること、無礼、無遠慮なこと」を表す言葉です。「彼は若いくせに横柄な態度をとる」というように使います。
どちらも「横」の文字を使いますが、横柄は横着のような「怠ける」という意味ではなく「無礼な態度」を表わします。
横着の使い方・例文
横着にはどのような使い方があるでしょうか。ここでは、具体例をいくつか挙げて説明します。
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【おまけ】各地の方言で『横着』ってどういうの?
各地の方言で横着とはどのようにいうのでしょうか。長崎と名古屋の例を挙げてみましょう。
長崎では横着者のことを「おーどもん」といいます。「あんわれはおーどもんやっけん」というのは「あいつは横着者だから」という意味です。
名古屋では「おおちゃくい」という言葉を使います。「おおちゃくいことばっかせんで、ちゃんとやりん」というのは「手抜きばっかりせずにちゃんとしなさい」という意味です。
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横着の意味をきちんと理解して正しく使おう
横着には『やるべきことをしない怠け者』という意味があり、自分にも自分以外の相手にも使います。この言葉には相手の態度を非難する意味を含むため、用いるときは相手やシーンに気をつけたほうがいいでしょう。言葉の意味をきちんと理解して正しく使うことが大切です。