もはやとは『ある事態が実現しようとしている様子』
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『もはや』とは『ある事態が実現しようとしている様子』という意味です。漢字で書くと「最早」になります。
新人君は使い方を間違えて先輩からキツイ一言をもらってしまいましたが、このようなことがないように、もはやの正しい意味を理解しておきましょう。
ちなみに、もはやにはニュアンスが異なる別の意味もあります。それぞれどのような意味があるのか紹介しましょう。
もはやには2つの意味がある
『もはや』は少し大げさなニュアンスのある言葉で、気楽な日常会話ではあまり使わないかもしれません。しかしドラマや映画、本などではよく使われるので耳にする機会も多いのではないでしょうか。
もはやという言葉は知っていても、正確な意味を問われるとよくわからないという人もいるでしょう。間違った場面で使用することがないよう、正しい意味を覚えておいてください。
ここではもはやが持つニュアンスの異なる2つの意味を解説します。
もはやとは『ものごとがまさに起ころうとしている状態』
ひとつめの意味は、『ものごとがまさに起ころうとしている状態』です。「早くも」というニュアンスで、事態がまさに実現しようとしている様子を表しています。まだ実現していませんが、それを止められない状態です。
映画やドラマなどで有名な「もはやこれまで」というセリフも、このような意味になります。敵に追い込まれていて、まだ負けは決まっているわけではないものの、負けるのは目に見えているといった場面で使われています。
『ものごとがまさに起ころうとしている状態』という意味の例文を見てみましょう。
夜中の12時を過ぎてしまった。もはや最終電車には間に合いそうにない。
マラソンの世界記録が、もはや塗り替えられようとしている。
もはやとは『すでにある状態になっていることを認める』
もうひとつの意味は、『すでにある状態になっていることを認める』で、「今となっては」というニュアンスが込められています。すでに事態は起きてしまっていて、改めてそれを認めるという意味です。
「すでに」という意味に似ていますが、「すでに」がある状態になったことを説明しているに過ぎないのに対し、『もはや』はある状態になったことを強調する感情が込められています。
『すでにある状態になっていることを認める』という意味の例文は次のとおりです。
救急車が病院に着いたときは、もはや手の施しようがなかった。
もはや彼の味方になる人はいない。
このように、例文にしてみると言葉が持つニュアンスがわかりやすいのではないでしょうか。
もはやの英語は『no longer』
もはやの英語表記は『no longer』です。文脈によってフレーズは異なり、2つの意味のどちらかによっても違ってきます。『no longer』のほかには『not…any longer』といった英語表記も使われます。
『no longer』を使った英語の例文を紹介しましょう。
I no longer have any part to play.
もはや自分の出る幕ではない。
He is no longer a child.
彼はもはや子供ではない。
『not…any longer】を使った英語の例文も見てみましょう。
I could not wait for him any longer.
私はもはや彼を待てなかった。
もはやとすでにの違い
もはやと似た言葉に、「すでに」があります。もはやよりもすでにのほうが日常的によく使われる言葉です。すでにはある事柄が過去に終わっている様子を表しています。
もはやは物事がまだ終わっていないか、終わっていることを今認めるというニュアンスなのに対し、すでには単純にものごとが終わっている状態です。もはやは文脈の意味を強調したり、感情を込めたりする言葉ですが、すでにはただ出来事を表現するための言葉といえるでしょう。
すでにを使った例文を見てみましょう。
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もはやの使い方・例文
もはやはビジネスの現場ではどのように使われているのでしょうか。例文を見ていきましょう。
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もはやと類語の違いを知り上手に使い分けよう
『もはや』は『ものごとが終わりつつある、すでに終わったことを改めて認める』などの意味です。「すでに」のようにありのままを表現するのではなく、文脈を強調する場合に使われます。正確に覚えていないと間違った使い方をしてしまう可能性もあるので、注意しましょう。すでにとの違いを理解し、ビジネスの現場でも正しく使うようにしてください。