培うとは『時間をかけて育てること』
上司
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『培う』とは「つちかう」と読みます。草木を育てるなどの意味からきている言葉です。
上司との会話では、これから入社してくる新入社員だけでなく新人君もまだ時間をかけて培うことが必要なようですね。この記事では、培うの意味や使い方について詳しく紹介しましょう。
培うの意味をチェック
『培う』は『時間を書けて育てること』を意味します。やや堅めな言葉なので、日常会話ではあまり使うことがないかもしれません。正しい意味を理解せずに使用すると、間違った使い方をして恥ずかしい思いをしてしまう可能性もあります。ここでは培うの意味について詳しく見ていきましょう。
もともとは植物を育てるという意味
「培」を使った言葉には、「栽培」や「培養」などがあり、『培う』はもともと『草木を育てる』『植物を栽培する』という意味を持っています。植物を育てるのには長い時間がかかるため、『性質や才能を長い時間かけて育てる』という意味で使うようになりました。「草木を培う」という使い方は間違ってはいませんが、現在では植物を育てるという意味ではあまり使われていません。
目に見えないスキルを育てる場合に使う
培うという言葉に見合うものは、能力、学力、体力、精神力など目に見えないスキルです。時間をかけて育てるものに使い、知識や情報など、外側からすぐに集められるものには『培う』を使いません。「知識や情報」の場合は「情報を集める」「情報を共有する」「知識を身につける」という表現が使われます。
培うは、主に子供や新入社員といった一から教育を施すような人を対象とすることが多いですが、人以外にも使うことがあります。それぞれの例文を見てみましょう。
人を対象にした例文は次のとおりです。
彼の英語スキルは、アメリカ留学で培われた。
読書は教養を培ういい方法だ。
無形物を対象にした例文は、次のようになります。
日本の伝統文化は歴史を通じて培われた。
国の経済は、国内で高い生産性と収益性を培うことが重要になる。
培うの英語は『cultivate』
培うの英語表記は『cultivate』です。直訳すると「耕す」で、英語でも日本語と同じく農作物などを栽培する意味が語源になっています。『foster』を使うこともあります。「育てる」「養育する」という意味も持つ英語です。
『cultivate』を使った英語の例文を紹介しましょう。
Sports are effective to cultivate friendship.
スポーツは友情を培うのに役立ちます。
『foster』を使った英文は次のとおりです。
Her fluent english conversation was fostered in England when she spent her childhood.
彼女の流暢な英会話は、幼い頃に過ごしたイギリスで培われました。
培うと「養う」の違い
培うと似た言葉に「養う(やしなう)」があります。培うものは才能などのスキルなのに対し、養うものはスキル以外も広く含むのが特徴です。
「妻子を養う」など、物質的な援助をして育てるという意味にも使われます。育てる意味合いにおいては、培うの対象が人だけでなくものも含むのに対し、養うはものを育てる場合には使いません。どちらかというと、「飼育する」というニュアンスになります。
「養う」を使った例文を見ていきましょう。
彼はこの会社でビジネスに必要な集中力と忍耐力を養った。
私は小さい頃に両親をなくし、祖父母に養われた。
養うのほかに「養成」という言葉もありますが、養成は「特定の技能を身につけさせる」など、養うよりは限られたニュアンスで使われます。
培うの使い方・例文
培うはビジネスの現場ではどのように使われているのでしょうか。例文を見ていきましょう。
先輩
新人
[おまけ]「育む」とはどう違う?
培うと似た言葉には、養うだけでなく「育む(はぐくむ)」もあります。育むは「愛情を持って大切に育てる」という意味です。培うは実際に育てる才能などのスキルに焦点が当てられていますが、育むは慈しみを持って育てる様子を表しています。言葉で表現したい内容が異なるので、違いを把握しておきましょう。
「育む」を使った例文を見ていきましょう。
彼女は両親に育まれ、優しい女性に成長した。
子供の夢を育む取り組みが多く行われている。
ちなみに、育むは「育てる」ともニュアンスが違います。育てるは単に生き物や能力、技術などが成長するように面倒を見ることですが、育むは「愛情を持って大切に育てる」というニュアンスが強調されている言葉です。
培うは資質や能力を育てる場合に使おう
『培う』には「養う」や「育む」など似た言葉がありますが、それぞれニュアンスが異なります。培うは資質や能力を育てる場合に使うと覚えておきましょう。人だけでなく、文化など無形物にも使うことができます。正確な意味を理解して、ビジネス現場で正しく使いましょう。