均衡とは『複数の物事の間で、力や量のバランスが取れていること』
新人
上司
この会話のように『均衡(きんこう)』とは『バランス』を意味しています。この日常会話ではあまり聞くことのない『均衡』という言葉は、具体的にどのように使われるのが正しいのでしょうか。この記事では均衡の正しい意味や使い方、対義語や類義語について紹介します。
均衡の意味をチェック
前述のとおり均衡とは『バランス』を意味しますが、もう少し詳しく説明すると『複数の物事の間で、力や量の調和が取れている状態』のことです。そのものの状態を表している言葉のため、均衡に続く言葉としては「保つ」や「崩れる」がよく使われます。
「均」という文字には「等しい」「平らにならす」「差がない」という意味があり、「衡」は「釣り合い」「重さを量るもの」などを意味しています。
ビジネスシーンやニュースでよく使われる
先のとおり、均衡という言葉を日常会話であまり使用することはありません。ではどこで耳にしているのでしょうか。
均衡という言葉は、ビジネスシーンやニュースで使用されることが多くあります。たとえば「アメリカや中国などの大きな国の経済的均衡が崩れると、世界中が長期的に不景気になるでしょう」のように使われます。
そのため、この言葉の意味を知ったからといって、友人との雑談の中で使用すると、少し違和感を与えることになるかもしれません。もしも使うならばビジネスシーンなどに留めておきましょう。
均衡の対義語は?
均衡の対義語は、次の2つの言葉が考えられます。
◾️不均衡:2つ以上の物事の間で釣り合いが取れていない状態
◾️アンバランス:バランスが取れていない状態
均衡と同じく、不均衡もビジネスシーンでおもに使われる言葉です。一方、アンバランスは日常的にもよく使用されている言葉であり、不均衡とアンバランスでは若干ニュアンスが異なります。
もしも均衡の対義語を正しく使用したい場合には、「不均衡」を使用することをおすすめします。
先輩
均衡の英語表記
均衡の英語表記はおもに2つあるため、よく使われる英単語と英語の例文を紹介します。
【equilibrium】
She’s mental equilibrium was upset.
彼女の心の均衡が崩れた。
【balance】
I rebuilt the system in the company to fix the balance of supply and demand.
需要と供給の均衡を整えるために社内体制を立て直した。
均衡と均等の違い
均衡と似た言葉に「均等(きんとう)」があります。均等とは「複数のものの間に差がなく平等であること」をいいます。それに対して均衡とは『複数の物事の間で、力や量の調和が取れていること』です。
非常によく似ている2つの言葉ですが、均等にはものに対して使われることが多いという特徴があります。たとえば「子どもたちが喧嘩しないようにお菓子を均等に分けた」などです。一方、均衡が使われるのはものだけではありません。権力や実態がないものに対しても使われます。このニュアンスを理解しておくと使い分けができるようになるでしょう。
均衡の使い方・例文
それでは、均衡という言葉をビジネスシーンで活用してみましょう。例文をあげてご説明しますのでぜひ参考にしてください。
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[おまけ]ナッシュ均衡ってなに?
『均衡』の意味を検索したときに「ナッシュ均衡」という言葉を目にした人も多いでしょう。
ナッシュ均衡とは、1950年にジョン・ナッシュが考案したゲーム理論です。これはゲームをプレーするうえで、お互いが最適な戦略を考えてゲームに臨んでいる状況のことをいいます。互いに最適な策を講じているためこれ以上状況が変わらない、いわゆる均衡状態というわけです。
ただしそのゲームに参加しているすべての人にとって、最善の状態とは限らないことに留意しておく必要があります。
均衡を正しく理解して会話に取り入れよう
均衡とは『複数の物事の間で調和が取れている』状態のことをいい、おもにビジネスシーンやニュースなどで使用されます。日常会話の中で使用するならば「バランス」の方が使いやすいかもしれません。この記事でしっかりと均衡の意味や使い方をマスターして、仕事の上でも使用してみてくださいね。