毀損とはどんな言葉?
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「毀損」という漢字の難易度は漢検2級相当!
読めない・書けないがあたりまえに思えてしまうほどの難しいワードです。にもかかわらず、毀損はニュースなどにしばしば登場してきます。社会人として知らないのは困りますよね。
今、この記事を読んでくれている皆さんの中にも、新人君のように新聞などで毀損を目にして意味を調べているという人は多いのでは?
毀損について学び、ビジネスマンにふさわしい国語力を身につけましょう。
毀損の意味とは「壊すこと」
毀損の読み方は「きそん」。
目にみえて手で触れられるものを壊す場合と、目にみえないものを壊す場合のどちらにも使える言葉で、次の意味になります。
②利益を損なうこと。名誉を傷つけること
②の「名誉を傷つけること」を難しい言い方で表現した言葉が、ニュースなどでよく耳にする名誉毀損です。
毀損の語源・由来
毀損の「毀」は「壊れる」「けなす」という意味になります。
「損」の意味は「壊す」「傷つける」「利益をなくす」。
「毀」と「損」の意味から、次のように毀損の意味を作れますよ。
「壊れる」「壊す」→「ものを壊す」「ものが壊れる」
「けなす」「傷つける」→「名誉を傷つける」
「壊れる」「利益をなくす」→「利益を損なう」
毀損には、由来になるような故事はありません。2つの漢字を組み合わせて意味を作った2字熟語です。
毀損と棄損に違いはあるの?
毀損は「棄損」と書かれる場合もあります。毀損と棄損の意味は同じで、両者に違いはありません。
なぜ「きそん」というひとつの言葉に、2つの表記があるかというと「毀」は漢字が難しすぎるので、常用漢字から外されていた時期があるからです。
そのときには「毀」の代わりに「棄」の字があてられ、「きそん」は「棄損」と表記されていました。
毀損の使い方・例文
実体のあるものが壊れるときには2つのパターンがあります。壊れたものが手元に残っている場合と、残らない場合です。焼けてなくなってしまった、粉々になってしまった、というケースだと手元に残りませんね。
毀損は、壊れたものが手元に残されているときに使う言葉です。現物がない場合には、毀損を使用できないので気をつけてください。
毀損を名誉など目にみえないものに用いる場合は「名誉は傷つけられてもその人の中から完全になくなることはない」と考えると理解しやすくなりますよ。
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毀損と類語である「破損」の違いは?
破損は「壊れること。傷つくこと」「壊すこと。傷つけること」を意味する言葉です。
毀損とほぼ同じニュアンスで使えますが、破損は利益や名誉など形のないものには使用できないという違いもあります。
「毀損する」の英語表現
毀損を英語で表現するときは「damage」を使えばOKです。
「damage」は「損害、損傷、被害」などの意味をもつ単語。
「to damage something(何かを傷つける)」で「毀損する」のニュアンスを表せます。人を傷つけるといいたいときには「something」を「someone」に変えてください。
毀損は形のないものの価値も認めた上で使う言葉
破壊、損傷など壊すことを意味する言葉はいくつもありますよね。その中でも毀損は、名誉やイメージなど明確な形をもたないものにも使えるという目立った特徴をもつ言葉です。
難しい漢字が多くの人の苦手意識を掻き立ててしまいますが、目にみえない価値が重要視されている現代社会では知らないで済ますことはできませんよ。
毀損の使い方をマスターするだけでなく「無形の価値を傷つけられたくない」という人の思いに目を向けられる、広い視野も身につけていきましょう。