存外には2つの意味がある
先輩
上司
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存外という言葉を日常あまり耳にしないかもしれません。しかし、相手が存外という言葉を使ってきた場合、言葉の意味が分からないと会話が成り立たないケースも出てきます。存外には2つの意味があるので、それぞれ確認していきましょう。またこの記事では存外の意味だけでなく、似た言葉の「案外」「意外」との意味の違いや存外の正しい使い方について解説します。
存外とは『思っていた以上の結果となること』
存外のひとつ目の意味は『予想以上のことが起きた』『思いがけないことが起きた』です。想像していた内容以上の結果になったという意味があります。
存外とは『非常識な言動をすること』
存外のふたつ目の意味は『もってのほかであること』『ぶしつけ』です。無礼な行動をとることという意味もあります。しかし現在この意味で使用されることはほとんどなく、古典や古い読み物でしか目にすることはないでしょう。
存外の意味をチェック
存外とは『程度や様子が思っていた以上であること』を表し、現在では『無礼』や『ぶしつけ』という意味では使用しないことを説明しました。ここでは使い方も含めて、もう少し詳しく確認しましょう。
基本的に日常会話では使わず文章で使う
存外という言葉は硬い表現でもあるため、実は日常会話ではあまり使用せず文章の中で使用するのが一般的です。たとえば友達が待ち合わせ場所にいつもより早く来たとしても、「存外早いね!」という使い方はしません。
「存外に扱われる」は誤用
いい加減に扱われる、乱暴に扱われるという意味で「存外に扱う」と使う人もいますが、これは間違いです。正しくは、「ぞんざいに扱う」といいます。「ぞん(がい)」ではなく「ぞん(ざい)」なので注意しましょう。「ぞんざい」には正式な漢字表記がないのでひらがなで問題ありません。物事を粗末にすること、なげやり、乱暴なことという意味があります。
存外の英語表記
存外の英語表記は『unexpected』や『beyond expectation』です。それぞれ例文を見てみましょう。
【unexpected】
This winter bonus was an unexpected reward.
今年の冬の賞与は、存外の報酬でした。
【beyond expectation】
The movie story was poor beyond expectation.
この映画のストーリーは存外つまらなかった。
存外と案外や意外との違い
存外と似た言葉に「案外」や「意外」がありますが、それぞれどのような違いがあるのか確認していきましょう。
「案外」には、「見当していたことと違う」という意味があり、ポイントとなるのは想像していた内容と「逆」の結果になるときに使用するという点です。たとえば、遠いかと思っていたら案外近かった、狭いと思ったら案外広かった、というときに使用します。
一方存外の場合、想像と結果は「同じ方向」だったけれど想像していた以上の結果が出たというときに使用します。たとえば「存外近い」とは、近いとは思っていたけど、それよりさらに近かったという意味です。
また「意外」には、「予想していなかったことが起きた」という意味があり、ポイントとなるのは起きると思っていなかったことが起きた(発生した)点です。
たとえば、「この先生、意外と怖い」とは、その先生が怖い人だとは予想もしていなかったという意味です。「この先生、存外怖い」という表現なら、その先生のことを怖いとは思っていたけど、思っていた以上に怖かったという意味になります。
そのほかにも「思いのほか(思いの外)」という言葉がありますが、意味は「存外」とほぼ同じ意味であると考えてよいでしょう。存外よりも柔らかい言葉なので、こちらの表現は会話でもよく使われています。
存外の使い方・例文
ビジネスシーンにおいて存外という言葉はどのように使われるのでしょうか。例文で確認しましょう。
新人
上司
上司
新人
正しい意味を理解しワンランク上の文章を目指そう
固い言葉であるため、文章であっても周りに存外という言葉を使う方は少ないかもしれません。しかし日常の文章のワンポイントに、ちょっと使用するだけでワンランク上の文章になります。受け取る側も「おっ!」と感じる人が多いでしょう。
ただ、「案外」「意外」など似たような言葉もあるので、正しい意味を理解して使用しなければ逆効果です。意味を正しく理解して、ぜひ明日から使用してみてはいかがでしょうか。