嘱望とはどんな意味?使い方や対義語、期待との違いも解説

嘱望とは『将来に望みをかけられること』

新人

先輩、今日の新人研修の中でトレーナーの方が「将来を嘱望される君たちだからこそ……」っておっしゃってたんですが、嘱望ってどういう意味でしょうか?
嘱望されているんなら、その言葉くらいおさえとかなきゃいけないよ……恥ずかしいんだから、もう!嘱望は将来の活躍を望まれることなのよ。

先輩

嘱望という言葉を聞いたことがありますか?これは周囲から将来に望みをかけられている、どちらかといえば若い優秀な人たちによくいわれる言葉です。でも、なかなか具体的にはピンとこないかもしれませんね。

ここでは嘱望の意味や使い方、どのような使い方をするのか、また意味の似た言葉とはどんな違いがあるのか、英語での表現などをできるだけわかりやすく、具体的な例文なども交えて解説します。しっかり覚えて使いこなせるようになってください。

嘱望の意味をチェック

『嘱望』の読み方「しょくぼう」です。「しょくもう」ではありません。少し難しい読み方なので、ここでおさえておいてください。

嘱望(属望)の意味は、『将来および前途に望みをかけること』をあらわします。その対象となる人の前途、未来や行く末が輝かしいことを望むことを表すポジティブな言葉です。

まれに例外的ではありますが、「嘱」ではなく「属」を用いる場合も。「属望」と書いて「しょくぼう」と読みます。「ぞくぼう」や「ぞくもう」ではありませんので、注意してください。

新人

結構読み方に迷っちゃいそうなので、オレもしっかり覚えて同期に差をつけなきゃ!

「嘱」と「望」の文字の持つ意味

嘱望のふたつの漢字のそれぞれの持つ意味合いも、参考に紹介しておきます。
「嘱」という文字は「嘱む」と書いて「たのむ」と読めます。つまり「頼む」や「委ねる(ゆだねる)」の意味を持っているということです。

「望」は「嘱」とは違って頻繁に使われる文字であり、「希望」「願望」などで使われるように「望み」「願い」の意味があります。

さらに、心情的な意味以外にも「眺望」「展望」などの「はるか遠くを見やる」という意味も持っている文字です。つまり嘱望の望は「(時間的に)遠くを見やって願う」意味を持っていると考えられます。

そのふたつの文字の意味合いから、嘱望は遠く将来を任せて活躍を願うという意味が込められた言葉です。

嘱望の類似表現と対義語

嘱望の類似の表現はたくさんあります。一部を紹介すると下記のようなものです。

    将来性がある
    将来有望だ
    有望株
    成長株
    有望視される
    将来を担う
    前途洋々たる
    新進気鋭の

また、嘱望の正反対の意味を持つ言葉があります。それは「失望」です。文字どおり「望みを失うこと」であり、「あてがはずれてがっかりする」さまのニュアンスを帯びています。

嘱望の英語表記

英語において嘱望に当てる名詞として近いものは「expectation」です。しかし、これは「期待」の方が近いので、厳密には嘱望とは少しニュアンスが違います。

ともあれ、嘱望の意味を表す英語表現は、複数存在しているのです。

「嘱望する」としての意味は次の表現になります。

    fasten (hang, put, pin) one’s hopes on somebody
    expect a great deal of [from] somebody

「嘱望すべき〜」という形容詞的な表現としては次のとおりです。

◾️promising 〜

英語の例文を挙げておきましょう。

例文

Everyone’s hopes rest on her.
彼女はみんなに嘱望されている。

They place a great deal of hope for the future in these young men.
彼らはこの青年たちの将来に大いに嘱望している。

嘱望と期待の違い

「嘱望」の類語にも挙げられる「期待」ですが、同じ意味合いではありません。どういった違いがあるのでしょうか。

まず、「期待」の意味を説明しましょう。

期待
将来そのことが実現することをあてにして待ち設けること
あることが実際に叶えばよいのにと、心中で見込みを立てて待つこと

嘱望は前述のように『将来および前途に望みをかけること』なので、近いものではありますが微妙にニュアンスが異なります。つまり、期待にはその文字に含まれるように「待つ」ことの意味合いが含まれていることが分かるでしょう。

嘱望は「待つ」というよりは「望んでいる」という違いです。しかし「将来に期待する」という使い方であれば嘱望とほとんど同じ意味になります。つまり、「期待」の方がより広い意味をカバーする表現ともいえるでしょう

嘱望の使い方・例文

日常的にはそれほど登場しない嘱望ですが、ビジネスシーンでの会話では結構使用されています。いったいどのような使い方をされるのでしょうか。例文で見てみましょう。

例文1

上司

営業部の〇〇君は、新卒入社の時点からすでに経営幹部候補として将来を嘱望されている逸材なんですよ。
例文2
私と同期のAさんは子どもの頃からとて優秀だったので、先生や両親から将来を嘱望されていた誇れる同僚なんです。

先輩

例文3

上司

君は正直にいうと、入社時にはさほど周囲から嘱望されていなかった。しかし、入社から1年経つ頃にはぐんぐん頭角を顕し、今や将来の管理職候補に上がっているんだよ!

[おまけ]「嘱」がつくほかの言葉

嘱望の「嘱」は珍しい文字なので、参考までに「嘱」がつくほかの熟語も紹介しましょう。

【委嘱(いたく)】
これはある特定の専門性が高いような仕事を、ある期間ほかの人に委ねることを意味します。

「委託」と似ていますが、こちらは特に専門性が高いものに限定されず、広い範囲で委ねること全般に使用する言葉です

【嘱託(しょくたく)】
これは、正規の雇用関係によらない柔軟な契約で、ある仕事を頼んで任せるという意味です。定年後の「嘱託職員」などがこれにあたります。

希望や期待との意味の違いを理解して使おう

嘱望はポジティブな言葉で、同じくポジティブな期待などともよく似ています。しかしここで解説したように、微妙なニュアンスの違いがあるので、そのちょっとした差をよく理解した上で使いましょう。