手法とは『物事のやり方、特に芸術作品の表現技法』
新人
先輩
新人
先輩
この会話のように、手法(しゅほう)とは『モノや事のやり方』を示しています。しかし手法の意味を正しく知らない人は、類義語である「方法」と同じような使い方をしていることが多いです。
この記事では手法の正しい意味や使い方、ビジネスにおける手法の意味などについて解説します。手法の本当の意味を正しく理解していってくださいね。
手法の意味をチェック
前述のとおり、手法とは『物事のやり方、特に芸術作品の表現技法』を意味しています。
先の会話も「画家が水彩画の手法を使って絵を描いている」ということで芸術作品の表現技法について使われていました。
ここでは手法の語源や言い換え表現など、より深い意味を解説していきます。
手法の語源について
手法の「手」には「手や指」という意味もありますが「作業・仕事・やり方」などの意味も含まれています。「手」を使った言葉では「打つ手がない」や「手立てがない」などがありますが、どちらも「もうどうしようもない」「やりようがない」という状態のときに使われる言葉です。
手法の「法」には「おきて」という意味のほかにも「型」や「形式」という意味が含まれています。そして2つの漢字が組み合わさり『手法』、つまり『やり方や形式』という意味になるのです。
手法の言い換え表現
手法を別の言葉で言い換えてみましょう。
-
・技法(ぎほう):美術品や芸術品などの表現方法
・方式(ほうしき):定まった形式
・製法(せいほう):物を製造するときの方法
これらの言葉は手法と似たような意味を持っており、手法を置き換えることが可能です。しかし前後の言葉や文章によっては、言い換えられないこともあるため注意しましょう。
ビジネスにおける手法とは?
ここまでに説明してきた『手法』とは、特に芸術作品の表現技法において使われる言葉でした。
しかしビジネスシーンで手法という言葉を耳にしたことがあるという人も多いかもしれません。ビジネスシーンにおける手法とは、おもに目標を達成するための『作業』という意味合いで使われます。
例えば顧客のニーズを汲み取るために「PDCAサイクル」などのフレームワークを活用することがあります。フレームワークとは枠組みを意味していますが、「Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)」を繰り返し行うことで、継続的に業務や作業の改善を目指す技法のことです。
こうしたPDCAサイクルのような技法を活用することを、ビジネスにおいても手法と呼ぶことがあります。
新人
手法の英語表記
手法の英語表記はいくつかの種類があります。ニュアンスによって使い分けられているため、例文で紹介しましょう。
【method】
What kind of method should I use?
私はどんな手法を使うべきですか?
【technique】
The technique for that has been established.
それの手法は確立されました。
【style】
We think we should improve this style.
私たちはこの手法を改善しなければならないと思います。
【procedure】
What kind of field can I apply this procedure to?
この手法はどんな分野に適用できますか?
【mechanism】
Many mechanisms have been proposed and applied so far.
これまでに数多くの手法が提案されて、適用されています。
【approach】
This approach is based on realism.
この手法はリアリズムに基づいている。
手法と方法の違い
手法とよく似た言葉で「方法」があります。方法とは「目的を達成するための手段」のことです。
一方、手法は『物事をやり方、特に芸術作品などの表現技法』という意味なので、方法とは異なります。手法の正確な意味として『芸術作品の表現技法』とあるため、ビジネスシーンで使う言葉として相応しいのは「方法」といえるでしょう。
ただし手法は、表現技法である前に『物事のやり方』という意味のため、言葉のニュアンスによってはビジネスシーンで使っても間違いではありません。
手法の使い方・例文
最後に、手法という言葉を会話に取り入れるとどのようになるのか、例文で紹介します。
新人
先輩
先輩
上司
手法の意味を正しく理解して使おう
手法と方法は非常によく似た言葉ですが、手法は『物事のやり方、特に表現技法』、方法は「目的を達成するための手段」です。正しい意味を理解して使いましょう。またビジネスにおける手法の意味も覚えておくと良いですね。