寄与するには2つの意味がある
上司
新人
『寄与する』には2つの意味があります。『人のために役立つ』や『社会に影響を与える』という意味ですが、次に詳しく説明しましょう。
寄与するとは『社会や人の役に立つ行いをすること』
1つ目の意味は、『社会や人の役に立つ行いをすること』です。寄与の「寄」は音読みで「キ」、訓読みで「よる、よせる」と読みますが、この文字は「頼ること、支援を受けること」を意味しており、「与」という文字と一緒に使うことで「支援を与えること」という意味になります。このことから、寄与するとは支援を与えることになり、社会や人の役に立つという意味に繋がります。
「技術の発展に寄与する」や「会社の売り上げに寄与する」など、行為の対象は、個人というより会社や国家、また社会そのものです。「家族の幸せに寄与する」といった使い方をしないことからも、個人を対象に使わないとがわかるでしょう。
寄与するとは『社会や物事に変化と影響を与えること』
2つ目は、『社会や物事に変化と影響を与えること』を意味し、化学分野における「寄与率」という言葉は、まさにこの意味からきています。
寄与するの意味をチェック
寄与するの意味をさらに深く掘り下げて説明します。類義語や対義語を詳しく紹介するので、きちんと覚えて使い分けられるようになりましょう。
寄与するの類義語(言い換え)
寄与するの類義語は、「資する」や「供する」が挙げられます。
類義語の「資する」も、「物事の役にたつこと」を意味しますが、金品や何かしらの技術や情報によって社会の役に立つことを意味します。たとえば、「この技術は社会の発展に資する」などと使います。とくに「資する」の場合は、主語は人ではなく物事になるので注意しましょう。話し言葉というよりも、書き言葉として用いられる言葉です。
「供する」は、「捧げ物をする」や「提供する」、「役立つようにする」という意味です。多くの場合、何かを提供するといった意味合いで使われます。たとえば、「食事と一緒にワインを供する」といったように用いられます。
「役立つようにする」という意味では、「参考に供する」や「閲覧に供する」というように使うことができますが、どちらかというと、「提供する」の意味合いのほうが強いでしょう。
寄与するの対義語は
寄与するの対義語は「阻害する」で、「邪魔をして物事を進行させないこと」を意味します。たとえば「国の発展を阻害する」というような使い方です。
また、名詞としての「寄与」であれば、対義語として「障害」があげられます。「障害」の意味は「物事の成立や進行の邪魔をすること」で「阻害する」とほぼ同じです。
化学分野でも『寄与』が使われる
化学分野の共鳴理論の構造で出てくる用語に「寄与」があります。極限構造のパーセンテージのことを指し、「寄与が大きい、小さい」というように用いられます。
寄与するの英語は『contribute to』
寄与するの英語表記は、『contribute to』です。よく使われる熟語なため、どのように使うのかをしっかり理解して使いこなせるようになりましょう。
His idea will contribute to the society.
彼のアイデアは社会に寄与します。
This contributes to your life plans.
これはあなたの人生設計に寄与します。
寄与すると貢献するの違い
『寄与する』に似た言葉に「貢献する」があります。「貢献する」とは、「物事や社会に力を尽くして、よい結果をもたらすこと」や「貢ぎ物を奉ること」という意味です。社会の役に立つという意味では、寄与するとほぼ同じ意味を表します。
もともと『寄与』はおくりあたえるという、上から下へ物をあたえるという意味があります。これに対して「貢献」はみつぎものをたてまつるという、下から上へ物を貢ぐという意味。このような由来から、この2つの言葉のニュアンスの違いが生まれているのです。
寄与するの使い方・例文
それでは、寄与するの使い方をいくつか紹介します。先述したように、個人的な利益には使わない言葉なので、その点に注意して使いましょう。
上司
先輩
寄与するの意味を理解して正しく使おう
寄与するは貢献するとほぼ同じ意味で、社会の役に立つことを表わしています。類義語として、資するや供するという言葉もありますが、その違いをきちんと理解して使いこなせるようになりましょう。話し言葉としては、役に立つのほうがよく使われますが、寄与するという言葉を使うことでスマートな印象になります。
寄与するという言葉の意味をよく理解して、正しく使えるようになりましょう。