一瞥とはどんな言葉?
新人
先輩
新人
硬貨や紙幣を意味する「貨幣」。
一瞥の「瞥」と貨幣の「幣」は確かにちょっと似ていますけど、よくみてください。別の漢字ですよね。
新人君は頭をひねって絞り出していましたが、一瞥の読み方は「いちへい」「いっぺい」どちらでもありません。残念。
一瞥は、日常会話ではあまり使わない言葉なので、馴染みのない人もいるかもしれませんね。しかし、小説など書き言葉ではよく用いられる語です。
目にしたときに困らないように、一瞥について学んでおきましょう。
一瞥の意味や読み方とは?
一瞥は「いちべつ」と読みます。
難しい漢字ですね。でも、言葉の意味そのものは難しくないので安心してください。
・流し目でちょっとだけみること
何かをほんの一瞬チラ見するのが一瞥。皆さんも日常的に行っているごく普通の動作ですよね。
一瞥の語源・由来
一瞥の語源を構成漢字の意味から考えてみましょう。
「一」は数字の「1」。意味は「ひとつ」ですね。「一」は、そのほかに「ちょっと」という意味合いももっています。
「瞥」は「目」というパーツが含まれている漢字です。目がものをみる働きをするところから「瞥」のニュアンスは「ちらりとみる」になります。
「一」と「瞥」を組み合わせたら「ちょっとだけちらりとみる」という意味を作ることができました。これが一瞥の語源です。
一瞥の使い方・例文
一瞥は一瞬何かに視線を向けるという動作を表す言葉。一瞥にそれ以上の意味はありません。
ポジティブ・ネガティブどちらでもない語なので、一瞥を用いると文章の背景にさまざまなニュアンスを含ませることができます。
「どうして一瞥したのか」「一瞥された人がどう感じたのか」など、追加したい情報を考えて文を組み立ててみましょう。
先輩
先輩
「一瞥をくれる」は、視線をちょっと与えるという意味です。要するに「ちらりとみる」こと。
新人
上司
「一瞥も与えない」は「ちらりとみることさえしない」という意味。
注意!一瞥は内容確認の依頼には向かない
ビジネスメールの文面などに一瞥を使うのはおすすめできません。
「軽くでいいので目を通してください」と伝えたいときには「ご一瞥ください」ではなく「お目通しください」や「ご確認ください」など、別の表現を用いるようにしましょう。
これは、対面で中身の確認を依頼をするケースにもあてはまります。お願いするのにふさわしいワードを選んで使用するようにしましょう。
一瞥の類語
一瞥の類語は「ひと目」「一見」「瞥見」です。これらは「ちょっとの間みる」というニュアンスを共通してもっています。
一見(いっけん):一回だけちょっとみること
瞥見(べっけん):ちらっとみること。短時間でざっと目を通すこと
また「一瞥もくれず」や「一瞥も与えない」の言い換えなら「目もくれず」が使えます。
一瞥の英語表現は「glance」
一瞥を英訳するときには「glance」を使えばOK。「glance」は「一瞥」「ちらりとみること」などの意味をもつ単語です。
また「take a glance at〜(~をちらっとみる)」で「一瞥する」を表せます。「glance through」で「~にざっと目を通す」。「at a glance」だと「 ひと目みただけで」という意味にもなります。
一瞥は状況や相手をよく見極めて使おう!
一瞥の意味は「チラ見」。単なる動作でしかない言葉なので、いい・悪いどちらのニュアンスもありません。しかし、使い方によっては相手の気分を悪くさせる失礼なワードにもなってしまいます。
余計な誤解を受けないためにも、一瞥は状況や相手をよく見極めて使用するようにしましょう。