感服とは『深く感心して尊敬や尊重の気持ちを抱くこと』
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感服という言葉の意味を知っていましたか?『感服』とは『深く感心して尊敬や尊重の気持ちを抱くこと』という意味です。ビジネスの場面ではそんなに多く登場する言葉ではありませんが、ここぞという場面で使われることもあります。
時代がかった独特の表現なので、使うときには注意が必要です。言葉の意味や使い方、語源などをくわしく解説していきましょう。
感服の意味をチェック
『感服』の意味は『深く感心して尊敬や尊重の気持ちを抱くこと』です。「感心」よりももっと強く気持ちが動かされた状態を表します。まずは読み方から確認していきましょう。
感服の読み方はかんぷく
『感服』の読み方は「かんぷく」です。「かんふく」と読まないように気をつけてください。このほかにも「服」を「ぷく」と読む言葉には一服「いっぷく」、屈服「くっぷく」などがあります。
感服の語源は?
『感服』は「感」という文字と「服」という文字とで成り立っています。
まず「感」から説明しましょう。「感」という文字は感動する、感心する、感じるなどで使われていることからもわかるように、心が動く状態を表しています。
「服」という文字はいくつかの意味があり、代表的なのは次の3つです。
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1.仕事などに従事する」
2.尊敬の念を持って従う
3.身につける着物
「感服」で使われているのは2番目の意味になります。つまり心が動いて「尊敬の念を持って従う」という意味です。
感服は目上の人に使える?使えない?
『感服』はインパクトの強い言葉であるために、的確な場面で使う必要があります。悩む場面として目上の人に使っていいのかどうかということです。使えるという意見と使わない方がいいという意見、真っ二つに分かれていて、それぞれがかなり拮抗しています。
「使える」派の根拠となっているのは『尊敬や尊重の気持ちを抱くこと』なのだから、目上の人でも問題ないという理屈です。
時代劇などでもこの「感服」という言葉はよく登場します。例えば、家老が「いやあ、殿のすばやい決断には感服いたしました」などと会話している場面を想像してみても特に違和感はありません。
ただしこういう会話が自然に成り立つのは長い付き合いある、気を許しあっているなど関係が前提となっているケースが多いでしょう。
一方「使えない」派は相手に感服したと告げるのはそれまでは尊敬していなかったことの表れになるのではないか、といった主張を展開しています。以前から尊敬している相手だったら感服するまでもないだろうというわけです。
相手が不快に思う可能性が少しでもあるのならば、使わないほうが無難でしょう。
感服ではなく、敬服ならば問題ないので、まよったときには「敬服」を使うことをおすすめします。
感服の英語表記
感服の英語表記はいくつかあります。『感服』を名詞として訳す場合、『admiration』を使うことが多いです。しかし「感服する」という使い方をする場合は『admire』という動詞か『be impressed by』を使います。
・admiration(感服、賞賛)
彼は誰しもが感服する人だった。
・admire(感服する、賞賛する)
私はあなたの勇気ある行動に感服しました。
・be impressed by(感服する、賞賛する)
私は彼女の洞察力の深さに感服した。
感服と敬服の違い
漢字1文字が共通する『感服』と「敬服」という2つの言葉の意味にはそれほど大きな違いはありません。感服が相手のアクションに心を動かされて、尊敬の念を抱くものであるのに対して、敬服は相手の人間性や能力に対してリスペクトの気持ちを抱くという違いがあります。つまり感服は瞬間的にわきあがる感情、敬服は常に抱いている普遍的な思いという相違点があるのです。
また「敬服」が相手に従う意思表示の現れである点も異なります。相手への尊敬の念は『感服』よりも「敬服」のほうがより強い傾向があるのです。
迷うことなく目上の人に対して使える「敬服」ですが、下の立場の人に対しては使うことはほとんどありません。
感服の使い方・例文
使い方に注意しなければならない「感服」、ビジネスシーンでどんな使い方をされているのか、具体例をみてみましょう。
上司
先輩
新人
上司
新人
感服という言葉を正しく使いこなそう
感服という言葉、いきなり使うと唐突になりかねません。また、心にもないのに使ったりすると、逆効果になる場合もあります。意味を正しく理解して適切なタイミングで使えるようになってください。