鷹揚とは『ゆったりとふるまう様子』
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鷹揚(おうよう)とは『ゆったりとふるまう様子』という意味です。新人君は確かに鷹揚すぎて、先輩をイラつかせてしまいましたね。この記事では、鷹揚の正確な意味や使い方についてくわしく紹介しましょう。
鷹揚には2つの意味がある
鷹揚には2つの意味があります。どちらも人の印象について表現するときに使いますが、それぞれ表している内容は異なります。言葉の意味を覚えて、正しく使ってください。それぞれの意味について見ていきましょう。
鷹揚とは『ゆったりとふるまうこと』
ひとつめの意味は、『ゆったりふるまうこと』です。見た目の印象に対して使われます。この意味の例文を見てみましょう。
・周囲が騒々しいなかで、彼女は終始鷹揚な態度だった。
鷹揚とは『余裕があって目先の小さいことにこだわらないこと』
鷹揚のもうひとつの意味は、『余裕があって目先の小さいことにこだわらないこと』です。この場合の鷹揚は、その人の性質に対する印象について表しています。こちらの例文は次のとおりです。
・最近の彼の態度は鷹揚さが失われつつある。
語源は中国最古の詩集
鷹揚は中国最古の詩集が語源です。「鷹が揚がる」と書き、鷹が大空をゆったりと飛んでいる状態を表すのに鷹揚という表現が使われていました。
人がゆったりとしているさまも鷹が大空を飛んでいる姿に似ているため、今日の意味で使われるようになったのです。
鷹揚の英語表記
鷹揚が表すニュアンスはさまざまなので、英語表記もそれに応じて複数になります。主に使われるのは『liberal』『tolerant』『broad』『large-minded』『generous』『easygoing』などです。例文でそれぞれのニュアンスを確認してみましょう。
彼は反対する人に対して鷹揚な態度でのぞみます。
彼女は失敗に対し鷹揚ではない。
彼は鷹揚な性格をしている。
彼は鷹揚な心を持つ人だ。
彼女の人に対する評価はとても鷹揚です。
彼は鷹揚な性格です。
鷹揚と悠然の違い
鷹揚と似た言葉に、「悠然(ゆうぜん)」があります。悠然も鷹揚と同じく「ゆったりと落ち着いている様子」を表しています。
しかし、鷹揚がその人の持っている性質などを表すのに対し、悠然は「悠然と〜している」という使い方でもわかるように、その人の行動や行為の様子を表す場合に使われることが多い言葉です。
悠然の例文を見てみましょう。
上司
鷹揚の使い方・例文
日常会話でも使われる鷹揚という言葉、ビジネスの現場ではどのように使われているのでしょうか。例文を見ていきましょう。
新人
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[おまけ] 「大様」や「大らか」との違いもチェック
『鷹揚』と似た言葉には、「悠然」のほかに「大様(おおよう)」「大らか(おおらか)」もあります。大様は鷹揚(おうよう)と読み方が似ているので、その違いがわからない人も多いのではないでしょうか。
「大様」は「落ち着きがあって、小さなことにこせこせしない様子」という意味で鷹揚に似ているものの、「大様」は大雑把な様子を表し、『鷹揚』は「心にゆとりがあって品がある様子」を表しています。ニュアンスはかなり異なるので、使う際は注意が必要です。
ただし、発音が似ているため会話の中ではどちらの意味で使ってもあまり支障はありません。文章で書くときは、大様はマイナスのニュアンスもあるため、気をつけて使い分けてください。
「大様」の例文を見てみましょう。
「大らか」を使った例文は次の通りです。
鷹揚は類義語とのニュアンスの違いを覚えておこう
鷹揚には2つの意味があるため、ニュアンスの違いを理解して正しく使い分けてください。また、類義語も多く、それぞれに違いがあります。間違った場面に使わないよう、この機会にしっかりと理解しておきましょう。