「妄言」とは「でたらめ」という意味
ネットの妄言を信じて痛い目に合う
ネットやテレビでそれっぽく取り上げられていると信じてしまいがちですよね。後になって冷静に考えてみると、おかしいと気づくことがあります。
「妄言(もうげん)」とは「根拠のないでたらめの言葉」という意味。「妄語(もうご)」も同様の意味です。
「妄言」の読み方
「妄言」の読み方は次のどちらでしょうか?
・もうげん ・ぼうげん
いやいや、さっき「妄言(もうげん)」って説明したばかりじゃないですか!と思うかもしれません。それに「ぼうげん」だったら「暴言」になっちゃいますよね。
ただ、「妄言」は「ぼうげん」とも読めるんです。とはいえ、多くは「もうげん」と読むので「ぼうげん」と読んだらやはり笑われてしまうかもしれません。
「妄言」の類語
・妄語(もうご) ・嘘(うそ) ・虚言(きょげん) ・放言(ほうげん)
「妄言」の言い換え表現はこちらです。
しかしながら、「嘘」や「虚言」とひとくくりにはできない違いが「妄言」にはあります。
「虚言」との違い
「虚言」は「偽りの言葉」という意味。つまり、嘘のことです。
「妄言」も嘘か真実かでいえば嘘。しかし、「虚言」が他人を欺こう、騙そうとする意図があるのに対して、「妄言」は自分もそれを信じている(信じたい)という節があります。
・虚言⇒社員だと偽って会社に侵入する ・妄言⇒死んだ息子が毎日帰ってくると周りに吹聴する
認知症の症状の一つにも「妄言」はあります。この場合も自分では「嘘」とは思わずに、他の人が聞いたら「でたらめ」と思うことを発言してしまいます。
「放言」との違い
「放言」とは「好き勝手に発言すること」を意味します。
嘘かどうかは重要ではありません。真実にしろ、でたらめにしろ、周りの迷惑や与える影響を考えずに無責任に発言することを指します。
「妄言」の四字熟語
・妄言綺語(もうげんきご) ・妄言多謝(もうげんたしゃ)
「妄言綺語」は仏教用語です。仏教における苦しみの原因「十悪」のうち、「妄言」と「綺語」をあわせた表現。「綺語」とは「飾った偽りの言葉」を意味します。
「妄言多謝」とは
「妄言多謝」は手紙等で自分の赤裸々な主張や、相手を非難するようなことを書き連ねた際に添える気遣いの文言。
いろいろ書きましたが、妄言みたいなものなのであまり気にしないでください、というニュアンスです。とはいえ、あくまで謙遜の表現であり、本当に「妄言」だとは思っていません。
「妄言」の使い方・例文
・妄言を吐いてばかりいるので煙たがられる ・精神的に参っていたので、つい彼の妄言を信じてしまった ・責任を追及された彼は、妄言を並べてその場を切り抜けようとした
「妄言多謝」は別として、「妄言」はネガティブな意味で使われることがほとんど。
相手のちょっとした冗談に対して、「妄言を吐かないでください」といってしまうと「そんなつもりないのに」と嫌な顔をされるでしょう。
「妄言」を英語で
He talks nonsense ⇒彼は妄言を吐く
「nonsense」で「妄言」を表現しています。
スラングですがよく使われる表現に「bullshit」もあります。日常会話でよく出るワードで、洋画でもたびたび耳にします。
現代の「妄言」に気を付けよう
何かとエビデンス(証拠)を求められる現代社会において、「妄言を吐く人」とレッテルを貼られることは致命的。
特にビジネスや他人のことに対して適当なことをいわないように気を付けましょう。