「満身創痍」とは「全身ボロボロ」という意味
満身創痍で臨む
故障続きでスランプ真っただ中、得点に貢献できなければ引退もあり得る大事な試合に臨む選手。昨夜、上司に付き合って寝不足と飲み過ぎで最悪なコンディションの中、重要な会議に臨むサラリーマン…。
「満身創痍」と聞いて、人によって想像するものは違うと思います。
「満身創痍(まんしんそうい)」とは「全身傷だらけ」という意味。怪我はもちろん、病気や心の傷を負っているときにも使うことができます。
「満身創痍」の漢字の意味
「満身創痍」の「満身」は「全身」という意味。「創」と「痍」はここではどちらも「傷」という意味です。「全身・傷・傷」、つまり「全身傷だらけ」のボロボロ状態を表しています。
ちなみに、「満身創痍」は中国にもある表現。中国でできて日本に輸入されたのか、日本でできて中国に輸出されたのかは不明ですが、意味は同じです。
「満身創痍」の使い方・例文
・怪我で満身創痍の中、任務を遂行して表彰された ・SNSのちょっとした投稿が炎上してしまい満身創痍の状態に ・叔父は病に侵され満身創痍でも仕事を続けていた ・このパソコンはトラブル続出の満身創痍状態だが愛着があって使い続けている
もともとは文字通り、怪我のみを表す表現だった「満身創痍」ですが、精神的に傷ついている状態にも使うようになりました。ストレス社会である現代では、精神的に傷ついて使うことの方が多いかもしれません。
病気で苦しんでいる様子を「満身創痍」と表すようになったのは実は最近。これで心身の負傷であればどんなものでも「満身創痍」を使えるようになりました。
また、人間以外に使うことも。擬人法的使い方で物や動物にも使用できます。
怪我にしろ、病気にしろ、心の傷にしろ、はたまた、人間以外にしろ、「満身創痍」は全体的に傷ついて弱っている状態を表しています。ちょっとした怪我程度には使いません。
「満身創痍」の類義語・対義語
・疲労困憊(ひろうこんぱい) ・百孔千瘡(ひゃっこうせんそう) ・精疲力尽(せいひりきじん)
「満身創痍」はこれらの表現に言い換えることができます。疲労で弱っている場合も「満身創痍」を使えますが、「疲労困憊」の方がしっくりきます。
・無事息災(ぶじそくさい) ・平穏無事(へいおんぶじ) ・元気溌剌(げんきはつらつ)
あえて、「満身創痍」の対義語を挙げるとしたらこれらの表現でしょう。
「満身創痍」を英語で
He has wounds all over his body ⇒彼は満身創痍だ
「彼は体中に傷を負っている」=「満身創痍」。文字通り怪我をしている際に使うことができます。
疲れているという意味で使いたいときは、「be completely exhausted」で表現することが可能。「疲労困憊」と訳す方がしっくりくるかもしれません。
時には「満身創痍」でも
なるべくなら「満身創痍」の状態にはなりたくありませんし、もしそんな状態になったら何もせずに休んでいたいですよね。
しかし、「満身創痍」でも、やらなければいけないときがあるのが社会人。大変かもしれませんが、「満身創痍」で頑張っている姿は後輩や部下にいい刺激を与えられるかも。
とはいえ、限度というものがありますので無理し過ぎには要注意です。