ジョブホッパーは「仕事をコロコロ変える人」
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『仕事をコロコロ変える人』って、長続きがしないとか、忍耐力がないなど、比較的ネガティブなイメージをもたれがちですよね。
しかし、さまざまな企業でキャリアを積んできているということで、今は優秀な人材だと見直されつつあるんです。
そこで今回は、ジョブホッパーの言葉の意味や使い方の他、ジョブホッパーの特徴などについてわかりやすく解説していきます。
ジョブホッパーの意味をチェック
英語力の高い人ならもしかしたら『ジョブホッパー』と聞いただけでピンとひらめくかもしれませんが、まずは言葉の意味や定義についてお話したいと思います。
ジョブホッパーとは?
ジョブホッパーは英語では『job hopper』と表記し、熟語ではありますが、辞書には『職を転々を変える人』というような意味が掲載されています。
『job』は仕事という意味だということはわかりますよね?『hopper』を辞書で調べると次のような意味が記されています。
■ピョンピョンと飛び跳ねるもの
■跳ぶ虫
■(次々と)歩き回る人
■ホップを摘む人 など
この2つの言葉の意味をあわせて、『仕事から仕事へピョンピョンと跳び移る』というような意味になり、転職を繰り返している人のことを『ジョブホッパー』とよぶようになったといわれています。
【豆知識】バッタはグラスホッパー
グラス(grass)とは草のこと。そして、草と草の間をピョンピョンと跳び移る虫ということで、バッタを英語でグラスホッパー(grasshopper)というようになったそうです。
ちなみに、バッタだけでなく、『イナゴ』や『キリギリス』もグラスホッパーですので、この機会に覚えておいてもいいかもしれませんね。
ジョブホッパーの定義
実際のところ、ジョブホッパーの転職頻度に定義というものはありません。しかし、一般的には次のような頻度で仕事を変えている人のことをいう場合が多いようです。
■20代で3回以上の転職経験がある人
■30代で4回以上の転職経験がある人
■一つの会社で3年続いていない人
■半年~一年以内での転職を繰り返している人 など
ジョブホッパーの使い方・例文
ジョブホッパーがどんな人のことをさしているのかはもうわかりましたよね?それではここで実際に会話で使えるよう例文をいくつかご紹介しておきます。
ジョブホッパーの特徴は?
ジョブホッパーになる人にはさまざまな特徴があるといわれています。ここでは代表的な特徴をご紹介するとともに、それがどのように仕事に影響を与える傾向にあるのかを簡単にまとめてみました。
こだわりが強い
大多数の人は、「会社の仕事ってこんなもんでしょ」「100%やりやいように仕事するなんて無理」とわりきって働いていますよね?
しかし、ジョブホッパーになるような人は、「このようにするべきだ!」「こんなやりかた間違ってる!」というように、自分のこだわりが強い傾向にあるといわれています。そうするとこんな現象が職場でおこります。
■みんなの考え方おかしい
■こんな職場じゃ自分のやりたいことはできない!
■もうついていけない。
■あの人とは一緒に仕事することはできない。
このような食い違いが発生し、ジョブホッパーは会社で孤立することがあり、本人は会社を辞めていってしまうわけです。しかし、自分がやりたいことをやりたいという思いだけで転職していてはただのわがままでしかないので注意が必要です。
しかし、このこだわりをもって仕事をするというスタイルは、努力をおしまない人であれば、組織のトップに立つと活躍できる機会も増えていきます。会社を立ち上げて成功するという人も多いようです。
好奇心が旺盛である
『隣の芝生は青い』ということわざがありますよね?これは、他人のものはなんでも良くみえるという意味があるのですが、ジョブホッパーはこのように次々といろんなものに興味を抱く好奇心旺盛なタイプが多いとされています。
そして実際にいろんな仕事を経験し、さまざまな知識を身につけ、それらが結びついてひとつの専門性を生み出す場合があります。このような結果になる場合には、たくさんの転職もキャリアアップのための段階の一つということになるわけです。
自分に自信がある
ジョブホッパーになるような人は、「自分にはこんな強みがある!」「これに関しては人には負けない」というような自信をもっている傾向にあります。
どんな会社に行っても「そこで活躍できる」という確信をもっているからこそ、いろいろなことにチャレンジしようとするんです。
日本と海外のジョブホッパー事情
日本ではまだまだ「新卒で入社してからもう20年になります。」という人も珍しくはありませんが、終身雇用という形態も減ってきているのも実情です。
しかし、アメリカではかなり前から勤続年数が短いのが当たり前で、日本とはいろいろと働くことに関しての考え方の違いがあるようです。
経営陣が1年で変わるのも珍しくない
アメリカの企業では経営やマネジメントを任されている人は、1~2年の契約制で就任しているということも珍しいことではありません。そのため、「急に経営方針が変わった」「仕事のやり方が180度変わってしまった」ということも当たり前のようにあります。
日本でも外資系企業がたくさんあり、そういった会社に勤めている人も多いことでしょう。そんなアナタ、過去の人事異動を思い返してみてください。「あ、そういえば!」ということがたくさんあったのではないでしょうか?
転職していないと逆に怪しまれる?!
ジョブホッパーが当たり前になっているアメリカでは、一つの会社で長く勤めていると、『順応する力がないのか?』『転職もできないほど仕事ができないのか?』『自分を高めようとする意欲がないのか?』など、あまり良い評価を得ることができない傾向にあるようです。
しかし、すべての人や企業に当てはまることではなく、中には一つの会社でキャリアを積んでいく人もいるという事実は念のためにお伝えしておきます。
年齢・性別で判断はしない
日本の履歴書では『年齢』『性別』を書くのは当たり前のことになっていますよね?しかし、アメリカの履歴書にあたるレジュメには年齢や性別は記載しません。外資系企業を受けたことがある人なら、もしかしたら気づいているかもしれませんね。
これは、アメリカの法律では『年齢や性別で選考してはいけない』ということが徹底されているからだそうです。
ジョブホッパーの類語・関連語
ジョブホッパーについてはもうだいたいおわかりいただけましたよね?それでは、ここからは類語や関連語についてご紹介しておきます。
転職組
企業には、新卒で入社して働いている人もいれば、中途採用で働いている人もいます。中途採用してきた人たちを『転職組』とひとくくりでよぶ場合があります。ジョブホッパーは転職を繰り返している人なので、必然的に『転職組』なるわけですね。
対義語はプロパー
転職組に対し、新卒で入社して働いている社員のことを『プロパー社員』とよびます。ただし、派遣社員・契約社員・パートの人ではなく、正社員であるということを区別する際にも『プロパー』という言葉が使われますので、どちらの意味をさしているのかは文脈で判断する必要があります。
Uターン・Iターン・Jターン
知っている人もいるでしょうが、まずはそれぞれの説明から。
ジョブホッパーの中にはこのような移動も含めた転職をしている人もいるので、ぜひ覚えておいてください。
キャリアチェンジ
経験のない業界や職種に転職することをさして『キャリアチェンジ』といいますが、以下のような種類があります。
■業界も職種の未経験。
■業界は未経験だが、『営業』『人事』『経理』などの職種としては経験者。
■業界としては経験者だが、職種は未経験。
勝ち組ジョブホッパーになろう!
日本ではまだ浸透しきっていないジョブホッパーですが、多くの企業経験を積んだ後に役員になっているという成功者もたくさんいます。ただ「あわないから」「いやだから」というような安易な理由でのジョブホッパーはあまり好ましいものではありませんが、キャリアを積むための転職は経験してもいいのではないでしょうか。
あなたもいろんな仕事を経験したいと思っているのであれば、ぜひ勝ち組のジョブホッパーになってください。