「凡庸」とは「普通」という意味
凡庸な作品
学生時代、美術の授業で才能のある同級生の横で、見るからに「凡庸」な自分の作品を見てため息が漏れた思い出はないでしょうか。
「凡庸(ぼんよう)」とは「平凡」ということ。よく言えば「普通」、悪く言えば「取り柄がない」ということ。物だけではなく人を形容する際にも使われる表現です。
「凡庸」の漢字の意味
「凡庸」の「凡」は「平凡」の「凡」、「普通」という意味。「庸」も同様の意味で、「凡庸」は同じ意味の漢字を重ねた熟語です。
「凡庸」と「汎用」の違い
「凡庸(ぼんよう)」と字面が似ていてよく間違えられる言葉に「汎用(はんよう)」があります。
「汎用」とは「一つの物をいろんな方面に使う」という意味。簡単にいえば「オールマイティ」なもの。「汎用性」という言葉もあります。スマホやパソコンなどは「汎用性」がある代表的なアイテム。
汎用とはどんな意味?類語や英語、汎用性や汎用的などの熟語表現も紹介
「凡」と「汎」は部首のありなしだけでよく似ていますし、「庸」と「用」の読みはどちらも「よう」。間違えるのも無理はないかもしれません。
実際に「凡庸」を「はんよう」と読んでしまったり、意味を混同してしまったりする間違いが多発。半ば冗談で「凡庸性」という造語も生まれました。
字面は似ていても意味は全く違うのでこれを機に間違えないようにしてください。
「凡庸」の使い方
・凡庸な人物 ・凡庸な作品 ・凡庸さ
「凡庸」は人や物を形容する際に使われます。
どちらにせよ、「凡庸」は誉め言葉ではありません。取り柄のないつまらない人・物という意味合いになります。自分や自分の作品を謙遜していう場合はアリですが、人や人の物に対して軽々しく「凡庸」を使うといらぬトラブルを招くかも。
「凡庸」の類語
・普通(ふつう) ・平凡(へいぼん) ・凡人(ぼんじん) ・人並み(ひとなみ)
「凡庸」はこれらの表現に置き換えることができます。とはいえ、どれも面と向かって言われたらいい気はしないので注意しましょう。
・非凡(ひぼん) ・稀有(けう) ・天才(てんさい)
「凡庸」の反対の意味となる言葉はこれら。こんなふうに評価されたいですよね。
「凡庸」を英語で
mediocre person ⇒凡庸な人物
「mediocre」で「凡庸」を表しています。「ordinary(普通)」や「boring(つまらない)」でも「凡庸」のニュアンスを表すことが可能。
「凡庸」だとしても
「人並み」「普通」とあるように、多くの人は「凡庸」です。「非凡」な人はごくわずか。
人を評価する言葉としての「凡庸」は悪い意味ですが、決して「凡庸」な性質自体が悪いわけではありません。「凡庸」でも腐らず頑張っていきましょう。