「朴訥」とは「飾り気がなく無口」という意味
新人時代は朴訥な感じだったのに随分とあか抜けたものだ
男女に限らず、経験を積み、自信がつくと見た目も変わってくるものです。特に学生から社会人への変化は顕著ですよね。
「朴訥(ぼくとつ)」とは「飾り気がなく無口・口下手」な人のことを表しています。
「朴訥」は誉め言葉?
「あなたって朴訥ねぇ」と言われて喜ぶ人はあまりいないかもしれません。おしゃれに気を遣っている人やセールスを生業にしている人にとっては悪口に聞こえるでしょう。
しかしながら、もともと「朴訥」は誉め言葉でした。かつては「飾り気がない」「無口」は勤勉さと直結する美徳と考えられていたからです。
現代では価値観が多様化してそのような意味合いは薄れました。逆に「地味」よりは「華やか」、「口下手」よりは「コミュニケーション上手」がもてはやされる世の中。
特に若い世代で「朴訥」を褒め言葉としてとらえる人は稀なので注意しましょう。
「朴訥」の書き方
「朴訥」の「訥」はあまり見ない漢字ですよね。作りは「言」に「内」なのでシンプルなのですが…。
「内」の上側が左にクイってなってるんだけどこれ何?
確かにフォントによっては「訥」の「内」の上の線が左に伸びているように見えます。しかしながら、書く場合は気にしないでOK。普通に「内」と書きましょう。
「朴訥」の使い方・例文
・朴訥な見た目をしてるけど意外とおしゃべりなんだよ ・派手な見た目に反して朴訥とした話し方をするので先輩たちに可愛がられている ・朴訥な人柄はそれだけで武器になる
「朴訥な見た目」「朴訥な話し方」というように組み合わせて使うことが多いです。
「朴訥な話し方」は話し上手ではないけど一生懸命に話すといったニュアンス。
「朴訥」の類義語・対義語
・素朴 ・純朴 ・地味 ・無口 ・口下手
「朴訥」の代わりに「素朴」や「純朴」と表現すれば、もしかしたら悪い気はしないかもしれませんが保証はしません。
「地味」「口下手」は完全に悪口になるので注意です。
・派手 ・饒舌
「朴訥」の逆の意味の言葉は「派手」や「饒舌」など。
「朴訥」を英語で
He is unsophisticated, but he’s a kind person. ⇒彼は朴訥だけど親切な人だよ
「unsophisticated」で「朴訥」を表しています。「上品な」「洗練された」という意味の「sophisticated」に「un」を付けた形。
「simple」と表現することも可能です。
「朴訥」には気を付けて
「朴訥」は時代や人によって受け取り方が変わる表現です。良い意味で使ったとしても、悪い意味でとらえられてしまうことも。別の表現を使ったり、言葉足らずにならないように、言葉を付け加えたりしましょう。