カーブアウトとは『事業の一部を独立させ新会社化する経営戦略』
上司
新人
上司
あなたはカーブアウトの意味、わかりましたか。ベンチャー企業などの設立時にもよく聞く言葉です。言葉の意味だけでなく、この言葉が登場した背景やメリット、デメリットなどもあわせて解説していきます。
カーブアウトの意味をチェック
カーブアウトは『事業の一部を独立させ新会社化する経営戦略』という意味です。事業の一部を独立させる際に、外部から投資を受けるなどして協力を得るため、新会社が軌道に乗る可能性が高くなるというメリットがあります。
カーブアウトが生まれた背景
『うまく活用できていない事業や採算が取れていない事業を再生させるために考えられた経営戦略』がカーブアウトです。
社内での改善は難しくても、外部からの投資を受けて、ひとつの会社として独立させることによって、リスクを軽減しながら新たな道を試すことができます。
眠っている事業の有効活用の手段のひとつがカーブアウトであると、そんな言い方もできるでしょう。近年、たくさんのベンチャー企業が誕生しています。このカーブアウトによって独立した企業の多くもベンチャー企業として位置付けられることが多いのです。
カーブアウトのメリット
カーブアウトのメリットはおもに次の3つです。
1.外部からの融資を受けられる
会社内の一部の事業から新会社として独立することによって、外部の大企業や投資家から融資を受けられるようになります。資金調達が容易になることで、開発力も向上。会社としてもパワーアップできます。
2.親会社との連携によって事業が促進される
独立したとはいえ、もとの会社との関係は深く、人材、技術や知識、資金面では全面的にサポートされるので、連携して協力関係を築きながら、新たな事業を効率的に推進することが可能になります。
3.企業の成長のスピードが早くなる
独立することによって組織としてのフットワークが軽くなり、まわりの状況の変化への柔軟な対応が可能になります。変化に対する柔軟かつ迅速な対応ができる組織運営を行えます。
カーブアウトのデメリット
カーブアウトには注意しなければならないデメリットもあります。大きくわけると、次の2つです。
1.さまざまな意向が意志決定を難しくする場合も
新会社として独立したとはいえ、もともとの親会社の意向、出資した外部企業や投資家たちの意向を汲みながら企業を運営することになります。「船頭多くして船山に上る」ということわざではないですが、意志決定がスムーズにいかないケースも出てくるのです。
2.社員の離職率が高くなる危険性も
独立して設立された会社の主たるメンバーはもとの会社の社員ということになります。新しい環境になじめない、新会社に勤めるつもりはなかったなど、社員が退職してしまう危険性も増大。また離職しないまでもモチベーションが低下する可能性もあるので、いかにケアしていくかも重要になってきます。
カーブアウトの英語は『carve out』
カーブアウトの英語は『carve out』です。もともとcarve outには切り出す、切り開く、刻み出す、刻みつける、つくりあげるなどの意味があります。英語では次のような使い方をしています。
自分の運命を切り開く。
自分にふさわしい居場所を見つける。
カーブアウトとスピンオフの違い
カーブアウトと似た言葉として、スピンオフがあります。ある企業の一部がその企業や外部からの協力を得て独立することを表しているという意味では、2つの言葉は共通しています。
大きな違いはどちらの立場から見るかということ。もとの会社から見た場合をカーブアウト、新しい会社から見た場合をスピンオフと呼びます。
カーブアウトの使い方・例文
カーブアウトの意味はわかったでしょうか。実際に使われている場面を見ていきましょう。
新人
上司
新人
先輩
企業の攻めの戦略、カーブアウトに注目!
カーブアウトは企業の新しい戦略として注目されている手法です。さまざまな状況で登場するカーブアウトという言葉、意味を理解したうえで使いましょう。