良薬は口に苦しとはどんな言葉?
新人
上司
新人
「良薬は口に苦し」は薬関係の話をしているのなら、新人君が予想したような薬の効き目と味の意味合いになります。文字通り、よく効く薬は苦いものだという意味ですね。
しかし、ビジネスや日常会話で「良薬は口に苦し」が登場する場合、比喩表現として用いる慣用句になります。
適切な意味合いをとらえられないと困った事態になるかもしれません。「良薬は口に苦し」について学び、周囲に差をつけましょう!
良薬は口に苦しの意味とは「役立つ忠告は受け入れづらい」
「良薬は口に苦し」は薬の効き目に関する話をしているときと、そのほかの一般的なシチュエーションとではニュアンスが異なってきます。
それぞれの意味を確認しておきましょう。
②役立つ忠告は耳に痛く素直に受け入れるのが難しいが、自分のためになる
①の意味から転じて②の意味になりました。ビジネスや日常会話での「良薬は口に苦し」は、②の意味になるケースが大半です。
良薬は口に苦しの由来・現代語訳の意味合いは?
「良薬は口に苦し」は、昔の中国でよく用いられていた有名な格言なのですが、由来が何かは今のところはっきりしていません。
しかし「良薬は口に苦し」が活字として一番最初に登場した書物は、韓非子・外儲説(かんぴしがいちょせつ)といわれています。
また「良薬は口に苦し」は「孔子家語(こうしけご)」「史記」などにも使われている文言です。
書物によって漢文の言い回しは若干異なりますが「良薬は口に苦し」の意味するところに違いはありません。
現代の「良薬は口に苦し」の意味合いとまったく同じニュアンスですね。
良薬は口に苦しの読み方は「りょうやくはくちににがし」
「良薬は口に苦し」の読み方は「りょうやくはくちににがし」。
「良薬は口に苦し」は、後ろに「忠言耳に逆らう(ちゅうげんみみにさからう)」という慣用句がつく場合がよくあります。
「忠言耳に逆らう」は「忠告の言葉は、相手の耳には非難されているように聞こえてしまい、素直には受け入れてもらえない」という意味です。
「良薬は口に苦し忠言耳に逆らう」のうち、前半の「良薬は口に苦し」は忠告される側の気持ちになった言葉。後半の「忠言耳に逆らう」は、苦言を呈する側からみて「忠告とはどのようなものなのか」を表す語句という構造になっています。
良薬は口に苦しの使い方・用例
ビジネスでの「良薬は口に苦し」は「役立つ助言ほど自尊心を逆なでするため、素直に受け入れるのは難しい」というニュアンスで用いられるケースが大半です。
良薬は口に苦しの使い方を例文でイメージしてみましょう。
上司
新人
上司
先輩
上司
良薬は口に苦しの類語
良薬は口に苦しのように、忠告に対する人の気持ちを表す慣用句はほかにもあります。
良薬は口に苦しの類語も、この機会におさえておきましょう。
苦言は薬なり、甘言は病なり:苦言は嫌なものだがためになり、甘言は気分がいいものだけど身を損なう病のようなもの
薬の灸は身に熱く、毒な酒は甘い:薬の灸は熱さを感じ、毒にもなる酒は甘くて美味しい。忠告は耳に痛いけれど、遊びの誘いやご機嫌取りのおべんちゃらは嬉しいからつい道を誤りやすい
ちなみに、良薬は口に苦しの対義語は「佞言は忠に似たり(ねいげんはちゅうににたり)」です。媚びへつらうセリフは誠実な物言いのように聞こえるので、へつらいの言葉には警戒しなければならいないという意味。
良薬は口に苦しの英語表現
良薬は口に苦しを英語で表現するときには「A good medicine tastes bitter.」といえば意味を伝えられます。
「a good medicine」は「良薬」。「taste bitter」の意味は「苦みがある」です。
「A good medicine tastes bitter.」は、直訳すると「いい薬は苦い味がする」という意味。もともとは中国語の格言である「良薬は口に苦し」ですが、英語でもそのままのニュアンスで使用できますよ。
良薬は口に苦しを肝に銘じて日々を過ごそう
正論は耳に痛いもの。しかし、正論を突きつけられて不愉快になったからといって、避けて通っていたら何も改善できません。
忠告されるとなぜ気分が悪くなるのでしょう。自分に自信があるのならくだらないと気にしなければいいし、思い当たることがあればありがたく受け止めて改善するのみです。
その助言は自分の成長につながるものか、ムッとする気持ちをちょっとおさえて考える癖をつけてみましょう。
良薬は口に苦しを肝に銘じて、明日からの仕事に臨んでください。