『不条理』とは『筋道が通らない』という意味
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『不条理』とは『筋道が通らない』という意味の言葉です。なんとなく「これってなんか違うよね?」という意味合いで使ったことがあるかもしれません。
しかし、上の会話の新人くんのように『理不尽』って言葉もあるよね?と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。
ここでは、『不条理』の意味や使い方を解説するとともに、似た言葉との違い、類語、対義語、英語表現についても紹介します。
『不条理』の意味
『不条理』は『ふじょうり』と読みます。この言葉は、本来は、物事の健全な考え方や物事の道筋の法則に反することを意味する言葉です。フランスの作家であるカミュの評論により広く知られるようになった哲学です。
しかし、現代の日本では、次の意味をもつ言葉として使われています。
■筋道が通らないこと
■道理にあっていないこと
筋道が通っていないことを言う人や、ある特定の状況に対してではなく、『誰がそのようにしたのか』『なぜそんな状況になったのか』など、解決策に悩む状況下で使います。
『不条理』の類語
『筋道が通らない』の意味合いの言葉として、『不条理』のほかにまっさきに思い浮かぶのが『理不尽』ではないでしょうか。しかし、同じような意味をもつ言葉はほかにも存在します。
まずは、『理不尽』を簡単な言葉に言い換えたい場合に使える言葉を紹介します。
・筋道が通らない
・道理にあっていない
・ありえない
・いわれのない
・むちゃくちゃ
・常識に反している
・でたらめ など
次に、『不条理』に似た意味をもつ類語をいくつか紹介しておきます。
理不尽(りふじん)
理不尽の意味としては『筋道が通らない』となります。しかし、『不条理』は、なぜそうなったのかがわかりにくい状況や世界観を指すのに対し、『理不尽』は筋道が通っていない人や状況が明確になっている場合に使うといった違いがあります。
■正しいことを言っても非難されるなんて…なんて不条理な世の中なんだ。
■あの人はいつも理不尽な要求ばかりをしてくるよね。
非合理(ひごうり)
知識や考え方などが論理にあっていないことを『非合理』といいます。ただし、『非合理』は哲学の分野で、「論理的に考えていては理解できないよね~」といった意味合いで使われます。
一般的に、「それは筋道が通っていないよ」という意味では『不合理(ふごうり)』が使われます。
不道理(ふどうり)
『不道理』とは、物事の筋道や、人として守り行うべき道に反していることをいいます。
『不条理』の対義語
『不条理』の対義語は、『道理に合っている』『筋道通り』の意味をもつ言葉があてはまります。
もっとも一般的なのは『条理』ですが、『理にかなっている』という言葉でよく使われる『理』でもいいですね。
『不条理』の使い方・例文
類語をチェックして、『不条理』との違いもなんとなく理解できたと思います。ここでは『不条理』の正しい使い方を、例文を使ってチェックしておきましょう。
■そんな不条理な話はとてもじゃないけど理解できない。
■どんな人にも意見できる人はことごとく左遷されている。こんな不条理なことばかりする企業にはもういたくない。
『不条理』の英語表現
『不条理』を英語で表現する場合、『unreasonable(理屈に合わない)』や『absurd(不条理な)』を使います。
unreasonable decision(不条理な決定)
absurd story(不条理な話)
社会的に筋道が通っていないときには『不条理』だと認識しよう
ここで紹介した、『理不尽』をはじめとする類語も、『不条理』と同じような意味をもっているので、意味がわかっても使い方に迷うこともあるでしょう。しっかり使い分けるのはちょっと難しいかもしれません。
筋道の通らない事柄に対し、何が原因なのか不明な場合、誰がそんなことをしたのか明確にできない場合など、意味不明な部分が多ければ、『理不尽』よりも『不条理』が適しています。状況に応じて使い分けてみてください。