「不躾」とは「失礼」という意味
不躾な質問ですがおいくつですか
いくら「不躾」で前置きしたからといって、こんなふうにデリカシーのない聞き方はしませんよね。
「不躾(ぶしつけ)」とは「失礼」という意味。「不躾ながら~」はクッション言葉として、立ち入った話や急なお願いをする際に使用します。「礼儀がなっていなくてすみません」というニュアンスです。
丁寧な表現なので目上の人に対しても使うことができます。また、口語でも文書でも使用可能。
「不躾」が使えるシーン
「不躾」は主に3つのシチュエーションで使用します。
・お願い ・感謝、謝罪 ・注意、非難
それぞれの使い方を詳しく見ていきましょう。
お願いの「不躾」
・不躾ですが教えてください ・不躾ながらお願いしたいです ・不躾ではございますがご対応のほどよろしくお願いいたします ・不躾とは存じますがご検討のほどお願いいたします ・不躾なお願いで恐縮ですがご検討していただければ幸いです
よく使われるのがお願いの「不躾」。クッション言葉として質問や依頼の文章とともに使用します。
年齢や年収などデリケートな質問をせざるを得ない場合や、相手に無理をさせてしまうかもしれない頼み、急なお願いをする際などに使うことができます。
とはいえ、基本的には「不躾」だと思ったら聞かない、お願いしないことがマナー。そうせざるを得ない理由がない限りは避けるようにしましょう。
感謝・謝罪の「不躾」
・不躾なお願いを聞いていただきありがとうございました ・飲みの席とはいえあの発言は不躾でした
お願いを聞いてもらった後や、失礼な言動をしてしまった後などに感謝・謝罪の言葉とともに使う「不躾」。不躾自体に感謝・謝罪の意味はないため、「ありがとうございます」や「申し訳ありません」といった言葉を続ける必要があります。
注意・非難の「不躾」
・不躾な言動を咎められる ・取引先に対してあんな不躾な態度を取っちゃ駄目でしょ!
他人の「不躾」な言動を注意・非難する際に使用します。
「不躾」な言動とは
・プライベートなことを意味もなく聞く ・挨拶や敬語などマナーがなっていない ・生意気な態度 等
礼儀知らずな言動、すなわち「不躾」です。このような言動をすれば「不躾」な奴と周囲から認識されるでしょう。
「不躾」の類語
・失礼 ・無礼 ・非礼 ・差し支えなければ
これらは「不躾」の類語として同じように使うことも。例えば、「不躾をお許しください」は「失礼をお許しください」に言い換えることができます。
ちなみに、「失礼」「無礼」「非礼」は失礼度に応じて順番づけがされています。詳しくは以下でご確認ください。
「失礼」の意味とは?「失礼します」の使い方や類語、英語表現など詳しく解説!
「不躾」を英語で
I’m sorry to ask you, but how old are you? ⇒不躾な質問ですが、おいくつでしょうか This might sound a bit rude, but~ ⇒少し失礼に聞こえるかもしれませんが~ Can I ask you a candid question? ⇒率直な質問をしてもいいですか
意訳ですが、「I’m sorry to ask you」で「不躾な質問ですが…」を表現しています。
他の文章も「不躾」と同じようなニュアンスで質問や発言をする際に使える表現。
「不躾」を使ったとしても
「不躾」は使えば何でも聞いたり頼んだりできる免罪符のような言葉ではありません。実際は大して失礼でもない質問、依頼をする際に、あなたを気遣う余裕がありますよ、という意味合いで使用します。
また、質問をして沈黙があったり、相手の表情がこわばったりしたら、すぐさま「不躾なことを聞いてしまいすみません」と謝るぐらいでちょうどいいでしょう。