「盤石」とは「安定して揺るぎない」という意味
顧客と盤石の信頼関係を築く
全ての顧客とこんな関係になれたら理想ですよね。全てとはいわなくても「磐石」の関係にある顧客が数人いるだけでも心強いです。
「盤石(ばんじゃく)」とは「安定して揺るぎない」という意味。人間関係や仕組み、自信など目に見えないものの安定性を表す言葉です。
「盤石」の語源
「盤石」の「盤」には「平たく大きな岩」という意味があります。「盤石」は揺るぎなさを「平たくて大きい安定した岩石」に例えた表現。
「盤石」のその他の意味
「盤石」は「ばんせき」と読んで囲碁で使う「碁盤」と「碁石」を表すこともあります。囲碁のショップで「盤石セット」といえばそれら二つを組み合わせた商品。
「盤石(ばんせき)」は単に「平たい石(状の物)」を表す言葉として使われることも。例:「屋根に盤石を敷く」。
「盤石」と「磐石」
通常、「盤石(盤の下が皿)」と書きますが、「磐石(磐の下が石)」と書く場合もあります。
「磐」単体の意味は「ゴツゴツした大きな岩」。「盤」にも「岩」という意味がありますが、こちらは平たい岩。
・盤⇒平たく大きな岩 ・磐⇒ゴツゴツした大きな岩
どちらも大きな岩には違いないので安定性には変わりなさそうです。一般的には「盤石」を使うことが多いです。「皿のように安定した方(盤)を使う」と覚えておいてください。
「磐石」の逸話
仏教には長い時間を表す「劫」という単位がありますが、その途方もない長さを例えた逸話に「磐石劫(ばんじゃくこう)」があります。
とてつもなく大きな岩を天女の羽衣で100年に一度のペースで撫でた際に、岩が摩耗してなくなるまでの時間も一劫にはまだまだ足りない。劫は果てしない長い時間なのだ、という話です。
また、不動明王が座っている石を「磐石」ともいいます。この「磐石」は金剛石(ダイヤモンド)の原石ともいわれています。
これらの逸話で語られる際は「磐石(石の方)」が使われます。ゴツゴツした岩(磐)よりも平たい岩(盤)の方が座りやすそうですけどね。
「盤石」の使い方・例文
・盤石のプレーで勝利に貢献 ・盤石の構えで選挙に臨む ・派閥争いを制し社内での地位は盤石なものに ・盤石を期すため入念に準備をする
「盤石の構え」、「盤石を期す」といった言い回しも一緒に確認しておきましょう。
「盤石」の類語
・鉄壁(てっぺき) ・万全(ばんぜん) ・難攻不落(なんこうふらく) ・揺(ゆ)るがない
これらが「盤石」の言い換え表現。
「鉄壁」や「難攻不落」は勝負事やスポーツなど、争い競う敵やライバルがいる際に使用します。
「盤石」を英語で
The cooperation system is solid ⇒協力体制は盤石だ
「solid」で「盤石」を表しています。「solid」は「個体」という意味で「liquid(液体)」や「gas(気体)」とともに使われる単語です。「硬い」や「確かな」という意味もあり、「盤石」の持つニュアンスと近いものがありますね。
基礎を「盤石」に
何事も「盤石」な状態が理想…とはいえ、時に自信がない状態、未完成の状態でもやらなければいけないことがあります。特にビジネスシーンではそのようなことは多々ありますよね。
そんな時でもビジネスパーソンとしての基礎が「盤石」であれば乗り越えていけるはず。