「反駁」とは「論じ返す」という意味
問題点を挙げて反駁する
「反駁」を知ってる・よく使うという人は学生時代、ディベート部だったのでは?それくらい一般的には使わない用語です。
「反駁(はんばく)」とは「論じ返す」という意味。相手の意見や批判に対して、負けじと論じ返して応戦することを指します。まあ「反論」とほぼ同じ意味ですね。
いやいやいや、「反論」と「反駁」は明確に違うから!
このような考えの人はやはりディベート部なのかも。
ディベートにおける「反駁」
ディベートとは、「賛成派」と「反対派」など2つの対立する意見を持ったチームが論じ合うこと。学校教育に取り入れられていることもあり、一度くらいはやったことがあるのではないでしょうか。
ディベートについて詳しくは以下でご確認ください。ディベートとはどんな意味?目的と効果、やり方のコツ、ディスカッションとの違いを解説
ディベートでは「反論」と「反駁」は違うものとして扱われています。
・反論⇒相手の意見や批判に対して反対の意見を述べること ・反駁⇒相手の意見や批判に対して論じ返すこと
極端にいえば、「違うよ」と一言だけ発言するようなものは「反論」。「反駁」するには反対する根拠や問題点などを持ち出して、論じる必要があります。反対するだけの理由をきちんと述べて初めて「反駁」に。
「反駁」の使い方・例文
「反駁」を日常生活で使うことはないかもしれませんが、あえて例文を作ってみるとこうなります。
・理論的に反駁されたので何も返す言葉がなくなった ・相手の主張に反駁を加えることからディベートは始まる ・論点がずれている事ばかり言っていたのでつい反駁してしまった
ディベートの話題以外では「反論」に置き換えた方が自然に聞こえます。
「反駁」の類語
「反駁」の類語は「反論」だけではありません。
・弁駁(べんばく) ・反証(はんしょう) ・反対(はんたい) ・抗議(こうぎ) ・異議(いぎ)
「弁駁」も「反証」もディベート以外ではあまり使わない表現。
「反対」や「抗議」、「異議」は比較的よく使う表現といえます。「反駁」は「反論」の他、これらの表現に置き換えて使うことをおすすめします。
・相手の意見に反駁する ・相手の意見に反論する ・相手の意見に反対する ・相手の意見に抗議する ・相手の意見に異議を唱える
「反駁」を英語で
He tried to rebut her argument ⇒彼は彼女の主張に反駁しようとした
「rebut」で「反駁する」を表現しています。「rebut」はディベート用語として使われていますが、普段の会話ではあまり使わない表現。
ディベート以外では「argument」や「counterargument」を使いましょう。これらは「議論する」と訳されることが多いですが、「反駁する」や「反論する」と訳してもOK。
「反駁」は役立つ
「反駁」は普段はあまり使わない表現ですが、根拠や問題点を提示して論じ返す習慣はビジネスに役に立つはず。「違うから違うんだ」と言うよりも説得力が何倍も違ってきます。
とはいえ、クレーマーや立場が上の人に対しては「反駁」して打ちのめしてしまうこともできないのでほどほどに。