『無垢』とは『汚れがなく純真』という意味
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『無垢』とは、『垢が無い』こと。『垢』は、「お風呂に入って垢を落とす」の『垢』。ほかにも『水垢』『垢すり』など、『垢』はなんらかの汚れを表す言葉で、『無垢』は、そういった汚れがないことを指しています。
また、『〇無垢』『無垢〇』といった言葉もいろいろとあるため、それぞれを正しく解釈するためにも『無垢』の意味はきっちり覚えておきたいものです。
ここでは、類語・英語・対義語のほか、会話での使い方についてもわかりやすく解説していきます。
『無垢』には4つの意味がある
大まかには『汚れが無い』ことを指す『無垢』ですが、もう少し細かく分類すると、次の4つの意味をもつ言葉といえます。ちなみに、読み方は『むく』です。
①汚れがなく純真なこと
②金や銀に混じりけがないこと
③仏門において、煩悩の汚れを離れ、清浄であること
④布地が無地で全体が同色であること
②~④の意味は、一部の分野でのみ使われますが、①は、一般生活の中でもビジネスシーンでも使われる意味です。
なお、『純真なこと』を『うぶ』と表現する場合もあります。
厳密には、『うぶ』とは『初々しく、世間に慣れていないさま』の意味なので、混同しないようにしましょう。
『無垢材』の種類は?
『無垢材』と聞くと、フローリングによく使用されている木材が頭に浮かぶ人が多いでしょう。この木材の『無垢』とは、天然の木を切り出して1枚の板に加工したものを指します。
一方で、『無垢』ではないフローリング材は『合板(ごうばん)』です。これは、複数枚の木材の板を接着剤で張り合わせて作っており、『無垢材』よりも安価なのが特徴です。
また、『無垢材』は木材だけでなく、『金属』を指す場合もあり、『金属無垢材』とも呼ばれています。わかりやすい『金属無垢材』は『24金』でしょう。
アクセサリーで『18金』というのもよく目にすると思いますが、この場合、金の含有度は75%。つまり『純真で混じりけが無い』とはいえないわけです。
『白無垢』とは?
『無垢』の4つの意味のひとつに、『布地が無地で全体が同色であること』がありますが、『白無垢』は、白一色であるという意味になります。
しかし、日本においては、『表地も裏地も白一色で仕立て上げられた和服』を指し、一般的には神前式のときに着る、和装の婚礼衣装のことをいいます。
『無垢』の使い方・例文
『無垢』には、細かく分類すると4つの意味があり、使われる分野もさまざまです。そのため、会話での登場の仕方もいろいろあります。
■リフォームのご依頼のあったお客様から、「フローリングは無垢にしてほしい」と依頼があった。
■ここの金属は無垢にしたいところだが、予算の都合上18金にするしかない。
■このワンピースは無垢の生地で作ることにした。
『無垢』の類語・対義語
『無垢』をほかの言葉で表したい場合はこんな言葉が使えます。
・心が綺麗
・汚れていない
・純粋
・清純 など
・余計なものがない
・濁りがない
・よごれていない
・清浄 など
『無垢』の対義語は、『汚れて無い』の反対の言葉で、『不純(ふじゅん)』『煩悩(ぼんのう)』『邪心(じゃしん)』『不浄(ふじょう)』があげられます。
【不純】
純真ではないこと。
【煩悩】
心身を悩まし、心をかき乱したり汚したりする精神的な作用。
【邪心】
悪い心。
【不浄】
清浄ではないこと。汚れていること。
『無垢』の英語表現
『無垢』を英語で表したい場合、次の単語が使われます。
【pure】
純粋な。澄んだ。汚れのない。混じりけがない。
【innocent】
率直な。無邪気な。純真な。潔白な。
なお、素材が『無垢』である場合には『中まで同じ物質の』を意味する『solid』を使う場合もあります。
各分野の『無垢』の意味を理解しよう
住宅関連や、金属素材の話をしているときに、『無垢』を『純真である』と解釈すると話が通じないことがあります。大まかには同じ意味にはなりますが、それぞれの分野での解釈は異なるので、正しい意味をきちんと覚えて使いこなしてください。