「直近」とは「一番近く」という意味
直近の予定を教えてください
「直近」はビジネスシーンでよく使う表現ですよね。未来を指したかと思えば、過去を指したり、はたまた時間以外を指すこともあったり…。どこまで「直近」で表すことができるのか不思議に思うかもしれません。
「直近(ちょっきん)」の意味は「一番近く」。時間に限った表現ではないので幅広く使うことができます。
時間の「直近」
「直近」は何に使ってもいい表現ではありますが、一番使われるのはやはり時間に言及する時。
大きく分けて「過去」を表す場合と「未来」を表す場合があります。
過去の「直近」
・直近の売上データをまとめる ・直近の勤務先はA社です ・直近だといつログインしましたか? ・直近2週間の出来事を報告する ・直近高値を超えたら買い、直近安値を割ったら売る
これらの「直近」は「一番近い過去」という意味で使われています。「最近」や「最新」に言い換えてもいいでしょう。
「直近2週間」は2週間前から今まで、「直近5年間」は5年前から今まで、という意味です。
証券用語で「直近高値」は現在から一定期間さかのぼって最も高い値、「直近安値」はその逆で最も安い値のこと。
未来の「直近」
・直近の出社日はいつですか ・直近だと来週の月曜日です ・直近1ヶ月は忙しいです ・直近にならないと分かりません
これらは「一番近い未来」を指す「直近」。「近々」と近い表現です。
「直近にならないと~」は「直前」に言い換えることができます。
場所の「直近」
過去や未来など時間に関することを「直近」で表すことが多いですが、「場所」を表すこともあります。
・駅直近の交番に駆け込む ・直近のコンビニまで徒歩5分
「距離が一番近い」ことを意味しています。「最寄り」と言い換えることも可能。
人間関係の「直近」
時間、場所だけではなく人間関係に使うこともあります。
・今年から直近の部下ができた ・まずは直近の上司に相談する
「直属」という意味で「直近」を使っています。
「人間関係」といっても「組織の上下関係」に限られます。「直近の友だち」「直近の親戚」といった使い方はしません。
「直近」を使う際の注意点
直近の会議はいつですか?
このように聞かれても、最近あった会議のことなのか、近々ある会議のことなのかわかりませんよね。
実際は前後の文脈で判断できると思いますが、「直近」は使い方によっては曖昧になりえる表現です。
誤解を生じさせないためには、「最近」や「近々」といった過去・未来がわかる表現に言い換える、具体的な日にちを明示するといった工夫をしましょう。
「直近」の類語
時には「直近」を言い換えることも必要です。類語表現を確認していきましょう。
・最近(さいきん)⇒過去 ・近々(ちかぢか)⇒未来 ・最寄り(もより)⇒場所 ・直属(ちょくぞく)⇒人間関係
「直近」の英語表現
「直近」は英語ではどのように表現できるのでしょうか。
This is the latest data ⇒これが直近のデータです
過去を意味する「直近(最近)」を「the latest」で表しています。一語で「recent」でも可能。
「未来」を意味する「直近(近々)」は「the earliest」で表現できます。また、場所を意味する「直近(最寄り)」は「the nearest」や「the closest」。
・過去の直近⇒the latest ・未来の直近⇒the earliest ・場所の直近⇒the nearest
便利だけど誤解のないように
「直近」は過去・未来・場所から人間関係まで表現できる便利な言葉です。その範囲の広さから使い方によっては曖昧になりがち。必要によっては類語や具体的な日時に言い換えて誤解のないようにしてください。