老獪はいい意味の言葉ではない?
新人
上司
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老獪は、ずるがしこいことを意味する言葉。あまりいい意味の語句ではありませんが、知っておきたい言葉の一つです。
しかし、ビジネスにおいて、老獪さは必ずしも悪いことではありません。老獪について学び、あなたのビジネスマン人生に役立てていきましょう!
老獪の意味は「経験を積んでいて悪賢いこと」
老獪は「ろうかい」と読みます。
「老」は「ふける」「年を取る」という意味で使用するケースが一般的です。しかし、「経験豊かである」というニュアンスももっています。
皆さんは、長老や老中、家老という言葉を聞いた経験はないですか?これらは「経験豊か」というところから、「特定の集団を率いる人」や「保佐する人」という意味で「老」を使っている言葉。「老」が老人専用の漢字ではないと覚えておきましょう。
「獪」は「わるがしこい」「ずるい」という意味。
整理すると、次のようになります。
老:経験豊富
獪:ずるい
「老」と「獪」を組み合わせた老獪は、次のような意味をもつ言葉です。
老獪は、経験を積んだ悪賢い人に使います。
ビジネスでは悪賢さもときには必要です。しかし、いい意味の言葉ではないため、老獪は注意して使用しなければなりません。
老獪の使い方・例文
老獪という言葉の意味がわかっても、実際にどのように使えばいいのか、イメージがわかないかもしれません。ビジネス会話では老獪をどのように用いるのか、例文でイメージしてみましょう。
先輩
新人
新人
先輩
ビジネスで必要なものとはいえ、老獪はいい意味の言葉ではありません。面と向かって「あなたは老獪ですね」などといってしまうのは失礼です。
老獪は、相手の耳に入るようなシチュエーションでは使わないように気をつけましょう。
老獪の類語・言い換え表現
老獪と同じようにいろいろな経験を積んでいて、悪賢いことというニュアンスをもつ言葉はたくさんあります。言い換えできるように覚えておきましょう。
邪知(じゃち):悪知恵
老猾(ろうかつ):老獪
古狐(ふるぎつね):年を取り、経験も積んだずるがしこい人
狸親父(たぬきおやじ):年を取ってずるがしこい男性
海千山千(うみせんやません):さまざまな経験を積み、物事の裏表を知り尽くして悪賢いこと。したたかもの
食えない:ずるがしこくて油断ならない
すれっからし:さまざまな経験を積んで悪賢くなること。苦労したために人柄が悪くなること。そのような人
抜け目がない:注意深くて手抜かりない。目先が利いてずるがしこく立ち回る様子
どこかで聞いたことがあるような語句も並んでいますね。どれも老獪と同じであまりいい意味ではありません。
使いどころをよく考える必要があります。
老獪の英語表現
日本語の勉強の次は英語です。英語にも、ずるがしこいなど老獪に似たニュアンスをもつ表現がありますよ。どのような言い方をするのかみてみましょう。
crafty:ずるい、悪賢い
cunning:こうかつな、ずるい、悪賢い
guile: こうかつ、ずるさ、悪知恵
old fox:海千山千
tricky:こうかつな、油断のならない
slick:如才のない、ずる賢い
dodgy:ずるい、油断のならない
guileful:こうかつな、悪知恵の働く
sly:ずるい、悪賢い
wily:こうかつな、陰険な、ずるい
日本語の老獪に複数の類語があったように、英語表現にもいろいろなものがありますね。ビジネスで英語を使うときに備えて、英語の語彙も増やしておきましょう。
老獪は悪意がなくても失礼になるワード
面と向かって悪賢いといわれたら、どんな印象を受けますか?ほとんどの人が、いい気分にはならないのではないでしょうか。
ビジネスでは時に老獪さが必要になる場面があります。ビジネスマンが老獪であるのは必ずしも悪いことではないでしょう。
しかし、基本的には「ずる賢い」といったニュアンスがあるので、面と向かって「あなたは老獪だ」といってしまうのは失礼です。
老獪という言葉は、相手に配慮して上手に使うようにしましょう。