レジリエンスとは『心の強靭性』
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上司
個人だけでなく、企業や団体などの組織にも必要とさるレジリエンスとは、さまざまな状況に適応できる個人の能力のことです。単に強靭であるだけではなく、しなやかさや柔軟性を兼ね備えるニュアンスも含みます。
とはいえ、すぐにはピンとこないでしょうから具体的に解説していきます。
レジリエンスの意味をチェック
レジリエンスとは『心の強靭性』のことです。第二次世界大戦下のホロコーストで心に深い傷を負った孤児たちを追跡調査する中で注目されるようになりました。
心理学用語のように思われていますが、実際はどうなのでしょうか?本来の意味も確認しておきましょう。
レジリエンスはもともと物理学用語
レジリエンスは本来、物理学用語です。外的なショックにも簡単に折れることなく、形状を復元できるしなやかな強さを意味します。
具体的には物質の反発性や弾力性を示す言葉です。ここから、外圧が加わっても元の姿に戻れる力という意味で、人間の精神面に当てはめて使われるようになりました。
レジリエンスが高い人の特徴とは
レジリエンスはいわば「心の回復力」ということもできます。レジリエンスが高い人の特徴としては次のようなものが挙げられます。
楽観的である
常に向上心がある
思考が柔軟
感情に支配されず、むしろ支配する
こうした要素にあてはまる人は、何かあったときでも心が折れにくいと言われています。
組織にもレジリエンスが必要な理由
近年では、企業をはじめとした組織においてもレジリエンスが必要だと考えられています。組織は人が集まってできるものですから、大きなひとつの人格と捉えられるのです。
そのため、組織もレジリエンスを高めないと外部環境の変化や外圧に対して崩壊しやすくなります。したがって、組織としてもレジリエンスが高い人の特徴と同じ性質を持つことが望まれるというわけです。
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レジリエンスの英語は『Resilience』
レジリエンスは英語で『Resilience』と表記し、使う意味合いも日本語と同じです。
以下のように使われます。
高いレジリエンスを持った企業は存続するだろう。
レジリエンスの欠如があの会社の倒産を招いた。
レジリエンスとメンタルヘルスの違い
レジリエンスに似た言葉で、メンタルヘルスがあります。これは心の健康という意味合いから、人を悩ませる精神的苦痛を緩和させるサポートのことを指しています。
レジリエンスは人間の内側から生まれるものですが、メンタルヘルスは外側からのサポートのことなので、関連はしますが別物です。
近年ではメンタルヘルス対策に取り組む企業が増えています。メンタルヘルスは、社員の精神疾患の予防や回復といった効果が期待されるからです。
レジリエンスの使い方・例文
レジリエンスは、その対象が人から組織までという汎用性の高い言葉です。ビジネスシーンでの会話ではどのような使い方があるのでしょうか。例文で見てみましょう。
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[おまけ]企業がレジリエンスを高める方法とは
企業がレジリエンスを高める方法としては3つのアプローチが想定できます。
まず、ビジネス全体を俯瞰するように物事を捉え、将来起きるかもしれない出来事を、いくつか想定して準備しておくことが大切です。準備のないままに大きな衝撃が加わるとパニックに陥る恐れがあります。
めまぐるしく変化する経済環境の中で、企業が常に最高の状態であり続けることは至難の技です。しかし、周囲の変化に柔軟に対応して調和する努力をすれば、生き残っていけるでしょう。
また、企業がレジリエンスを高めるためにはブランド力が不可欠です。環境に大きな変化が生じても、企業組織が他社と差別化されたブランド力を持っていさえすれば、存続できるからです。
企業が常に俯瞰してビジネス環境を見据え、守るべきものと変化すべきものの調和を図り、ブランド力を高めれば、市場の激変にも対応していけるでしょう。
幅広く使われるレジリエンスを使いこなそう
これまでレジリエンスの意味や使用例を見てきました。『レジリエンス』という物理用語が、人間の心理だけでなく組織の論理にまで及ぶのです。どういった文脈で使われているのかを理解した上で、会話で使いこなしましょう。