「衷心より」とは「心の底から」という意味
衷心よりお悔み申し上げます
お悔やみの言葉や弔電でこのようなフレーズを目にしたことがあるかもしれません。
「衷心より(ちゅうしんより)」の意味は「心の底から」。哀悼や感謝、謝罪の言葉とともに用いて強調する働きをします。
「衷心より」の「衷」とは
「衷心より」の「衷」には「真ん中」、「真心」という意味があります。
「哀しい(かなしい)」の「哀」ではないので注意しましょう。お葬式関連で使われることも多いので、「お葬式=哀しい」とイメージが重なりやすく誤解している人もいるようです。
「衷心より」を使う際の注意
「衷心より」を今まで使ったことがないという人も多いはず。その他の注意点も確認していきましょう。
お葬式以外でも使う
「衷心より」はお葬式だけで使う表現ではありません。謝罪の言葉から祝い事、感謝の言葉までフォーマルなシーンで幅広く使えます。
主に書き言葉で使う
「衷心より」は主に手紙や電報など文字に起こして気持ちを伝える際の表現。会話の中で使うことはあまりありません。会話で使うにはフォーマルすぎることに加え、よく使う表現である「中心(ちゅうしん)」と音が同じことも原因の一つと言えるでしょう。
挨拶等で使いたい場合は、「心より」や「心から」といった耳で聞いてもすんなり分かる表現に言い換えた方が無難かも。
「衷心より」を使った言い回し
「衷心より」は決まった形式の中で使われることの多い表現です。よく使う言い回しはそのまま覚えておくといいでしょう。
・衷心よりお悔やみ申し上げます ・衷心より哀悼の意を表します ・衷心よりお見舞い申し上げます ・衷心よりお願い申し上げます ・衷心よりお祝い申し上げます ・衷心より拝謝申し上げます ・貴社のますますのご発展を衷心より祈念しております ・日頃より一方ならぬご贔屓を賜り衷心より御礼申し上げます
「衷心よりお願い申し上げます」や「衷心より拝謝申し上げます」は普段使いできそうですが、ちょっとしたことに使うと大げさな感じに。周年記念等の挨拶の一文として使われるのが主です。
重大な節目に
「衷心より」はフォーマルなシーンで使う表現。よく使う表現とは言えませんが、冠婚葬祭や大きな出来事の際に使われます。いざというときに使いこなせるようにマスターしておきましょう。