「達観」とは「悟る」という意味
達観した人生観を持つ
苦難を乗り越えた人、人生経験が豊かな人、ちょっとしたことでは動じない人、意味深なことを口にする人などを「達観した人」ということがありますよね。
「達観(たっかん)」の意味は「悟る」こと。とはいえ、普段使う場合、悟っているかどうかを気にして使うことはないですよね。物事の真理を悟ったような態度や言動を「達観」と表現しています。
また、広い視野を持つことや先を見通せることを「達観」ということもあります。
「達観」の語源
「達観」は元は仏教用語。仏教において真理を悟ることはすなわち「仏」になるということ。そう考えると、本当の意味で「達観」している人は全宇宙で何人いるんだという話になりますよね。
私たちが普通に使う「達観」は、それっぽいということで一種の例えのような表現です。
「達観」してるっぽい人
一般的に「達観」してるといわれるのはどんな人でしょうか。
・細かいことにはこだわらない ・精神年齢が高い ・落ち着いている ・欲がない ・冷めている ・感情を表に出さない ・上から目線で物事を語る ・いろんなことを諦めた考え方をしている
良さげなことから、あまり良くないんじゃないと思うようなことまで、「達観」で表しています。
もちろん、本来の「達観」にこのような意味はありませんが、それっぽい雰囲気があるだけでも「達観」と言われることがあります。
引っ込み思案なだけなのに、「達観してるねぇ」なんて誤解されたことはないでしょうか。とはいえ、使う方もわかって言っているのかもしれません。
「達観」は良い意味だけではなく、悪い意味としても使われる表現です。
「達観」の使い方・例文
「達観」はどのように使われるのでしょうか。
・部長の達観した人生観から語られる話は勉強になります ・彼女は達観した雰囲気があるせいかよく恋愛相談される ・ビジネスでは達観した視野で先を見通すことが大切です ・彼は達観しているからこんな話には興味は持たないよ ・おい、達観しすぎて仙人みたいなこと言いだしたぞ! ・思考停止しているだけなのに達観ぶって物事を語るんじゃない
「人生経験豊か」「精神年齢が高い」という意味でいい意味で使われることもあれば、皮肉や小バカにした感じで使われることも。
先を見通すという意味で「達観した視野」「達観視」という表現でも使われます。
「達観」の類語
「達観」を別の表現に言い換えることはできるのでしょうか。
・諦観(たいかん) ・解脱(げだつ) ・開眼(かいがん) ・経験豊富(けいけんほうふ) ・熟練(じゅくれん) ・早熟(そうじゅく)
「諦観」「解脱」「開眼」は仏教的な意味での類語です。「諦観」は「ていかん」と読んで、「達観」のように例えで使われることも。
使う人による「達観」
いい意味でも悪い意味でも使われる「達観」。「達観してますね」と言われたら、「つまり、どういうこと?」と聞き返してみてください。相手が答えられなければ、なんとなくふわっとした意味で使ってるのかも。